第36冊 日本初の宇宙飛行士、分かりますか?
物語の続きを書こうと思っていたのですが、ふと飛び込んできたニュースに目を奪われました。
秋山豊寛さんの訃報です。
実際は8月26日にお亡くなりになっていたそうですが、ご存知でしょうか?
本来であれば毛利さんが最初に宇宙へ行くはずだったのですが、スペースシャトル・チャレンジャーの不幸な打ち上げ時の爆発事故により、図らずも日本人初そして世界初の民間宇宙飛行士になられた方です。
当時は「カネの力で宇宙に行った」という声もありましたが、実際は通常の宇宙飛行士と同様の訓練や試験をパスして(しかもロシア語で!)、正式な宇宙飛行士の資格を持って飛んだ方でもあります。ちなみにバックアップクルーの菊池さんは、宇宙にこそ行っていませんが、初の女性飛行士有資格者です。
そんな秋山さんが宇宙に行って初めて喋った言葉が、「これ、本番ですか?」。なんともTVマンらしい一言でした。
本当は「宇宙は混沌としています」と言おうと準備していたのに、ちっとも混沌としておらずスッキリしていたので困ったそうです。
そんな秋山さん、宇宙に行ったら「宇宙酔い」にバッチリなってしまい、「あんなに吐くやつは見たことない」って言われていたそうです。秋山さんもそれを隠そうとせず、むしろ実像を伝えるチャンスと捉え、宇宙飛行士=英雄の像を打ち破るレポートに徹しました。
実は世界初の女性飛行士のテレシコワ宇宙飛行士も宇宙酔いに苦しめられ、あまりにも苦痛なので窓ガラスをバンバン叩き、帰ってきたらヒビが入ってた……という話もあるのですが、これは随分後になって分かった話。カッコ悪いのでみんな話したがらなかったわけです。
他にも「朝◯ち」とか、お子様にはちょっぴり刺激が強いレポートをしたり等、等身大の人間味溢れる体験談を残されています。本はまだ売られてるのかわかりませんが、もしかしたら図書館にはあるかもです。
引退した後はその名声にすがらず、農業をされていたようですが、宇宙に出た時に地球に国境がないことをまざまざと感じられたということです。
一国家単位でできる事は限られると分かっているのに、協力しようとせずに我を通そうとする傾向が拡がりつつある昨今。「宇宙船地球号」はこれからもきちんと飛ぶのでしょうか。
謹んで氏の御冥福をお祈りいたします。




