拒否します
「分かった!! 俺様達に攻擊する余裕はないからな。チェリオの指示に従う」
「く、くそっ!! ぼ、僕が足手まといになるなんて」
ラビは悔しそうにしているが、簡単に痺れは取れそうにない。体はピクピク動いているだけだ。毒みたいに命に影響がないだけ良い。
「静かにしてろ。アイツ等がいなくなったら、体を見てやる。時間経過で治ればいいんだが」
探索者試験合格のため、下手に体力を消費して、回復を遅らせるわけにもいかないからな。
「リベンジの機会はあるから。今はパイソンがいなくなるのを祈らないと」
サマナはラビを落ち着かせための言葉を掛ける。
リベンジ。マッドベアラー同様、パイソンも避けたい相手になってくる。
パイソンの動きがある程度分かった以上、勝てる可能性は十分あったと思う。
それも脱皮する前のパイソンだ。脱皮後、回復した後に強化された場合はどうだ。それ以上にパイソン二匹が共に行動するのが一番最悪だ。
毒と麻痺。パイソン二匹の相性が良すぎるのもある。
それにだ。同時に相手にしたとしても、ポイントは一匹分のみ。二匹同時に戦うのは割に合わない。
だが、パイソン一匹はサマナ達は倒さなければならない。合格するためのポイントを入手するためには、パイソンは倒す必要がある。
リベンジもそういう意味が含まれている……のは、サマナ自身分かって言ってるかは別なんだが……
「……行きましたね」
パイソン二匹は湖から離れて行く。サマナ達が来た方向だ。
キララはそれを確認して、安堵した表情でサマナ達の側に近寄ってくる。
「ラビさんを休ませないと。麻痺が時間で消えたらいいのですが……その前に」
「……ぼっちに助けられるなんてな。俺のアドバイスも役に立った……な、何するんだ!!」
キララと同じく、トムも立ち上がり、サマナ達の方に近寄ろうとした。それをチェリオがトムに弓を向けた。
「お前はそれ以上僕達に近付くな。理由は分かるだろ」
「……お前達を罠に嵌めようとしたからか? それは俺を裏切ったあの二人が」
トムは慌てて弁明している。参加者同士の戦闘は禁止、ルール違反だ。それをすれば不合格になるのはチェリオも知っているはずだぞ。
「それも当然あります。サマナさんは貴方を助けに来たのに、感謝の言葉どころか、まともに名前も呼ばない」
キララもナイフを向けるまではいかないが、嫌悪の目を向けている。彼女の言う事も当然だな。俺様もそう思う。助けなかった方が良かったぐらいじゃないか?




