夜の時間です
「休むのも大切ですが、ラビさんが目覚めるのを単に待つのは時間が勿体ない。ポイントが足りないのもあるし、僕達が必要とするアイテムは一つしか持っていない」
サマナ達が合格に必要とするのアイテム。サマナがクワバサミ。ラビが蝙蝠の羽根。チェリオが蜂蜜。キララが俺様に付いている一角ウサギの角だな。
「そうでした!! 約束通り、一角ウサギの角を渡しておきますね」
サマナは俺様から一角ウサギの角を簡単に取り、キララに手渡した。
一角ウサギの角はなかなか落とさないらしいから、壊れる前に渡しておくべきだからな。
「ありがとうございます」
キララも素直にそれを受け取る。何時何が起きるかも分からないのは彼女も分かってる。
サマナが探索者試験から離脱する可能性もゼロじゃない。
「蜂蜜を見つけるのは危険だとして、フォレストバットやビックワガタを餌なしでも探してみるのはありだろうな。その時に魔物を倒して、ポイントも稼ぎときたいわけだが……」
「ラビだけをここに残しては行けないですよ」
ラビは意識を失ってる状態。そのまま放置して、魔物が洞窟に入ってきたら危険だ。
加えて、トムは別として、他二人が見に戻ってくる可能性も十分ある。奴はラビに恨みがあるからな。戦闘はしなくても、嫌がらせはしてくるはず。
「それなら、今度は僕が残りますよ。外の景色を見た限り、キララの方が得策なので」
今度はキララではなく、チェリオが残る事を選択したな。
パーティーを組み、ポイント数が増えた以上は裏切る事はない。だが、相方を入れ替えての行動の方が安心出来るんだろう。
それともう一つ。チェリオが言う外の景色の問題だな。
「それはサマナさんもですよね?」
時間は夕方になり、茜色の景色になると思ったが、一気に夜へ。月明かりだけで、森を移動しなければならない。
サマナは元墓守。夜に行動する事が多かったからな。死霊術師という理由で、夜が強いとチェリオは思っているんだろう。
それにバーバラが一緒にいるのが心強いとも踏んでいそうだ。警戒範囲が広げる事も出来るからな。
「夜は得意とまではいかないけど、私の場合はその時間に行動する事が多かったので……キララさん程活躍出来るとは……」
「そんな事はないですよ。私の場合、気配を消しやすくなるだけです。夜目も利くのもあるけど、幽霊を使役しているのなら、そっちの方が良いはずですから」
サマナとキララは互いに謙遜しているが、夜の間に周囲を警戒して行動するのに二人はうってつけだな。




