桜
なんだかよくわからない田口さんとぼくと桜の電話。
あと、たぶん…
二股先輩
よくわからなすぎた不思議な電話を終えて、桜からたくさんの本を借りた。
夏休みなのに、ちっとも脳みそが休まない。
頭の中は、桜まつりだ。
枝垂れ桜に、えっとー他は…しらん。
てか、その桜まつりじゃない。
幼馴染の桜が頭にこびりついて離れない。
いや、へばりついたガムみたいに表現してしまったが、つまりは…
どういうこと?
それすらぼくには、わからないくらい、桜まつりなのだ。
あぁ…
ぼくは、なぜに桜の幼馴染なのだろう。
桜から借りた本が、部屋を埋め尽くす。
ぼくの脳内にたくさんの桜がいるように、ぼくの部屋にも桜から借りたたくさんの本たちがひしめき合っている。
ちょっ…押さないでください。
…だれも押していない。
ただ、本がたくさんでぼくのベッドが狭い。
満員電車並みに、狭い。
だれか…
満員電車からぼくを救って、ぼくを守ってください。
いや、それは普通…男が守ってなんぼだろ…
あぁ、ぼくはいったい何をしているのだろう?
肌がきれいになって、背も少し伸びて、美に力を入れて少女漫画に埋もれる日々。
ヒヒヒヒヒヒヒ
気が狂って、ちょっと笑ってみたくなった。
そりゃ、気も狂うって‼︎
ただでさえ、好きな子が幼馴染で、なんならその幼馴染の彼氏が二股してて、挙句にぼくが偽カレ候補なんですよ?
そりゃ、笑うしかないでしょ?
気の狂ったぼくは、次の日も本を読んだ。
朝ご飯を食べ、運動して読書。
丁寧な暮らしをしつつ、また読書。
あ、勉強もしています。
主に恋のお勉強です。
だって…
夏休み明けがテスト、いや受験?くらいの大ごとなことが待ち受けておりますから。
嘘告という名の試験ですよ。
受験番号は…
五十一番です。
いや、五十一番目の男じゃありません。
こいって呼びそうじゃない?
五と一で。
無理矢理呼んで 恋
…
無理矢理こいだと⁉︎
なんか…いやね。
やっぱり受験番号は、一番にかえてもらいたい。
あなたが一番ってことで。
みなさんは、恋に番号をつけるとするならば何番にしますかアンケートでもとろうかな。
そもそも、恋の番号なんか決めたところで、一生使わない説浮上中…
そして、気温上昇中。
夏ですから、そりゃね。
暑いですよ。
ここは、心を冷やすために正座して読書いたします。
姿勢を正して漫画熟読。
コンコン
ぼくの部屋のドアをだれかが叩いた。
たぶんお母様だわよ。
ぼくは、基本お母様なんて呼ばない。
しかし、今は丁寧な暮らしになりきっているので、
「どうぞお入りくださいませ」
と、ふざけてお母様を受け入れた。
するとまさかの…
「えっ⁉︎桜…⁉︎」
ぼくの部屋に、桜が舞い散った。
いや、参った。
いらっしゃったし、こりゃまいったな…
まいるをマイルドにする魔法を、だれかお願いします…
…
「あ、わたしが貸した漫画読んでくれてるの?」
「あー、はい。」
ぼくは、今…どんなキャラでいけばよいのか分からず…
そのままの姿勢を保った。
「少しリラックスしたら?」
「え、うん。」
桜からの呪文で、呪いは解けた…はず。
「正座、疲れない?」
「あ、うん。しびれた」
「なら、あし崩しなよー」
「そうだね」
桜のおかげで、リラックスすることができた。
ここは、ぼくの部屋?ってくらい、桜にリードされる。
そもそも、これはリードというのか?
「あ、てか桜…今日は、どうしたの?珍しいね」
あの日以来だ、桜がぼくの部屋に来るのは。
あの日とは、嘘告リハーサルみたいな…なんか、嘘告宣言の前触れ予告みたいなのをやりに来た日だ。
てことは…
今日本番?
いや、嘘告は夏休み明けなはずだ。
では、今日は…
最終確認か?
また、なにかヒント的ななにかを置いていくとでもいうのか⁉︎
置いていくなら、指紋でよくない?
それなら、犯人の手がかりがすぐに…
ってさ、犯人なんかいないのよ。
暑さで脳みそトロトロです。
「あ、桜。本のお礼にアイス食べない?」
「え、やったあ」
桜が、満開になった。
いや、満面の笑みになった。
あぁ、やっぱり桜はかわいいなぁ。
てか、なんか桜…肌が透明感増し増しだなぁ。
そりゃ、クラスで美について流行り出したけど、桜もやっぱり美容に力入れてるのかな?
なんか、少し痩せた気もする。
続く。




