第32冊 旅日記・熊本に行くためにまずは長崎ってなん?
タイトルを見て「?」となった人。
正しいです。
普通はしない。
福岡からだと車でも電車でも佐賀県鳥栖市で分岐して南に行けば熊本、西へ行けば佐賀・長崎、東へ行けば大分。普通の人はそのまま南下する。
なのになぜこうなった。
この日、私は早目のお盆参りのため、熊本に向かった。
………はずだった。
なのにハリケーンレディより受け取った電車のチケットは「長崎本線特急・オレンジ色のボディのハウステンボス号」のもの。でもハウステンボスには行かないと言う。
「この機会にデジタルスタンプ集めようと思って」
……またか。
ハリケーンレディのこの趣味に、私はここ数年お付き合いして九州中を駆け巡っている。旅をするだけならまだ良い。タチが悪いのが、色んなものを「ついでだから」と組み合わせることだ。おかげで全く気が休まらない。
まあいつもの事だ。
慣れてしまった。
しかし今回はちょっとばかりケタが違う。このデジスタ、あるテーマ毎に条件が違うのだが、今回彼女が目指しているのは………JR九州全駅制覇。その対象駅数は実に500を超える。
「もうすぐ400超えそうなんだよね」
本人は「用事のついで」と言って頑として認めないが、言葉の使い方を間違っていると思う。わざわざ島原半島を南下して島原港から熊本港へ渡るルートは「ついで」とは言わないと思う。
しかも一回そのルートしたろーもん。
どうしたもんかと思ってるうちに分岐である諫早駅が近づいてくる。本来の予定であればここから島鉄(島原鉄道)に乗り換えるのだが、生憎天候は曇り。晴れていれば左手に青い海、右手に雲仙のなだらかに広がる緑の稜線が広がって、それはそれは開放感のある美しい光景が見られるのだが······
「ここまで来たらついでに長崎路線一周して有明海沿岸路線の取りこぼし回収したらどうだろう?」
「良いかも」
後日もう一回は勘弁願いたいので、提案したことが珍しく採用され、急遽長崎駅へ。そしてハウステンボスは素通り。大村湾脇をひたすら南下して長崎駅に到着。
お昼ご飯に長崎ちゃんぽん食べた後、長崎アミュプラザをぶらぶらする。クレーンゲームのクーポンがあるというので、すっごく久しぶりにクレーンゲームをしてみた。昔は置き場に困るくらいゲットしていたのに、あまりにもアッサリスカったので、思わずムキになりかける。ヨメちゃんがいなかったら大枚を注ぎ込んでいたかもしれない。
この後、ぶっ壊れたキャリーバックの買い替えの為の下見をしてから、てっぺんチェリーさんを拝むべく、長崎駅店限定ゴディバのミルクセーキショコリキサーを買いに行ったのだが………事の顛末は拙作「シン・クリームソーダ漂流記」を御覧下さい。
漂流神よ。
いつまで試練をお与えになるつもりか。
この後、長崎線北回り→諫早→長崎線有明海沿岸回り→江北(以前肥前山口という名で、鉄道一筆書き旅の終着駅だったところ)→新鳥栖へ。
完全に元に戻っているルートだ。
「………家帰った方がよいのでは?」
「ホテルキャンセル料100%」
おおおおお。
なんてこったい。




