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【ドクロフラッシュ】

「その分、防御系の魔法は良いはずだぞ。アレは攻防一体の面があったからな。俺様を信じておけ。そうなったら最悪……」


 始まりのダンジョンには魔物も配置されているだろう。防御魔法が攻撃魔法よりも良ければ、サマナが直接攻撃すればいい。


 武器となるのは……俺様になるわけだが。頭が割れない事を祈るばかりだが……


「ん!! サマナ……何かの気配がある。東側にアレを使いたいが、魔法一回分は回復しているか?」


 誰かが俺様達を見ている気配がある。それも焚き火の明かりで確認出来る範囲にはいない。敵意は感じ取れないが、警戒は必要だ。


 火があるところに動物は近寄らないと思うが、万が一もある。運が良ければ、肉が手に入るかもしれん。俺様の骨に肉が付くわけじゃないがな。


「もしかして、シルティ様……」


「なわけがないだろ。覗き見するような奴じゃない事ぐらい、俺様でも分かるぞ」


 シルティは森にいたわけだが、こんな時間になれば、屋敷に帰ってるだろ。領主の御息女ともなれば尚更だ。


「……で、ですよね。魔法は大丈夫です。回復してます。……動物かな?」


 サマナは少し期待していたが、残念そうな顔をした後、すぐに切り替える。


 否定される前から言われた通りに魔力を溜め始めている。


 そして、気配をした側をチラッと横見する。薄っすらとだが、叢の先に獣の長い耳が見えたような気がする。サマナにもそれが見えたのか、『動物かな?』という言葉が出てきたわけだ。


 そいつも俺達が気付いている事を知らず、少しずつ距離を詰めてきているな。


 大きさはサマナぐらいか? 焚き火の明かりで姿が見える距離には入ってこないが……


 その距離なら、アレの効果範囲、射程内に入る。


「それを確認するためのも、アレを使うぞ。俺様に合わせろ」


「はい」


 距離もあり、俺様達の小さな声だったはず。それでも相手に聴こえたのか、長い耳がピクッと動いた。逃げるにしても、俺達の方が早い!!


「【ドクロフラッシュ】!!」


 サマナが叫ぶわけもなく、俺様が思わず叫んでしまった。


 なんせ、俺様の口からじゃなく、目から放たれる。口が使えるなら、叫ぶべきだろ!!


 サマナにも名前を叫ぶ良さを教えてやれるしな。


 まぁ……【ドクロフラッシュ】ではなく、光魔法【フラッシュ】。俺様が放つ事で、ドクロを付けた方が格好良いからなんだが!!


 光魔法【フラッシュ】。強烈な光を放ち、目眩ましに使う魔法だ。攻撃魔法ではあるが、逃げる事や回避にも役立つ。攻防一体の魔法でもある。


 サマナは光属性でもあり、【フラッシュ】が防御の一面もあるせいか、他の攻撃魔法に比べて、威力は十分。


 円ではないが、俺様の目が届く範囲にまで強烈な光が放たれる。


「きゃぴ!!」


【ドクロフラッシュ】を受けて、相手が転がり込んできたわけたが、どうやら獣ではないようだ。

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