残念?
田口さんの彼氏が佐藤くん…
なにを考えているのか、全くわからない田口さん。
そして、なぜ桜が最近田口さんと一緒にいるのかもわからない。
そんな桜が、夏休み中よくぼくの部屋に遊びにきていたのだけれど、いつのまにか先輩彼氏の家にも遊びに行っていたという事実…
色々わからなすぎるって‼︎
でも、夏休みも終わったし…桜がぼくの部屋に遊びにくることも、もうないんだろうなぁ。
それにしても、なんでぼくの部屋によく桜は、きていたんだろう?
先輩が田口さんと遊んでいることをおもうと辛いから、それで気を紛らわすためにぼくの部屋に来ていたのかな?
本も、もしかしたらそういうことで読んでいたのかな?
ひとりでいると、色々考えちゃうから…
だから、ぼくから借りて本を読んでってこと?
…
そもそも、ぼく自身が部屋でポカンだ。
ひとり、部屋でポカンとしていると、まさかの桜がぼくの部屋のドアをノックした。
「本、返しにきたよー」
と。
桜の声は、なんだか優しい声だった。
どうぞと招き入れると、桜はぼくをみて、
「残念だったね」
と言ってきた。
いきなりなんでそんな言葉を?と、不思議になった。
「え?残念って?」
「だって、ゆうた…あ、それより、面白い本があるんだ。これ読んで元気出してね。あと、ほらこれ昔から大好きでしょ。わたしの手作りクッキー。抹茶入りでほろ苦だよ。じゃあ、また明日学校でね」
「え、待っ…」
まだお礼も言ってないし、残念の意味が知りたかったが…
よくわからないまま、ぼくは桜が作ってくれたクッキーを頬張り、漫画を読んだ。
その後、軽くランニングをして、程よい汗をかいた。
ふぅ。
家の前でひとやすみして、汗を拭った。
やっぱり軽い運動ってやつは、スッキリしていいな。
軽く運動をして汗をかいたら、小腹がすいた。
あぁ、桜からもらったクッキーがまだあるんだった。
炭酸水と一緒にいただこう。
そう考えると、心がぽわーっとなる。
たぶん幸せなんたらが、からだの中で分泌されたのだろう。
この幸せなんたらが、いつも分泌されていたら、ぼくはあたたかい湯船にずっと浸かっているかのような気持ちでいられるんだろうなぁ。
しかし、桜の背後から田口さんと先輩が脳裏からひょっこり顔を出す。
ゴーンと、除夜の鐘が脳内で鳴り響く。
まだまだ年末でもないのに…
脳内終了のお知らせ。
もう、ほんとうは…なんにも考えたくない。
だから、こうやって強制終了しようとしてしまうのは、ぼくの悪い癖かもしれない。
——
次の日も、朝から桜は田口さんと一緒にいた。
佐藤くんの話だと、どうやら嘘告の件で仲間割れしたのだとか。
そもそも、桜は嘘告反対派だったらしい。
じゃあ、桜は…なぜぼくに夏休み前、あんなことを言ったのだろう?
わたし嘘つくかもって…
あれって…なんだったの?
桜には、色々聞きたいことだらけだった。
嘘告もそうだし、先輩との二股をどう思っているかもそうだし…なんなら、この前の残念ってやつも。
もう、この際はっきり聞いてしまおうか…
先輩のことは、ぼくには直接関係ないかもだから、聞き方に慎重にならなければならないけど、嘘告とこの間のは…聞いてもいいよね?
って自分に言い聞かせて、今度の土曜日、あらためて桜に聞いてみることにした。
桜には、ちょっと話があるんだとだけ言っておいた。
そしたら、桜もまさかの…わたしもちょうど話があったんだって言っていた。
桜からの話って…なんなんだろう。
そもそも、桜は嘘告反対派なんだよね?
だから、いまさら嘘告なんかされたりしないよね⁉︎
続く。




