第31冊 旅日記・呉旅ゼロ 始まりからぶっ壊れてた件
呉旅編で書き忘れていた事があった。
クリームソーダのことでは無い。
2編を書き終えて、「なんだかこんなスムーズな旅だったっけ?」と疑問に思ってしまった。で、よーく思い出してみたら、あったのだ。大体ハリケーンレディと漂流者が一緒にいて、タダで済むはずが無い。
心残りとしては巨大な氷河のような塩の山を写真に収められなかった事や潜水艦が並ぶ港に立ち寄れなかった事やまるで北斗の拳の世界のような鉄錆色の巨大な工場跡地をじっくり見られなかった事ややっぱりパーフェクト・クリームソーダに会いたかったよコンチクショウ等多々あれど、そうではない。
この旅、出だしから神のイタズラがあったのだ。
それは朝7時過ぎ、新幹線乗り場にヨメちゃんを降ろし、車を駐車場に停めてから駆けつけた時に起きていた。
「伸縮ハンドル、壊れた」
「はい?」
見れば小型キャリーの伸縮ハンドルがポッキリ逝っている。
「この前の奈良の時なってなかった?」
「なってなかったし、その後大分行った時に使ったのは君だよね」
「………おっかしーなー」
おい。今しれっと人のせいにしようとしてなかったか?
「重くしすぎたかなー?」
それは君のせいだと言いたい。
飲み物は買えばいいのに余分に詰め込むし、リュックと荷物を分けようとしたら「そんなのいらない」と言って、キャリーバック+大型トートにまとめたのは、他でもない君だ。
そしてそれを全て持つのは私……!
だーかーらー!
リュックが良いって言ったろーもん!
大体トートの持ち手、肩にかからんのだ!
「仕方ないなー。持って」
「………重い」
「筋トレと思ったら?」
おお神よ、なぜこんな試練を与えるのだ。
そしてヨメちゃんよ。なぜ人がピンチなのにポジティブシンキングを求める?
こうして旅行のスタートから、私はキャリーバックを抱えて運ぶ目になったのでした。




