白色
「チェリオも無茶を言いますね!! 当てるぐらいしか」
「僕も石でいいなら投げるよ!! 穴狙いだね」
キララと同時にラビも石を拾い上げ、パイソンに投げつける。
トムから気を逸らすだけが理由じゃない。穴から毒ガス、毒液が出るのだと分かれば、塞ぐのが一番良い。運が良ければ、逆流してくれる可能性もある。膨らんだ状態が続き、風船みたいに破裂される事もあるはず。多分だが……
ラビも俺様が考える事が分かったんだろうな。穴を塞ぐだけなら矢やナイフでなくても可能だからな。
「とはいえ、簡単に的中するわけじゃないが……意識は分散したな」
パイソンは突撃を止めて、全体に再度威嚇を放った。怒りを顕にしている。
「格好の的だぞ」
チェリオも再度矢を放つ。今度は正面からではなく、側面。
威嚇を放つ時、正面からでは矢が反らされた。それにパイソンが今認識しているのはラビとキララ。
距離を取ったチェリオの攻擊に気付いていない。
パイソンの頭を狙うなら、流石に気付かれる。先に弱らせる必要がある。それは狩りも同じなんだろうな。チェリオもそこは分かってそうだ。
「す、凄いです。まるで吸い込まれるみたいに刺さりました。それも二射連続ですよ」
「……そうだな。チェリオは魔物相手じゃなくても、獣相手に狩りをしてたんだろ。相手が止まっているのなら、狙いを外さないわけだ。それに奴が気付いてないのもあるか」
パイソンはキララのナイフが刺さった時やラビの石とは違い、チェリオの矢に反応しなかった。
空気孔を塞いだだけで、痛みはないのかもしれない。
「そいつは好都合だ」
痛みを感じないのなら、穴を守る事がない。パイソン自身、どうなるのかが分かってないからだ。
「引き続き、穴を狙えばいいんだね」
チェリオは同じ場所に留まらず、こちらに近寄ってきた。指示を仰ぐつもりのようだったが、俺様の呟きで理解したようだ。
「ガイコツさん……パイソンの色が見えてきました」
「色!? 毒を出す時点で紫……」
パイソンの色はパイソン自身が持つ効果によって変化するとブックの説明に記されていた。
バーバラが上空から見た時は泥を身に纏っていたせいで、ちゃんとした色が分からなかったからな。
それが毒ガスを噴出したり、動き回る事で剥げていったんだろう。
「白!? どのタイプでもないじゃないか。それとも……毒を全部吐いたから、色が無くなったのか」
「色が無くなってるのって!! 毒とか気にしなくて良いんじゃないの!!」
サマナが気付いたように、ラビも反応を見せる。




