祭り当日、だいたい全部起きる
祭り当日。
恵は、まだ空が薄暗いうちに目を覚ました。
窓の向こうは夜明け前の青みがかった色をしていた。遠くから荷車の音が聞こえ、普段なら静かな時間なのに、町はすでに動き始めているらしい。
よく眠れたのかどうかも分からない。それでも目を覚ました瞬間、今日やるべきことが次々と頭に浮かんできた。
予約四十人、通常営業、肉串。
仕込み、皿、パン、スープ。
ああ、もう嫌だ。
恵が布団の中でもう一度目を閉じると、隣の部屋からばたばたと音がした。
「起きてる?」
香織の声だった。
「起きてる」
「下行くよー」
元気だ。本当にこの人は朝から元気だ。
廊下を歩く軽い足音が遠ざかっていく。恵はしばらく天井を見つめ、それから諦めて布団を押しのけた。
*
厨房に降りると、真紀はすでに火を入れていた。
大きな鍋の底から小さな気泡が上がり始め、厨房にはじんわりと熱がこもっている。真紀は袖をまくり、鍋の中を確かめていた。
真理子は昨日のメモを見ながら食材の数を確認し、老人は椅子に座ってその様子を眺めている。
「おはよう」
恵の挨拶に三人が返事をすると、先に降りていた香織が笑顔で振り返った。
「今日だね!」
恵は真顔で答えた。
「帰りたい」
「まだ始まってないよ」
「だから」
真理子が顔を上げる。
「始まる前から弱音吐かない」
「弱音じゃない。予感」
真紀が鍋を見ながら言った。
「まあ、今日は忙しいだろうね」
恵が睨む。
「他人事みたいに言わないで」
「楽しみじゃん」
「私は楽しみより怖い」
「祭りの日なんてそんなもんだ」
老人の言葉に、恵はそちらを向いた。
「昔も?」
「昔はもっとひどかった」
「聞きたくなかった」
老人は懐かしそうに目を細めている。恵はそれ以上聞かないことにした。
*
朝の仕込みは、意外なくらい予定どおりに進んだ。
厨房には包丁の音と鍋の煮える音が重なり、焼きたてのパンの香りが漂っていた。
恵は木べらで鍋の底からゆっくりとかき混ぜ、煮込みの状態を確認する。柔らかく煮えた肉と野菜が、濃い色の煮汁の中から顔を出した。
真理子が用意した食材の数を読み上げる。
「予約分、二十。次の二十。通常営業分はここ」
「串、これで最後」
真紀が切り分けた肉を、香織が木串に刺していく。切り揃えられた肉を一本ずつ手際よく通し、完成した串を容器に並べていた。
「あと何本?」
「予定数まで二十四」
「もうちょい!」
恵は鍋を見ながら思った。
昨日、あれだけ準備した甲斐はあった。
これなら本当になんとかなるかもしれない。
そう思った直後、店の扉が開いた。
「おはようございます」
顔を出したのはカイルだった。
「早い!」
「警備、夕方からになったんで」
香織がすぐに振り返る。
「じゃあ今から働ける?」
カイルが固まった。
「挨拶の次、それですか?」
「助かる」
「本当に助かる」
真紀と恵が続けて言うと、カイルは二人を見比べ、最後にため息をついた。
「……何すればいいですか」
香織が嬉しそうに笑う。
「息子、優秀!」
「誰が息子ですか」
真理子が荷物の方を指さした。
「とりあえず、荷物運びお願い」
「はい」
もう普通に返事をしている。
すっかり馴染んでいた。
*
祭りが始まる頃には、町の空気は完全に変わっていた。
店の前を大勢の人が行き交い、笑い声や楽器の音、屋台の呼び込みが絶え間なく聞こえてくる。
色鮮やかな布飾りが通りの上で揺れ、普段は見かけない服装の旅人や商人たちが行き交っていた。焼いた肉や甘い菓子の香りが風に乗って流れ、遠くでは太鼓のような低い音が響いている。
いつもの町とは思えないほどの賑わいだった。
香織は入口から外を眺めていた。
「人すごい!」
厨房から恵が声を上げる。
「見なくていいから手伝って!」
「見てただけじゃん!」
「今は一秒でも怖いの!」
真紀が笑った。
「緊張しすぎ」
恵は振り返る。
「あなた、緊張してないの?」
「してない」
「なんで?」
「準備したから」
真理子が横から言った。
「その自信、どこから来るの」
「できると思ってるから」
真理子は小さくため息をついた。
「それでだいたい当たるの、腹立つ」
*
最初の予約客、二十人が到着した。
扉が開くと賑やかな声が流れ込み、客たちは楽しそうに話しながら店内へ入ってきた。外の喧騒に負けないくらい、食堂も一気に賑やかになる。
香織が客を案内する。
いつもなら一人ひとりに話しかけるところだが、今日はさすがに違った。
