バーバラ
「私の名前はバーバラよ。家名は……忘れたわ。一緒に行く事になるんだから、そこは覚えておくようにね。お姉さん呼びはサマナちゃんだけだから。アークはバーバラと呼んでよ」
「俺様がお姉さんと呼ぶわけがないだろ。一緒に行動するのもサマナが許可しなければ……するんだろうが!! お前が……バーバラがここまで来れた理由を先に教えろ。急に行動不可になってもサマナが困るだけだ」
お姉さん呼びはサマナに任せるとして、バーバラを仲間にする事によって、移動制限が発生すると面倒臭い。
サマナが死霊術師として、バーバラと契約するのなら、それも解消可能かもしれないが、コイツはそれを拒否しているからな。
互いが認めなければ契約を結ぶ事は出来ず、サマナもバーバラの意見を尊重するはずだ。
なんせ、バーバラはサマナを友達と言ったからな。サマナが仲間にするのは間違いない。
「簡単な話なんだけど」
「お姉さんはあそこにいた幽霊さん達とは少し違ってたよね」
サマナは俺様達の会話が気になるのか、水浴びを早めに終わらせて、すぐに戻ってきた。
戻ってくるのは良いが……服は着てるのか!?
俺様の背後にいるので確認は出来ないが……
「こらっ!! ゆっくりすればいいのに、急いでくるから濡れたままじゃないの。そんな状態だと風邪を引くんだから」
「あが……あったあ、ななお」
バーバラは俺様の口をこじ開け、手を突っ込んだ。そのせいでまともに話せない。
俺様の中は物置にもなっていて、バーバラ達に色々と詰め込められたからな。そこか拭く物を取り出すつもりか。
「ほら!! 拭いてあげる。新しい着替えの服も買わないと駄目だからね。そのために売れそうな物を入れたんだから」
バーバラは大きなカーテンモドキを取り出して、サマナの体を拭いているらしい。俺様の位置的には見えない場所で。
「それは探索者になってからにしたんだよ。今の姿で下手に物を売ったら、盗品と思われるかもしれないだろ。誰かに狙われる可能性もある」
「なるほどね。だったら、お姉さんがサマナちゃんのもう一つの目になってあげる。そんな奴がいたら教えてあげるし、追いかけもしてあげる」
「本当ですか!? ガイコツさんみたいに一緒に来てくれるの? それに『友達』だって」
サマナはバーバラが友達だと言った言葉が聴こえてたらしい。それが急いで来た理由だろうな。
「そうだよ。だから、お姉さんも一緒に連れて行ってくれるかな」
「うん!! お姉さんが始めて……二番目の友達だよ。一番はガイコツさんだからね」
サマナは地面から俺を引き抜き、こちらに向かせる。
俺様は友達じゃなくて……そこはツッコミを入れるべきじゃないか。バーバラも余計な事は言うなと睨んでるからな。
「はぁ……それでも構わないが、人間の友達を作るんだろ。一番はアイツ等にやってくれ」
領主の御息女……シルティを仲間にするつもりなんだから、そこは一番と思わせるべきだろ。もしくは、あのウサギ女が先になるのかは、サマナ次第だが。




