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旅立ちの心の準備は…

小鳥たちの楽しそうな 鳴き声で目が覚めた。辺りはすっかり 明るくなって、朝になっていた。 昨日 あんまり 眠れなかった。

あれから、何度も 水たまりにいろんなものを落としてみたけれど、めぐに届いたのはあの1回だけだった。何がダメなんだろう…。

もう一度水たまりを覗くと、めぐはまだ眠っていた。寝付く直前まであんなに泣いていただけあって、瞼が真っ赤になって腫れている。

昨日までは、手を伸ばせばすぐ触れられたのに…。

「今は、こんなにも届かないなんて…。」

めぐの映る水たまりに直接手を入れてみた…。だけど、水面が揺らいでめぐが見えづらくなるだけだった…。やっぱり、今のオレじゃめぐに何もしてあげられない。

「リオくん、おはようございます。昨夜はよく眠れましたか?」

シリルは、いろいろな荷物を両手いっぱいにかかえながらやってきた。

そして、地面に大きい布を敷いたかと思ったら、急にテキパキと何やら準備し始めた。

「ねぇ、シリル。オレ、聞きたいことがあるんだけど。」

「聞きたいことですか。まあ、でもその前に、リオくんあなた、お腹が空いているのではないですか?」

確かに…。そういえば、ここに来てからまだ何も食べていなかった。この世界に来てから、いろいろとあり過ぎて忘れていた。

病気が酷くなってからは、全然食べれなくなって、めぐが時間を決めて、日に何度もオレの口の中にチュー◯を突っ込んでくれていた…。

でも、もう身体も元気になったから、前みたいにお腹がすごく空くのがわかる…というか、思い出した。

そんな事を考えているうちに、シリルはさっき敷いた布の上に食べ物をいろいろ並べてくれていた。

「ほら、そんな所にいないで、早く上がって来て下さい。君の大好きなものばかりのはずですよ。」

そこには、本当にオレが大好きだった、おやつやカリカリがたくさんあった。

「なんでオレの好きなものが分かったの?」

「これは、めぐさんたちから届く、君へのお供え物ですからね。だいたい皆さん、その子の好きだったものを供えることが多いのですよ。ほら、いいからもう早く食べちゃって下さい。今日から君は忙しくなるのですから。」

ご飯を食べ終えると、シリルは早々に旅立ちの説明を始めた。

「いいですか。まず、君には必ず持って行ってもらわなきゃいけないものがいくつかあります。

1つ目は、このリュック鞄です。この鞄の中は見かけよりもたくさん入るようになっていまして、私から君へ何かを送ってたりもできるようになっています。

ですから、めぐさんたちからのお供え物は、その鞄に送りますから、食事の心配はさほどいりません。まあ、道中で調達出来れば、そちらを食べて頂いても良いのですがね。あと、他にも必要になりそうな物は一通り入れてありますからね。」

そう言いながら、昨夜オレが使っていたテントまで、そのまま鞄の中に突っ込んでいた…。あのまま入るなんで、鞄の中はどうなっているんだろう…。

「2つ目は、この透明の長細いケースです。

これに、虹の花を入れれば、花の命を保つことが出来ます。何があるか分かりませんので、このケースは3つお渡ししておきますね。

そして、最後に"呼び鈴"です。

この鈴は、この虹の大広場にある塔の上の大きな鈴と共鳴するものになっています。もし、帰り道が分からなくなってしまった時は、この鈴を鳴らして、共鳴させれば必ず、鈴が導いてくれるようになっています。

以上になりますが、この鞄とケース、それに呼び鈴は必ず、大事に持ち歩いて下さいね。他に何かお聞きになりまいことはありますか?」

「う〜んと、オレ旅とか出たことないから、よくわかんないや。」

シリルからのたくさんの説明を受けているうちに、だんだん不安になってきてしまった。

だってオレは、物心ついた頃からずっとめぐと一緒にいた家猫で、オレだけで外になんて出たこともない…。本当に、オレだけで旅なんて出来るのかな?虹の花を見つけ出すことが出来るかな…。

「やはり、不安ですか?」

オレの気持ちに気付いたのか、シリルが顔を覗き込んできた。

「リオくん、もし不安なのでしたら、今からでも辞めて、ここで他の子たちのように、会いたい人が来るまで待っていてもいいのですよ。」

「でも…。」

「では、こうしましょう。この後、他の子たちがここでどのように過ごして、会いたい人を待っているのかを紹介していきましょう。

して、今日一日それを見て頂いてから、どうするか答えを出すということにしませんか?」

「…わかった。」

オレは、シリルの提案に従うことにした。


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