ぼっちは人を魅了できるか
「……と言う訳で、生徒会選挙に安定と信頼の皆見と不安と不信の発地の二名が立候補しました。皆さんはどちらに投票するでしょうか?」
「……自分かな。」
「そんな訳あるか。皆見に決まってんだろ。
お前がこの選挙で勝つことがあるとすれば、全校生徒にお金を渡すか、選挙演説であのトイレの動画流すかの二択しかないからな。この薄汚い手を使って、ようやく皆見と同じ土俵で戦えるレベルなんだよ。お前の仕掛けた勝負はそれ程勝ち目のないことだからな。」
「勝てる、勝てる。今年はお年玉は多くもらったんだ。」
「負けです。そんな冗談を真に受けているようじゃ勝ち目はありません。本当に勝ち筋もないのに、有明に勝負を挑んだのか?」
「いいや、勝ち筋はあるさ。
選挙演説は体育館で、三年生以外の全校生徒が集められる訳だろう。それで、皆見が先に演説して、その後に自分が演説をする訳だろう。
どうせ、皆見の演説と皆見の応援演説の言うことは分かり切っている。学業と運動の功績を引っ張り出して、クラスでみんなに慕われているとか、生徒会長を一度やっているとかみんな知っていることを聞き飽きるまで繰り返すだけだろう。
勝ちです!」
「どこに勝ちがあったんだよ。」
「まあ、大丈夫。
自分の演説を終えた後、皆がスタンディングオベーションする未来が見えてる。」
有明は深いため息をついて、頭を抱えていた。




