アドバイス
「うわあああ!! ヤバいヤバい!! ……ボッチ!! これは毒だからな。キノコンもウッドロー、アントもヤラれたんだ」
パイソンの毒ガスに反応して、トムが姿を現した。湖近くにいたらしいが、ガスが流れてきた事で移動を余儀なくされたわけだ。
この毒ガスによって、湖に出現した魔物達はヤラれたみたいだ。
アントは蟻の魔物。ウッドローは木の魔物。虫や植物関係なく、毒の効果はあるらしい。勿論、人間や獣人も同じだろうな。
トムは逃げながらもサマナに伝えたのは、奴なりに助けに来てくれた事による感謝なんだろうな。
「それにガスだけじゃなく、液体も……うわっ!!」
パイソンに対するアドバイスを伝えるのは良いが、そのせいで足元が疎かになり、転がってしまったぞ。そのせいで、毒ガスはトムに届きそうだ。
それだけではなく、パイソンの狙いがトムに向けられた。
「ちょっと!! 魔法使いなんでしょ。風でガスを吹き飛ばすぐらい出来ないわけ!?」
ラビはトムに激を飛ばすわけだが……
「そんなの無理だ!! 簡単に魔法を使えたら、苦労はしないんだよ。置いていかれる事もなかったんだ!!」
それも当然だな。ラビはサマナが魔法を使用しているところを見ているわけだが、俺様がいるから特別なだけだからな。
本来、詠唱が必要であり、時間も掛かる。それにトムは魔法使いになりたてだ。
魔法使いが後衛に配置される理由もそれだからな。瞬時に使える方がおかしい。
「【アクアミスト】!!」
サマナは俺様に魔力を溜め、【アクアミスト】を唱えた。
パイソンに【アクアミスト】を使ったわけじゃない。目眩ましをしたところで、真っ直ぐ進めば済む話だ。
「な、何だ!? 前が……ボッチが唱えたのか!! それも一瞬で!! 何で俺に」
トムも混乱するよな。サマナが魔法を瞬時に使えた事もそうだが、パイソンじゃなく、自身が対象になったわけだからな。
「【アクアミスト】の霧で毒ガスをお前に届かないようにした。さっさとその場から離れろ」
「この声は……あの時の!?」
【アクアミスト】で俺様が声を発してるのには気付かないだろう。前回、俺様が話している姿を見たわけだが、サマナが声色を変えたと勘違いしていたからな。勘違いさせたままでいいだろう。
「チェリオ!! 狙うのは」
「分かってます。キララも持ってるナイフ全部を使っても構わない。狙うのはパイソンにある穴だ!!」
トムに毒ガスが行かなくても、パイソンの突撃は止められない。
ラビが阻止するために接近するのも、毒ガスが邪魔をする。
阻止するためには遠距離攻擊を行うしかない。
それも狙うのは毒ガスを放出した穴だ。




