重要なのは壺です
「えっと……ゴメン!! 中身を確認してるんだけど……お姉さんが罠を調べないと駄目だったんだよね?」
バーバラがすでに宝箱の中を確認していたからだ。宝箱を開ける事で罠が発動する事もある。
ブックには書かれていなかったが、宝箱自体が魔物だという事も昔はあったらしいからな。
「そ、それはその通りです。お姉さんは間違ってないですよ」
そう言うサマナも少しシュンとしてしまうのは仕方がない。バーバラも罠を調べるためでなければ、無闇に中身を確認する事はなかったはず……だよな?
「キララには悪いが、宝箱の中はすでに確認済みらしい。罠を調べるためには仕方ない事だな」
「そ、そうですか。それで中身は何だったんですか? 臭いのが原因が……違いますね」
臭いの原因が宝箱の中身じゃない。それはチェリオだけでなく、俺様も確信している。
宝箱の更に奥。三つの壺が置いてあり、それがゴゴゴゴゴ……と異様な雰囲気を出している。蓋がされているのにも関わらず、臭いが視認出来そうな感じだな。
「宝箱は中身は何もなかったわね。その代わり、そこの壺の中にあるのが臭いの原因だから。お姉さんも開けたくなくて」
臭い物に蓋をしているわけだから。開けると臭いがもっとキツくなる。それがダイレクトに鼻へ行くわけだからな。
これに関してはバーバラも中身を確認してないらしい。そこはサマナの代わりに見てやるべきなんだが……
「毒の臭いじゃないな。これは……薬草の匂いだと思う。もしかしたら、薬草次第でラビの麻痺が早く回復するかもしれないぞ」
昔の記憶を辿ってみると、俺様自身が薬草を作った事があったような気がするぞ。何のためになのかは思い出せない。知識を得るためだけだったのか? それとも……
「そうなんですか!! 臭いに怖がってる場合じゃないですね」
サマナは意を決して、壺の蓋を開ける。すると、プーンと異臭……じゃなく、草……だけじゃなく、薬の臭いが広がっていく。
中身はやはり薬草。様々な薬液を混ぜた液体に草が浸かっていて、深緑になっている。
混ぜた薬液によって、回復効果が変化する。
青黒くなるのは疲労回復。紫は毒回復。赤は麻痺回復。深緑は怪我回復。緑は薬草は貼るタイプで、他は口にするタイプだ。
三つの壺の中にあるのは深緑、紫、赤だ。どれも俺様が知る作り方と同じ。
麻痺を回復する赤の薬草もある。これはパイソン対策で試験官が用意した物だろうな。
あまりにも準備が良すぎる。まぁ……その知識がなければ、使おうともしないだろうが……




