だ〜れだ?
「これで大丈夫です。落書きは消えました。綺麗な透明色ですよ」
「助かる。次はサマナの番だな。俺様は何処かの地面に刺せばいいぞ。着替えや水浴びが見えない方向に向けておけよ」
「はい!! ガイコツさんも何かあったら、言ってくださいね」
サマナは湖の反対方向に俺様を地面に突き刺した。そして、服を脱いでいく音が聴こえてくる。見えなくても、それだけで十分エロいと思ってしまうのは内緒だ。
そして、水の中に入る音も聴こえてきた。ここからは獣人対策及び、どの防御魔法を優先させるかを考えよう。
防御魔法は仲間がいてこそ輝く面もある。サマナ一人で挑むとなると……
何処かで死体を……はじまりのダンジョン攻略時だけでも一体は必要か?
アイツ等みたいに意識を持たない奴なら、一回限りで終わらせる事も出来るかもしれない。幽霊や死体がはじまりのダンジョンにいた場合だろうが。
でなければ、街中で死体を連れて歩けば、サマナがどんな目で見られる事か……
はじまりのダンジョン開始は二日後。魔法だけで手一杯なのに、戦闘に慣れさせる動きを教えるのは無理だ。俺様にはその体がないわけだからな。
「今日は防御魔法と決めている。最悪、今回は失敗しても、次回に回す事もあり……じゃ」
俺様がいる事で一発合格させるのは当然。ここで失敗すれば、サマナの俺様を見る目が変わるかもしれない。最初が大事なんだ!!
「なっ!? 視界が」
そんな風に物思いにふけっていると、突然視界が真っ暗になった。
何者かが俺様に触れた感触があり、目を塞がれた状態だ。
考え過ぎだせいで、気配を感じ取るのを疎かにしてしまった俺様のミス。
サマナが水浴びをしている間に、何者かが俺様を盗もうとしているのか?
俺様を単なる宝だと思っているなら、声を発する事で相手を怯ませる事が可能だろう。
加えて、サマナに報せる事も出来る……が、襲われた場合、俺様を持たない状態で対処するのは難しい。
こんな場所で俺様の奪おうとする奴がいるなんて、想定外だ。……結構ヤバいぞ。
「だ〜れだ?」
「誰だ!?」
緊迫する空気だったはずが、その言葉に呆気に取られ、普通に返事を返しまったぞ。
サマナじゃない事は確かだ。声が違うし、そんな事をする奴でもない。
ウサギ女? いや……それも違うな。俺の目を抑えている手はモフモフじゃない。
待て……髑髏の杖にこんな事するのは、これが俺様だと知ってるからだ。
それを知ってるのはサマナ以外だと……
「あの汚ッサンか!!」
「誰がオッサンよ!!」
俺様が汚ッサン呼びした事を怒り、手を離し、俺様の正面に立つ……というよりも、浮かんでいた。




