31話 移動準備
お久しぶりです。
長らく更新できずにすみませんでした。
今日から毎日更新できると言う訳ではありませんが可能な限り頑張ります。
転職は確定しましたので、転職時期になると再度一時的に更新が止まるかと思います。
重ね重ねお待たせして申し訳ありません。
早く帝国編終わらせないとな……。
今日の内容も少し短めです。
それからアカツキとイザヨイとは一旦別れた。
とは言っても別段喧嘩したとかじゃない。
単にそれぞれの準備があるから、その準備を各自行ってから再集合って話でまとまっただけだ。
準備と言っても俺らはともかく向こうの吸血鬼二人はお土産を買うだけって言ってたけどな。
迷宮を移動するのに別段荷物は要らないらしい。
ま、吸血鬼なら飯も現地調達の方がいいか。
……アンデットがメインで出てくるであろう死神の迷宮で血液を調達できそうな魔獣が出てくるかは微妙だけど。
少なくとも俺は腐った死体や骨から体液を啜ろうとは思わない。
骨に体液があるのかは分からないけど。
多分ない。
まぁ、飯の調達はさておき、一旦俺達は船を売ったり色々とやる事がある。
なんせ迷宮のルートで移動するなら船は必要ないしな。
さらば欲望の盃号。
元からそこまで愛着は無いけど産まれて初めて乗った船だからな。
因みに急な売り払いだから多少は買い叩かれるだろうって事だった。
別にそれでいい。
金が欲しい訳じゃ無いしな。
金はあっても困らないけど別になくてもいい。
……少なくともファンディで暮らす訳でもない現状は。
他にも出国手続きとかしないと駄目らしい。
まぁ、入国手続きもしたから当然と言えば当然か。
誰が国に居るかを管理したいんだろうし。
あまり知られてないが、迷宮を使用して出国する用の管理口があるらしい。
マイナーな方法とは言え、一級戦闘迷宮の100階層まで行ける程の強者はその方法で行き来してるみたいだから、国も認知はしてるんだろう。
それに、魔人族は他種族と比較すると種族的に優れているしな。
とは言え、そっちの手続きは向こうの吸血鬼二人がやっておいてくれるとの事だった。
慣れない手続きは嫌だから、正直助かる。
そんな訳で俺達がやるのは船を売り払うだけだ。
幸いどこで売り払うかも教えて貰えた。
至り尽くせりだな。
もっとも船を売る店は老舗らしくヴァゴスも知ってたからそっちは教えて貰わなくても何とかなったんだろうけど。
「んー、結構な型落ちだな。
それに共和国式の船か……。
そうだなぁ、500万ルガロが妥当かね。」
おすすめされた店≪ルイミナル卸商会≫の帆船担当と名乗る大柄の鬼人族が欲望の盃号を一通り見終わるとそう言った。
500万ルガロねぇ…。
相も変わらず俺にはピンと来ない。
『帝国貨幣のモネリに換算すると約400モネリ金貨だな。
丁度お前が帝国で競りにかけられた値段と同じだ。
まぁ、中古船の値段としちゃいいんじゃねぇか?
ちと買い叩かれてる感が無い訳じゃねぇが、さほど文句がある値段って訳でもねぇしな。』
ピンと来ない俺にいつも通りヴァゴスが注釈を入れる。
ふむ、俺と同じ程度の値段ね。
確か前にもそんな貨幣関係の話をしたよな。
……そうだ、たしか前に、航海中に言ってたんだった。
その時の話だと船って3000万ルガロくらいするんじゃなかったっけ?
『いや、それはこの船を新品でオーダーメイドした場合の値段だって言った筈だぜ。
その点この船はもう既に結構使い古されてやがる。
それに、こっちの大陸じゃ共和国式の船は人気がなさそうだしな。
ま、500万ルガロが妥当なところだろ。』
そう?
まぁ、ヴァゴスがそう言うならそれでいいけどさ。
共和国式とか言われても船の形式なんて分からないしね。
俺は相変わらず物の価値は今一分からないし。
店主が無言の俺達に「どうする?」と問いかけてくる。
どうせ交渉はヴァゴスに任せてるから俺は喉から力を抜いてヴァゴスが動かすのに任せる事にした。
「ああ、それで構わねぇよ。
ただ、一個だけ条件を付けてくれ。
支払う金の一部をプリマイブ大陸のインジェノス帝国貨幣で支払う事。
両替手数料は抜きでな。」
「ああ、それぐらいなら構わない。
一部ってのはどの程度だ?」
「あー、モネリ金貨10枚だ。
残りはカードにルガロで入れてくれ。」
「はいよ。
1時間位後にうちの商会に来てくれ。
モネリ金貨を用意する必要があるからね。
残りのルガロをカードに入れるのもその時でいいかい?」
「ああ、構わねぇよ。」
交渉成立、って事で担当していた鬼人族が元来た道を心なし急ぎ足で帰っていく。
さて、じゃあ後1時間どうするかね。
取り敢えず船の上に居ても仕方ないから港から町へ出る出口の方へ向かって歩を進める。
『さぁな。
別段用事がある訳でもねぇし、俺達もさっきの紹介の待合で待っててもいいと思うがな。
ま、任せるぜ。
俺様は何だっていい。』
ふーむ。
……ああ、そう言えば売上金の一部を何で帝国統一貨幣での支払いにしたんだ?
俺達が金貨持ってても使えないだろう?
『あん?
あー、まぁそうだな。
普通に金として使うには難しいわな。
だけどな、別に町で物との引き換えとして使うだけが金の使い道じゃねぇよ。』
えーっと?
『人間って生き物は良くも悪くも欲深いって事だ。
帝国領に入れば嫌が応にも人間と接触することになる。
その時に脅すにしても懐柔するにしても金貨があれば選択肢が広がる。
少なくとも無いよりは良い。』
別に目的がある訳じゃないんだな。
『まぁ、そうだな。
10枚程度じゃ荷物にもならねぇだろうから念の為にって奴だ。
最も帝国領の奴らは人型ですらない魔人族の類は見かけたら即攻撃してくるだろうけどな。
単に見分けがつかないんだろうけどな。
そんな中でももしかしたら交渉できる奴がいるかもしれねぇ。
ま、そいつが信用できるかどうかとかは置いておいてもな。
そうなった時に金が真価を発揮するのさ。
人間の中には自分の感情を殺しても利益を追求する輩が一定数居る。
そういう奴らに金貨って薬はよく効くのさ。』
成程ね。
俺が操空法を使えたらなぁ。
エヴァーンみたいに物の保管に困らなくて済むんだけどな。
『ありゃ操影能力と空間系統の魔術の合わせ技だろ。
そもそも操影能力は中位吸血鬼にならねぇと使えねぇし、お前の今の腕前じゃ空間術式なんて怖くて教えられたもんじゃねぇよ。
諦めな。
位階進化はどうしようもないから置いておくとして、魔術は取り敢えず安定して耐魔結界くらいは発動できるようになれ。
話はそれからだ。』
へいへい。分かってるよ。
願望を言っただけじゃないか。
現実を押し付けるなよ。
押し付けられなくたって見えてるさ。
『どうだかな。』
そんな話をしていると港の出口に着いた。
んー、まぁこれと言って予定もないし再集合まではまだ時間もある。
大人しく買取をしてくれた店に向かうか。
それが終わってから集合場所へ向かったら丁度いいくらいだろう。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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