「今日はまとめて出しますね!」
「飲み物は先に!」
「煮込みと焼いた肉、順番に出します!」
声がよく通り、説明も短い。大勢を相手にしているのに、慌てた様子がまるでなかった。
恵はその声を聞きながら、香織って本当に営業なんだなと、今さらながら思った。
真理子は入口近くで人数を確認し、真紀は厨房の中心で焼き物を担当する。恵は煮込み、カイルは皿運びだ。
「ワシは?」
老人が尋ねると、真理子が即答した。
「座っててください」
老人は不満そうな顔をした。
「何かできる」
「じゃあ、パンお願い」
真紀が指示を出すと、恵もすぐに声をかけた。
「無理しないでよ」
老人は少し嬉しそうに頷いた。
「任せろ」
*
一組目は、思っていたより順調だった。
恵が煮込みを用意し、真紀が肉を焼く。香織とカイルが料理を運び、空いた皿を下げる間に、真理子が提供数を確認していく。
厨房には肉の焼ける香ばしい匂いが満ち、食器の触れ合う音が絶え間なく響いていた。
「あと四!」
香織の声が厨房に届く。
「煮込み四?」
「そう!」
「了解!」
恵は鍋を確認した。
まだ大丈夫。頭の中も整理できている。
「スープ三!」
「待って!」
恵が反射的に声を上げると、香織が足を止めた。
「……ごめん」
恵は一度息を吐いた。
「煮込み四」
「うん」
「そのあとスープ三」
「うん」
「それだけ今覚える」
「分かった」
カイルが香織に小声で尋ねた。
「本当に一個ずつなんですね」
香織も小声で答える。
「じゃないと怒られる」
厨房から恵の声が飛んだ。
「聞こえてるよ!」
二人が黙ると、真紀が笑った。
*
一組目が帰ると、次の予約まで少しだけ時間が空いた。
店内には使い終えた食器が重なり、椅子の位置もあちこちずれていた。カイルが皿を運ぶ音を聞きながら、恵は椅子に腰を下ろした。
「終わった……」
「まだ半分」
真理子の言葉に、恵は顔をしかめた。
「言わないで」
香織が水を飲みながら言う。
「でも、結構いけるね」
「あなたは接客だからね」
「接客も大変なんだけど」
「分かってるけど!」
真紀が二人の会話に割って入った。
「二組目も同じ流れでいいね」
真理子が頷く。
「今のところ問題なし」
そのとき、カイルが腹を押さえた。
「俺、もう腹減ったんですけど」
恵が顔を上げる。
「食べてないの!?」
「朝、軽く」
香織がすぐに言った。
「だから言ったじゃん、ちゃんと食べなって」
「それ、恵さんです!」
「同じようなもんでしょ」
「違いますよ!」
恵は立ち上がり、パンと少しの煮込みを用意した。
「今食べて」
「でも、次の予約が」
「今」
真理子も頷いた。
「働くなら食べる」
「倒れられる方が困る」
真紀までそう言うと、カイルは四人を見渡した。
「……四人いると、母親が四人いるみたいですね」
香織が笑う。
「豪華じゃん」
「圧がすごいです」
*
二組目の予約客も二十人。
ここまでは、まだ良かった。
問題は、予約客と通常客が重なった瞬間に始まった。
祭りを見に来たらしい客が三組。その直後、さらに二組。
次々と席が埋まり、料理を待つ客が増えていく。厨房では焼き物の注文と煮込みの注文が重なり、真紀の前には次に使う肉の皿が並び始めた。
扉が開くたびに香織が一瞬こちらを見る。
恵は嫌な予感しかしなかった。
真理子が尋ねる。
「通常客、今入れる?」
真紀は厨房と客席を見比べた。
「まだいける」
恵がすぐに言った。
「厨房はいけない」
真紀が振り返る。
恵は真顔だった。
「今、二十人分やってる」
「じゃあ、待ち時間伝える」
香織が頷き、入口へ向かった。
「少しお時間かかりますけど、大丈夫ですか?」
客は快く頷いた。
「待ってくれるって!」
恵は少し安心した。
だったら順番にやればいい。
そう思ったとき、外から大きな声が聞こえた。
「肉串、まだあるか!」
香織と真紀が振り返り、真理子がゆっくり顔を上げる。
恵は目を閉じた。
忘れてた。
*
「夕方からじゃなかった?」
恵が言うと、香織が答えた。
「外の人、もう売ってると思ってるみたい」
真理子が香織を見る。
「誰かに言った?」
「市場で話したかも」
三人の視線が集まった。
「……宣伝した?」
「ちょっとだけ」
恵が尋ねる。
「ちょっとって何人?」
「分かんない」
真紀が笑った。
「じゃあ、出しちゃう?」
恵は勢いよく振り返った。
「今!?」
「焼くだけだし」
