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糞は糞でも


「ふぁ〜……ガイコツさん、おはようございま……ええっ!!」


「……朝っぱらからどうした? 俺様の顔に何かついてるのか?」


 次の日の朝。サマナが目を覚ますのは早い。それも孤児院や墓場での仕事の時がそうだったかもしれないか。


 サマナは俺様を抱き締めて眠ったわけじゃなく、地面に突き刺して、倒れないようにしていた。


 抱き枕にして欲しい気持ちがなかったわけじゃない。杖だから、枕になるわけじゃない!!


 焚き火の火がずっと点いてるわけもないから。魔物が出ないからといって、警戒はしておくべきだからな。


 俺様の目があるうちは(目はないんだが)、サマナを安全に寝かせるはずだったんだが……


 まさか……俺様の頭に鳥の糞が落ちてたりしないよな!! 地面に突き刺さった状態だと避ける事も出来ないんだぞ。


「意味は分からないけど……果実の汁か何かでウンコタレって書かれてます」


「な、何だと!! ウンコタレというのは……俺様達が馬鹿にされたという意味だぞ」


 糞は糞でも、鳥の糞ではなく、俺様にウンコタレと書き込み、馬鹿にするなんて……許すまじ!!


「一体誰がこんな事をしたんだろう?」


「どう考えても獣人の奴しかいないだろ。領主の御息女がこんな言葉は使わないぞ。俺様達の居場所を知ってるのもアイツだけだ。まさか……飯を奪うだけじゃなく、イタズラもするなんて。なかなかの策士だな」


 ご飯を奪い来ると言いながらも、イタズラに再度来るなんて。あの言葉に騙されてしまったぞ。


「サマナは……何もされてないな」


 俺様みたいにサマナの顔にも落書きでもしているかと思ったが、それもない。唯一の持ち物である鞄も取られてはなさそうだ。


 盗むなら、サマナの鞄よりも俺様のはずだからな。


 ウサギ女は俺様だけにイタズラをしたわけだ。


「だ、大丈夫そうです。鞄も服も取られてません。ガイコツさんだけに文字を書くなんて、気に入られたのなら羨ましいです」


「待て待て!! あきらかに嫌われてるからな。それにだ……相手も俺様が声を発していたのを分かってるかどうかも怪しいからな。サマナの道具の一部にイタズラした可能性だってあるぞ」


 獣人も俺様みたいなのを見るのは初めてのはず。サマナが変声が話していたと思ってるかもしれないからな。


 ウンコタレと書かれた時点で、気に入られている事はない!!


「……また来ますかね?」


「来るだろうな。飯時なのか、就寝時か。またまた別の時間は分からないが……来い!!」


 サマナの表情は来て欲しそうではある。俺様としても、報復するためにも来て貰わなければ。


 それもサマナが許す範囲の罰を考える必要がある。勿論、彼女の魔法の練習相手にもするわけだが……


「ガイコツさんも来て欲しいんですね。そういえば……ガイコツさんは額に文字を書かれた事に気付かなかったんですか?」

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