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第十三話 勝利の炎と愛の解放
飛燕は、戦場で圧倒的な指揮と武功を見せた。彼の勇猛果敢な姿は、兵士たちの士気を最高潮に高めた。
飛燕の心中には、黎明の姿があった。
(私は、殿下の愛の鎖に繋がれている。この命は、殿下のものだ。だからこそ、私は、誰よりも強くなければならない!)
飛燕は、敵の総大将を討ち取り、再び圧倒的な勝利を収めた。
しかし、飛燕は深手を負い、意識を失った。
黎明の元に、飛燕が深手を負ったという報が届いた瞬間、黎明の心は崩壊した。彼は、全ての政務を放棄し、飛燕を迎えに行った。
野戦病院で、血にまみれた飛燕を抱きしめる黎明の姿は、周囲の者たちに、真実の愛を証明した。
「飛燕! 貴様を二度と戦場になど行かせぬ! 私の隣で、永遠に私に愛されていろ!」
黎明は、飛燕の意識が朦朧とする中、彼の唇に深く口づけをした。
「貴方の傷は、私が癒す。貴方の心は、私が満たす。貴方の全ては、私だけのものだ」
飛燕は、黎明の熱い涙と、独占的な愛に包まれながら、深い眠りについた。




