二匹目
「元に戻るのに時間が必要かもしれないですね。今が畳み掛ける時」
パイソンが泥を被っていたのも、それを隠すためなのもあったかもしれないな。下手すれば、何かを吸収する事によって色の変化があるのか。
「かもしれないな。だが、接近した際に呑み込まれる可能性もあるが」
チェリオの狙いを穴じゃなく、頭。もしくは、牽制。ラビを接近されて、一撃を与えさせるのが一番か。片目でも潰せば、こっちの攻擊が楽になる。
「……ヤラれた!! ラビさんは近寄るな。僕とキララが遠距離で攻擊する。サマナさんも警戒……幽霊に頼めるのなら、上から見て欲しい」
「どうして!! 今がチャンスじゃないの? 上手くいけば」
ラビはチェリオの言葉で踏み止まったが、今にも突撃しそうだ。ラビ的にはもっと活躍したいのかもしれない。
「脱皮状態かもしれない。威嚇もそれを邪魔されないためです。もしくは……。下手したら、パイソンが強化、進化しますよ。それを阻止するにしても、接近戦は危険です」
白色に変化しているのも、古い皮になっているからなのか?
毒ガスを噴出させたのもサマナ達を弱らせようとしたのもあるが、近寄らせないようにしたとも考えられるか。
「ラビ!! チェリオさんの言う通りかもです。頭部分が抜け殻のようになってます。胴体部分も異様な動きをしてます」
パイソンの頭は空洞になっているのか、目の動きや下が出なくなっている。その代わり、その場から動かずに胴体部分が膨らんだり、縮んだりと異様な動きをしているぞ。
脱皮するのもあるが、頭と尻尾部分を入れ替えようとしてるのか。地中に入る事は流石にないだろ。
「だったら、そこに渾身の一撃を与えたらいいよね。相手は見えてないんだからさ!!」
「ラビちゃん!! 後ろが危ない」
「ラビ!! 後ろを警戒しろって、お姉さんが言ってます」
バーバラの言葉をサマナが代弁する。俺様がそちらを見ようにもサマナが向けないと何かが分からない。
「後ろ!? ちょっ……」
ラビはパイソンに突撃しようとしたせいもあるのか、回避が若干遅れてしまった。
攻擊。それも黄色の液体の塊。ラビはそれを直撃は避けたものの、かすってしまった。
「何……体が痺れて」
ラビの動きが鈍くなり、動けないみたいだ。体の色に変化はなく、麻痺状態になった可能性が高い。なんせ……
「……黄色のパイソンです」
サマナが震えた声で言ってきた。
ラビが攻擊された方向から、黄色の……麻痺持ちのパイソンが姿を現したからだ。




