幽霊のお姉さん
「あっ!! 幽霊のお姉さんだ!!」
サマナも俺様の側に幽霊がいる事に気付いたようだ。
「サマナちゃん、やっほ〜!! 昨日ぶりだね」
「昨日ぶりじゃないだろ!! 何しに……どうやって、ここまで来れた!!」
俺様の目の前にいるのは墓場にいた女幽霊。サマナに服を用意した奴だ。
俺様が墓場からいなくなった後、幽霊達はゆっくり休むと言ってたからな。
それだけじゃない。墓場からある程度の距離までしか行けないはずだ。でなければ、俺様を森の中に捨てる事も出来たはずだからな。
この湖までは墓場と練習場の間だが、その距離までは無理な気がするぞ。
「アークだけにサマナちゃんを任せるのは心配だなって……だから、私もついて行く事にしたわけ」
俺様の名前はドクロード=アーク=サンドリオン。彼女が呼ぶのは俺様の名前で間違いないんだが……何故そこを選ぶ!!
「サマナちゃんはゆっくり水浴びの続きをしてて構わないからね。その姿をアークに見せるのは勿体ないでしょ。お姉さんは何処にも行かないからさ」
女幽霊は俺様がサマナの裸を見させないためにも、こちらに近寄らせない。
「俺様はこう見えても紳士なんだ。そこは弁えている。サマナにも伝えてあるからな」
俺様をエロ扱いされても迷惑だからな。一緒に来るというなら注意しておかなければ……
「そんな事よりもだ!! 一緒に来ると言ったか? ……お前、サマナとすでに契約を済ませてるなんて事は」
ないとは思うが、断定は出来ない。俺様と契約した時、女幽霊とは契約していなかったからな。
魔力量を調べた時も、契約による消費はなかったはず。だが、それをするのはサマナが初めてであり、勘違いしている可能性もある。
契約していたとすれば、女幽霊がここまで来れた理由にもなる。
面倒という気持ちもあるが、女幽霊が一体いるだけで、戦闘の幅が広がるぞ。
「してないよ。する必要もないでしょ。縛られるのは嫌だし。サマナちゃんとは友達だから。……お姉さんでも構わないけど? それだけど!! 私の名前を覚えてないわけ!?」
「名前だと!! 教えて貰った事があるのか?」
隠し部屋に来る幽霊達は多く、いちいち名前なんて覚えてないぞ。その名前を呼ぶ事もなかったからな。
それに自己紹介をする幽霊なんて……
「アークは知ってると思ったんだけど……誰かと勘違いしたのかな?」
勘違いだと? ……こんな姿をしてるのは俺様ぐらいしかいないんじゃないか?
コイツの名前よりも、どうやってここまで来たのかを知りたいんだが……




