俺様は叫びたい
「俺様の知る中で、光属性の死霊術師は初めてだな。まぁ……それも面白い。どうなるか楽しみだ。もしかしたら、闇属性よりも幽霊達は協力してくれるかもしれんからな」
「……良かった。光属性と知って、ビックリした感じだったから、駄目なんだって」
実際、死霊術師は闇属性が多い。次に水属性か?
サマナが光属性でも、幽霊やゾンビを死霊術師として、使役する事は可能だろう。むしろ、喜んで協力する気がする。
俺様がいた墓場の幽霊達も、サマナを好んでいたぐらいだからな。
もし、サマナに使役された場合、見返りとして、成仏……光属性の力で天に召される事が可能な場合もあるかもしれないぞ。
その場合、優秀な幽霊を何度も使えないのがネックになる。同じ幽霊は使えず、一回限り。
死霊術師として、使役した幽霊を強化出来ないのは痛いところだが……
それも彼女が幽霊を使役出来る程の魔力を持ってからの話だ。
「そんなわけあるか。何か問題があったとしても、俺様がいるからな。今は普通の……俺様を使っての魔法の練習だ。俺様がサマナの頭の中に知識を流し込む。勿論、どこまでかは俺様が決める。今は基礎的な攻撃魔法……四つだけだ」
火、水、風、土の四大属性の初期魔法。これが定番だ。光と闇属性は特別になるか。
「四つも!! ……ですか。そんなに出来ますか? 最初は一つ、二つだと思ってました」
「そんなに難しく考えなくても良いぞ。本来、使えないわけだからな。俺様に魔力を流す事で、俺様が魔法に変換するだけだ。詠唱も必要な……魔法名はサマナが俺様に教えろ」
魔法を使用する際には詠唱が必要となるが、それを別の形、俺様を媒体にする事でなしとする。
とはいえ、使う魔法はサマナが決めなければならない。一番分かりやすいのが言葉。
詠唱後に魔法名を言うのではなく、逆になる。
サマナから聞いて、俺様に魔力を溜めてから放つわけだ。
「待て!! 放つ時に魔法名を叫んでも構わないぞ。格好付ける場面でもあるからな」
魔法使いにとって、魔法を放つのが最大の見せ場だ。サマナも俺様に告げるだけじゃなく、叫びたいだろ。
俺様だったら叫びたい。だが、俺様の口は魔法を放つ事で塞がっている。
俺様の代わりにサマナが叫んでくれるのもありだ。
「だ、大丈夫です。恥ずかしいので、ガイコツさんに伝えるだけにします。その方が魔法を使うのが魔物にバレないですよね?」
「そ、そうだな。その方が安全ではあるか」
……正論を言われてしまった。叫んだ事で、魔法を放つのがバレてしまう。俺様も分かっていたが、心が叫びたがっているんだ。
サマナにもそのように思う時がきっと来る。それぐらいに思わせる魔法を覚えさせたいぞ。
「だが、お前もそういう気持ちになる時が出てくるぞ。それとだ!! 魔法を放つ時には目立つ可能性はある。俺様の体の色が変化するからな」
サマナが初めての契約者だからな。感情以外で、属性魔法による色の変化がある。
それに魔力が注入される時、徐々に変わっていく。サマナもその方が分かりやすいだろう。




