第十三話 勇者パーティーVS錬金土人形・王(ラストゴーレム)3
「作戦Cだ! 速攻で行くぞ!」
「了解」
「分かったわ!」
声を荒らげ、突撃するリント。それに応じるガーベルとマルティーズ。え、作戦Cってなに?わたし聞かされてないんですけど!
「グオオオオオ!」
向けられた敵意に反抗するべく、叫びながら身体を膨張させる岩石の塊。
「リント! それは四方に岩石を飛ばす挙動だ!」
「把握した」
岩石の塊が、破裂。
鉱石や岩石が凄まじい勢いで飛び散った。
「『固有技術・疾風迅雷』」
リントはその身に電気を帯びる。瞬間だけ苦しそうな顔をして。
迫りくる岩石の嵐を全て躱した。そのまま。
「はぁっ!」
薄く傷のついた胴体に深々と剣を差し込む。
「ウガアアッ!?」
その重い一撃に、錬金土人形・王は悲鳴をあげる。
な、なんてハイスピードな戦闘なんだ。本当、あの子は何者なんだろう……?
驚いている場合ではない。ガーベルが弓を引き絞っている。
「『固有技術・防御喪失』」
打ち放たれた矢が、錬金土人形・王に刺さる。
技名からして防御力低下のデバフ付きだろう。
「マルティーズ!」
その銀髪の狩人の合図と同時、勇者が後方へ大きく跳躍。
金髪のポニーテール、自称最強の黒魔道士のマルティーズが前に躍り出た。
その焔色の瞳を爛々と輝かせ、杖を振り回す。
「さぁ、さぁさぁさぁ! 今度こそ消し炭にしてあげるわ! いくわよ! 『固有技術・紅蓮大砲』!」
再び、魔法陣から放たれる超魔力の波動。
洞窟内を焔色に染め上げて。
太陽にも似た高熱の火球が、岩石の怪物に直撃する。
すっご……! カッコよすぎる!!! わたしの目もキラキラだ。
そしてついに。
勇者たちの絆の道筋が――。
錬金土人形・王の胴体に風穴を空けた。
「ゴオオオオガアァァァァ!」
こだまする咆哮。
一点集中の攻撃。これが作戦だったのだ。
ガーベルがこれまでつけてきた傷が。マルティーズが放った魔法で脆くなった岩肌が。功を奏した。
フラフラとしている、錬金土人形・王。
「はぁ。頼むからもう倒れてくれ……!」
息切れするガーベルの切なる願い。
みな同じ思いだ。これ以上、戦闘を継続することは不可能に近いから。
全員が見守るなか。
「グググウウ」
低いうなり声。
そして。
「勝利」という微かな希望を粉々に打ち砕くように。
錬金土人形・王の穿たれた腹部が再生した。
「……ここまでの再生能力は初めて見たな」
苦笑交じりに、リントが呟く。
どうやら錬金土人形・王にはもはや再生能力すら備わっているらしい。
マグネティック鉱石を取り込んだからだろうか。もはや太刀打ちできるような実力ではないのかもしれない。
「予想外だね」
いや勇者殿、予想外だねって。
完全に勝つ流れだったじゃん! これどうすんの! ねぇ!