「焼くだけが増えるの!」
真理子が口を挟んだ。
「今は予約優先」
真紀は少し考え、カイルを見た。
「じゃあ、カイル」
嫌な予感を察したカイルが身構える。
「なんですか」
「串、焼ける?」
「無理です」
「じゃあ、売る方」
「俺が!?」
香織が笑顔で言った。
「いいじゃん!」
「よくないですよ!」
真理子が止める。
「待って。会計できないでしょ」
「じゃあ、香織が外」
真紀の言葉に、香織が目を丸くした。
「私?」
「接客最強でしょ」
「店内は?」
「私たちで回す」
恵が固まった。
「私たちって……」
「恵、私、真理子」
「真理子は会計あるよ?」
「やるなら時間限定」
真理子の言葉に全員が顔を向けた。
彼女はすでに帳面と時計を確認していた。
「予約二組目が落ち着くまでは出さない。そのあと三十分だけ」
「それでいこう」
真紀が頷くと、恵は頭を抱えた。
結局、やるんだ。
*
二組目の予約客に通常客。
追加のスープ、パン、肉、煮込み。
厨房には湯気がこもり、熱した鉄板から脂の弾ける音が響いていた。客席からは食器を置く音や呼びかける声が次々に届く。
恵の頭の中に、情報が少しずつ積み上がっていった。
まだ大丈夫。
「煮込み三!」
「はい!」
「肉二!」
「はい!」
「スープ四!」
「ちょっと待って!」
「ごめん!」
恵は頭の中を整理した。
煮込み三、肉二、スープ四。
次。
「パン追加二!」
「今言わないで!」
カイルが固まった。
「すみません!」
「いい! あとで!」
「はい!」
恵は鍋に向き直った。
「肉まだ!?」
客席から声がすると、真紀が答える。
「今出る!」
「スープは?」
香織が厨房に顔を出した瞬間、恵の動きが止まった。
頭の中で並べていた順番が崩れ、何から手をつけるべきか分からなくなる。恵は握っていた木べらを止めたまま、鍋を見つめた。
真理子が気づいた。
「一回止めて」
香織も口を閉じる。
恵は目を閉じた。
「……待って」
厨房が一瞬静かになり、鍋の煮える音だけが聞こえた。
恵は一つずつ確認する。
「今、煮込み三出した」
「出た」
「肉二」
真紀が答える。
「焼いてる」
「スープ四」
香織が答えた。
「待ってる」
「パン二」
カイルが頷く。
「まだです」
恵は大きく息を吐いた。
「はい。そこまで」
全員が頷く。
「それ終わるまで、新しい注文こっちに持ってこないで!」
香織が即答した。
「了解!」
「はい!」
カイルに続いて、真理子も頷いた。
「分かった」
真紀だけが笑っていた。
恵が睨む。
「何?」
「いや」
「何?」
「ちゃんと止められるようになったなと思って」
「今それ言う!?」
「ごめんごめん」
でも、恵は少しだけ思った。
確かに以前なら、頭の中がぐちゃぐちゃになったまま、全部自分でやろうとしていた。
今は止めていい。頼っていい。
それが分かっている。
だから、また動ける。
*
ようやく昼のピークを抜けた。
厨房には使い終えた鍋や皿が並び、作業台には調理の跡が残っている。恵は熱気のこもった厨房を見回し、一度本気で床に座りたくなった。
「終わった……?」
真理子が答える。
「予約は」
「通常客は?」
「まだいる」
恵は天井を仰いだ。
「帰りたい」
カイルが笑う。
「二階ですよ」
恵はじろりと睨んだ。
「香織と同じこと言わないで」
「移ったのかな」
「嫌なもの移ったね」
そこへ香織が入口から戻ってきた。
「串、出せる?」
恵が顔を上げる。
「あなた、元気すぎない?」
「外、めちゃくちゃ人いる!」
「聞いてない!」
真紀はすぐに立ち上がった。
「じゃあ焼こう」
真理子が念を押す。
「三十分だけ」
「分かってる」
「追加仕込みなし」
「分かってる」
「売り切れたら終了」
「分かってる」
恵が手を上げた。
「私は?」
三人が振り返る。
恵は真顔だった。
「休んでいい?」
「十分」
真理子が即答すると、香織が言った。
「十五分でもいいよ」
真紀も頷く。
「休んで」
恵は少し驚いた。
止められると思っていた。
けれど、三人とも当然のように言ってくれた。
「じゃあ、十五分」
恵が椅子に腰を下ろすと、香織が水を置いた。
「飲んで」
「何か食べて」
真理子が言うと、真紀がパンを差し出した。
「これ」
恵は三人を見た。
「……優しいじゃん」
「倒れられたら困る」
真理子の言葉に、香織が笑った。
「素直じゃない」
「うるさい」
恵はパンを食べながら、少し笑った。
*
肉串は売れた。
ものすごく売れた。
香織が店の前に立った途端、人が集まり始めた。
鉄板の上で肉の脂が弾け、香ばしい煙が通りへ流れていく。こんがりと焼き色のついた肉から食欲をそそる匂いが立ち上り、通りがかりの人々が次々に足を止めた。
「焼きたてですよー!」
「今日だけ!」
「なくなったら終わり!」
香織の声はよく通り、笑顔も目立つ。
さらに、市場で知り合った人たちが次々と声をかけてきた。
「ここだったのか!」
「食堂の人!」
「これ、うまいぞ!」
いつの間にか、客まで宣伝を始めている。
カイルは横で串を渡しながら、その様子に驚いていた。
「営業って、こういうことなんですね」
香織が笑う。
「普通にしゃべってるだけだよ」
「絶対違います」
*
予定していた肉串は、三十分も経たないうちに完売した。
真紀が空になった容器を眺める。
「もっと作ればよかった」
真理子が即答した。
「駄目」
「売れたのに」
「売れたからこそ」
「なんで?」
「予定数を売り切って終わり。最高でしょ」
真紀は少し考えた。
「……確かに」
香織が店に戻ってくる。
「追加ないの?」
「ない」
「外、まだ欲しい人いるよ」
「ない」
「ちょっとくらい」
「ない」
恵が笑った。
「今日の真理子、強い」
真理子は平然と答えた。
「今日『も』」
*
夕方になり、ようやく店の中が静かになった。
窓の外からはまだ祭りの音楽や人々の声が聞こえていたが、食堂には一日の疲れを感じさせる静けさが広がっている。
カイルは夕方の警備に向かい、店に残っているのは四人と老人だけだった。
恵はテーブルに突っ伏した。
「もう無理」
香織も椅子に腰を下ろす。
「楽しかった!」
恵が顔だけ上げた。
「同じ一日過ごした?」
真紀はまだ元気そうだった。
「結構いけたね」
「あなたも別世界にいた?」
恵が理解できないという顔をする。
真理子だけは帳面を開いていた。
香織が尋ねる。
「今見るの?」
「今だから」
「明日でよくない?」
「今日のうちに数字だけ確認したい」
真紀が覗き込む。
「売れた?」
「売れた」
「どれくらい?」
真理子が少し黙ると、三人が顔を上げた。
やがて真理子が答える。
「かなり」
三人の顔が緩んだ。
疲れ切っているのに、自然と笑みがこぼれる。
老人がぽつりと言った。
「久しぶりだな」
四人がそちらを見る。
老人は店内をゆっくりと見回していた。
使い込まれたテーブル、並んだ椅子、厨房へ続く扉。どれも昔からそこにあるものばかりだった。
「こんなに人が入ったのは」
恵は何も言わず、老人の言葉を聞いていた。
「昔の祭りみたいだった」
真紀が嬉しそうに言う。
「来年はもっといけるね」
真理子が即答した。
「もう来年の話しない」
香織が笑う。
「でも、楽しかったじゃん」
「私は半分死んでた」
恵が言うと、真紀が笑った。
「でも、ちゃんと回ったじゃん」
「そりゃ四人もいるからね」
「五人じゃろ」
老人が口を挟むと、香織が笑った。
「そうだった! 五人!」
「カイルも入れたら六人だね」
真紀が言うと、真理子が頷いた。
「今日は本当に助かったね」
老人は楽しそうに四人を眺めていた。
「お前さんたち、面白いな」
真紀が尋ねる。
「何が?」
「誰も完璧じゃないのに」
四人が老人を見る。
「店は回る」
少しだけ静かになった。
恵は三人を見渡した。
自由すぎる真紀。現実しか見ない真理子。人と仲良くなりすぎる香織。
そして、一度にいろいろなことができない自分。
誰か一人だったら、今日みたいな日はきっと乗り切れなかった。
「みんな違うからじゃない?」
恵が答えると、老人は首を傾げた。
「何が?」
「できること」
「そうだね」
香織が頷き、真理子も小さく頷いた。
「まあ」
真紀は不思議そうに言った。
「別に普通じゃない?」
恵は思わず笑った。
やっぱり、そうなる。
四人とも、自分のやっていることを大したことだと思っていない。
「普通じゃないと思うけどね」
真理子が言うと、真紀が振り返った。
「そう?」
「少なくとも、普通の店なら今日の営業はもっと大変だったと思う」
「十分大変だったよ!」
恵が言うと、香織が笑った。
「でも、楽しかったでしょ?」
「……少しだけね」
その答えに、また笑い声が上がった。
大変だった。
もう二度とやりたくないとも思った。
それでも、悪くない一日だった。
窓の外では、まだ祭りの音楽が続いていた。




