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うさぎの知られざる文化

「お〜い、みんな集まったかぁ?」

「はい、全員揃っております。」

「よし、では今月の祭りを始めるかの。」

「はい、それでは…、ん?そこに何日居ます!」

「ヤバッ、見つかっちゃったぁ。 さすが、

うさぎ 耳が長いだけあるわ〜。」

そう言って、笑いながらチャム 姉さんは うさぎたちの前に出て行ってしまった。

「仕方ない。僕たちも行くぞ リオ。」

リク兄まで行ってしまったので、オレも後に続くしかなかった。

「お前たちは何者だ!」

集まっているうさぎたちの中で、一番大きくて身体がしっかりしてそうなうさぎが前に出てきた。

「お前たち、ここで何をしている!答えろ!!」

「もう、うるさいわねぇ。そんなに怒鳴らなくたって聞こえてるわよ!こっちはあんたたち よりもこんなに小さいんだから、少し声を抑えてもらえない?うるさくてかなわないわ!!」

そう言って、チャム姉さんは堂々と声を上げて、うさぎに近寄って行ってしまった。それを見たリク兄も、慌ててチャム姉さんの近くに駆け寄って行った。

「すまない、君たちを驚かせるつもりはなかったんだ。」

「そうよ。あんたたちがこんな所に集まって、何してるのか気になったから、ちょっと覗いてただけよ。」

チャム姉さんは、自分よりも何倍も身体が大きい相手に対しても、いつも通り一歩も引かない態度だ。さすがというかなんというか…。

「そういう事なんだ。同行しているこのチャムチャムが、君たちが楽しそうに何かをしているのを見て、駆け出して行ってしまって…。驚かしてしまい、本当に申し訳ない。」

さすがリク兄、大人な対応。本当に正反対な2匹だなぁ。

「そうなのかい。別に俺たちに危害を加えるつもりがないならかまわねぇよ。なぁ、村長!」

と、さっきまで怒鳴り声を上げていたうさぎは、後ろを振り返り、ヨボヨボの杖をついたうさぎに話しかけた。

「そうじゃな。客として迎えよう。こんな所で、ワシら以外の種族と会うのなんて久しぶりじゃしなぁ。」

村長さんは、嬉しそうに笑って迎えてくれた。

「では、ここに居るもんだけでも、自己紹介しとくかの。ワシは、ゴマと、言う。皆からは、村長とかゴマジイとも呼ばれておる。好きな方で呼んで下され。」

「次は私が。この私は村長の補佐をしております、ムギと申します。そこに居るガタイの良いのがグレイです。よろしくお願い致します。」

「おう!グレイだ。よろしくな!!」

オレたちの前に居たうさぎが自己紹介を終え、次はオレたちの番になった。

「あたしは、チャムチャムよ。そこに居るもう一匹のリスがリックで、その後ろに居る猫がリオよ。リオはあたしたちの弟みたいなもんよ!」

チャム姉さんが率先して、オレたちを紹介してくれたので、オレとリク兄は「どうも」とだけ挨拶をした。

「それで、あんたたちみんなして集まって、何してたの?」

チャム姉さんは早速、聞き出そうとしていた。

「それでは案内をしながら、私がご説明致しましょう。では、皆さんどうぞこちらへ。」

ムギさんが代表して、説明してくれるようだ。

オレたちはムギさんの案内を聞きながら、村の奥に向かって歩き始めた。

「今日は、月に一度のお祭りの日なんですよ。皆が集まっているのはそのためです。」

「お祭り?楽しそうじゃない!! で、お祭りってどんな事するの?」

チャム姉さんはお祭りと聞いて、テンションが上がったようだった。

ムギさんも、その反応を見て、自慢げに話し始めた。

「それはですね。『前歯で切り絵アート大会』と『好かれるうん◯アロマ大会』この二つが開催されます。あとは、出店なんかも出ますよ。是非、見て行って下さい。」

「え?待って、前歯で何とかアートと…、うん◯って言った?うん◯の大会って何?嫌過ぎるんだけど…!」

チャム姉さんは空気も読まずに、ハッキリと言ってしまった。いや、オレも"うん◯"って聞いた途端「え?」って思ったけど。オレもリク兄もあえて、そこはスルーしようとしたのに…。あんなにハッキリ言っちゃうなんて…。さすがチャム姉さん。

「んんっん、何を言っております。うん◯は偉大なものです。私たちうさぎには、食糞の文化もありますし、いざという時の非常食にもなるのですよ。

それを、うん◯というだけで、毛嫌いするとは、誠に嘆かわしいことです。生き物は皆、うん◯をするのです。それをあなた…」

「あ~、もう分かった。分かりました。あたあが悪かったわよ。」

ムギさんのお説教が始まってしまい、最後まで聞き終える前に、チャム姉さんはたまらず口を挟んだ。

「うちのチャムチャムが、申し訳なかった。」

リク兄も一緒に頭を下げた。

「いえ、分かってもらえれば良いのです。私もお客様に向かって説教などと、恥ずかしい事をしてしまいました。申し訳ありません。」

ムギさんもすぐに冷静に戻り、頭をを下げた。

「それで、その『前歯で切り絵アート大会』と『好かれるうん◯アロマ大会』というのは、どのような大会なんだ?」

「はい、順番にご説明致しますね。

まず、『前歯で切り絵アート大会』はその名の通り、前歯を使って大きな葉に切り絵を施す大会です。優勝した者の作品は、次の大会までの一ヶ月間、広場に飾られるのです。とても名誉なことです!

そして、『好かれるうん◯アロマ大会』は、誰が一番良い香りのうん◯かを競います。先程も言いましたが、うさぎには食糞の文化があります。元々うさぎのうん◯というのは臭くはないのですが…、食べ物とするなら、やはり良い匂いの方が食欲をそそるものです。それに、人間には『うさぎはいろんな所にうん◯をするから』と嫌煙されたりもするのも事実。ですが、それが良い香りのするうん◯ならばどうでしょう。そんな風に嫌煙人間はいなくなるのではないでしょうか。つまり、この大会はこれから先のうさぎたちの未来をも、背負っているものなのです。

ちなみに、今のところ人気なのは、ベリー系の実とヨモギを食べた後のものですかね。ただ、同じ物を食べたとしても、個体によって香りが微妙に変化するのですよ。うん◯とは、実に奥の深いものです。」

ムギさんの熱い大会語りがやっと終わった。

それにしても、うん◯のことでここまで熱くなれるなんて…。うさぎ全体がそうなのか、それともムギさんが特に熱い情熱を持っているだけなのか、どっちなんだろう…。

「うさぎって、もっと無口なもんかと思ってたけど、けっこう喋るもんなのね。」

チャム姉さんがまた、空気を読めてない発言をしていた。

「うさぎがあまり鳴かないからと言って、無口な訳ではありません。鳴き声として出していないだけで、気付かれないところでけっこう喋っているものですよ。」

「え?どういう意味?」

またチャム姉さんが、いらないことを言っていたが、リク兄に「もう、黙っていろ!」と小声で言われていた。

ただ、オレが聞こえたということは、耳の長いうさぎには絶対に聞こえていただろうと思ったけど…。オレは黙っておいた。

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