↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
35/56

第三十三話 英雄補完協会・本部~会長室~


フロアマップによると、会長室が二階らしい。


そこにリントの居場所のヒントがありそうだ。遠くて滅茶苦茶しんどいけど、そこに行ってみよう。


というかなんか、人の気配が一切ないな。なんでだろう。ここにいる人達、全員出てっちゃったのかな。


どこか不気味だ。やめてよ。わたしホラゲーとかまじで苦手だから。


そんな事を考えながらせっせと飛び跳ね、二階手前の階段についた。


ここは気合い入れないとな。


「ふっ! ふっ!」


わたしはこの状態(ふくろ)だと意外と跳躍力がある。(元々運動神経悪かったけど)


しかし疲れるものは疲れるし、床に打ちつければちょっと痛い。


そこは人間の状態とあまり変わらないのだ。


「はぁ、はぁ」


でも、リントが困っている、リントの妹のチラちゃんが助けを求めている。


だから……ゆっくりと、着実(ちゃくじつ)に急ごう。矛盾(むじゅん)してるかもしれないけど。


息を切らしながら、休みながら。


そうして、やっと階段を登りきった。


くそう。長距離走をやった気分だ。もう階段は勘弁してくれよな。


まだ直線距離がある。近いはずなのに、遠く見える。誰かに運んでほしいが、そうも言ってられない。


「あと一息……!」


ラストスパート。一気に駆け抜けた。


……会長室の前。


本当にここで合っているか、フロアマップを出して見直す。


「良し」


どうやら合っていたようだ。


やっとここまで来た。


頼むから彼(リント)の居場所が割り出せそうな情報をくれ。


そう願いながら。


ドアノブに飛び乗り、ギギ。と音を立てて木製の扉を開ける。


この扉だけ、異様に重い。気の所為(せい)だろうか。


その部屋は。


両壁は本でいっぱい。正面には羽根ペンや用紙が山積みになった机と、革製の椅子。


……位(くらい)の高い者の部屋であるのは間違いないな。


「誰も居ない……?」


もぬけの殻。とあればやる事は一つ。


「机の上、荒れたらごめんなさいっ、と」


資料が山積みの机に飛び乗る。


着地、と同時。


つるっ、と机の上で横転(おうてん)。


「うわわっ!?」


なんてドジなんだろう、わたしは。こういう所だよな。全く。


書類を拾い集められないため、申し訳なく思っていると。


契約書のような用紙に視線が落ちた。


その、内容は。


「は? え?」


理解を拒みたいものだった。


だが、理解してしまった。


……今回なぜ、トイガーが躍起(やっき)になってリントを呼び戻したのかを。


英雄補完協会(サポーター)会長


三日後、 英雄補完協会(サポーター)・本部の訓練場にて。


リント・アルガルドレの提供により和平約定(わへいやくじょう)を締結(ていけつ)とす。


刻限(こくげん)を過ぎた場合、全(・)面(・)戦(・)争(・)を仕掛けるものとする。


異界魔導衆(ヴィジター)


英雄補完協会(サポーター)は、 異界魔導衆(ヴィジター)に脅(おど)しをかけられていたのだ。


それと、チラちゃんの一件といい、間違いない。


なぜかは分からないが、王家の血筋が狙われている。


……全面戦争。


アルガルドレ家と魔王。


百年にも渡る永(なが)き争いに。何者かがここで終止符を打とう、というのだ。


「あいつら、チラちゃんのみならず、リントまでも……!」 


真犯人を捜(さが)すのは後だ。まずはリントを助けよう。


幸(さいわ)いにも、契約書にはリントが今いるであろう場所も記(しる)されている。


契約が交わされる場所は。


この純白の屋敷の裏庭にある訓練場、だった。


「行かなくちゃ」 


息切れや、疲れなんて知ったこっちゃない。


わたしは部屋を飛び出し、急いで裏庭に向かった。


世界の命運と、パーティーメンバーのリント。彼の命が懸かっている!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。