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夏の隣 ~春惜しむ頃~  作者: 澳 加純 


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3/7

夏の隣の

桜散り藤咲き散りてあやめ咲く

  早いテンポで春は過ぎ行く



   挿絵(By みてみん)

   (お隣の生け垣から顔をのぞかせていたあやめ)




 年々、季節の移りが速度アップしている気がします。

 つい、半月前まで桜が咲いていたのに、もう藤の見頃も終わってしまったんですよ。早すぎるって!


 関東地方や東北地方、北海道では、これから見頃を迎えるのでしょうけれど、我が家の庭に藤棚は、もう終わってしまいました。

 あんまりよ~~~!

 藤の花って、5月上旬ゴールデンウィークの頃が見頃だったんじゃありませんでしたっけ?

 

 数年前、藤の花の蜜に魅かれてやってきたクマバチの雌に刺されて、大変な思いをしたのを覚えているのです。5月の、ちょっと強い日差しを遮るように長い房を垂れて揺れる藤の花。クマバチでなくたって、上向いて見惚れますよ。しかも甘い香りがしますしね。


 しかも今年は3月末まで連載を抱えていて、ど~しても3月末までにエンディングを迎えたかったので、必死になってタイピングしている間に桜の見頃も見逃したっ!

 一応、並木道の横を車で通り過ぎるたびに、目線はそちらに走らせたのですが、あの花の下に行ってじっくりと観察するのが毎年の楽しみなのに(泣)


 速度アップといえば、春より早い……というか、どこにいるのか不安になるのが、秋。いつ頃紅葉前線が降りてくるかしらと心待ちにしていると、あれよあれよと冬に突入していたりして。

 目を凝らしていないと通り過ぎるのも見逃してしまいそうな、存在感の希薄さ。芸術の秋も、食欲の秋も、堪能する間も無いよ!

 大好きな季節なのに、カナシイ。


 それはともかく。(たぶん秋になったら存分に嘆くから!)今は春。花の季節です。次々と咲き誇る、艶姿を眺めなくっちゃ。

 

 




つつじ咲く 落ちてこぼれた花染める

  夏の隣のひとときに立つ



 桜は、散る。

 藤は、吹き散る。

 つつじは、落ちる、こぼれる。


 

 ちなみに夏隣、今回のタイトルにも使ったこの言葉。つつじが盛りを過ぎる時期は、暦の上では夏がすぐそこまで来ていることを感じさせるので、そんな表現をするのだそうです。つつじの花って、満開を過ぎると静かに地面に、こぼれるように落ちるじゃないですか。その風景は悲しいのですが、地面に落ちた赤や白、ピンクの花がジメジメの季節の前の、ほんのひとときの爽やかな時間を彩るのです。

 つつじの花は鮮やかな色合いの花ですから、五月晴れの青い空にも映えますよね。(まだ4月だけど)

 


 日本人って、面白いですよね。花が命を終える時にも、それぞれ見合う言葉を選ぶんですから。

 これぞ、美意識!



ご来訪、ありがとうございます。


花が枯れるの言いかえは、まだまだあるのです。

梅は、零れる。

椿は、落ちる。

雪柳は、吹雪く。

ばらは、枯れる(散る)。

朝顔は、しおれる。

ひまわりは、しぼむ。

菊は、舞う。

牡丹や芍薬は、崩れる。


花の種類や、季節感、儚さや美しさを表現したかったのでしょうね。面白いのは、こちら。


紫陽花は、しがみつく。


剪定してあげないと、枝に花が付いたままなので。確かにいつまでも、カッラカラなドライフラワー化した花の残骸が残っていますものね。

だからって「しがみつく」はなんだか……ねぇ、な気がしません?

せめて「すがる」とか。「恋々」とか。も~ちょっと考えてあげようよぉ~。



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夏の隣 ~春惜しむ頃~ /></a></div></body></html>
― 新着の感想 ―
しがみつくって言うんですね。 でも…しがみついた紫陽花、可愛いなと思います。(´∀`*)♡ それぞれにそれぞれの素敵な表現ですね。 お庭に梅、ばら、雪柳、紫陽花、ツツジもサツキも芍薬もたくさん咲くの…
夏隣ってステキな言葉ですね。 知らなかったのですが、加純様のご解説とツツジのくだりで目の中にぶわぁぁぁぁっとツツジと涼やかな緑が浮かびました(´艸`*) 私の知らない素敵な単語がたくさんあるなぁ♪ …
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