30話 付き添い
全然更新できずにすみません……。
「さっきも言ったけど、凡その位階よ。
私もアカツキも特殊だから、あまりこの位階って決まってる訳じゃ無いの。」
俺が…正確にはヴァゴスが…黙り込んだのを見て苦笑しながらイザヨイがそう告げる。
「それで二人とも迷宮で移動するのー?」
あー…。
どうなんだ?
個人的には無理そうな気がするんだけど。
エヴァーンと行った怒れる自然の大遺跡ですら40層がギリギリだった。
あの迷宮で四級戦闘迷宮だろ…。
対して永劫なる種族の眠る墓は一級戦闘迷宮。
下手すれば特級レベルとも言われてる場所だ。
無理じゃないかなぁ…。
『……いや、不可能じゃねぇな。
そもそもムーマーの迷宮でも40層がギリギリだった訳じゃねぇだろ。
忘れたのか?
お前は個体進化しないために40層で耐えてたってだけだぞ。
記憶を見た俺様が覚えてるのに何でお前は自分の記憶を忘れてるんだ。
何にせよ、今のお前と俺様を足した戦闘能力はいまいち分からねぇ。
魔術に長けた奴相手が不利なのは分かっちゃいるが、それ以外の奴にはそこそこのアドバンテージがあるだろうぜ。』
ああ、なら行けそうなのかね?
『確かに永劫なる種族の眠る墓は管理人が死神の通りアンデット系統の迷宮だ。
リッチとかの魔術を使う奴はいるにはいるが数は少ない。
アンデットは疲労しない事や摩耗しない事、恐怖を知らずに襲い掛かってくる点が厄介なだけだ。
俺様とお前ならそこまでデメリットにならねぇ。』
なんせこっちもアンデットだからな。
向こうのメリットはこっちのメリットだ。
じゃあ永劫なる種族の眠る墓を通って帝国へ向かうのか?
『……いや、やめておいた方がいいだろうな。』
なんで?
通れるならそっちの方が早いでしょ。
『あのな、あくまで迷宮を通って行くと良いって言うのは帝国に早く着くためだろ?
俺様とお前じゃ船旅より永劫なる種族の眠る墓を通った方が時間がかかる。
単純な話だ。
さっき言った話もあくまで慎重に進んでいけば無理じゃない、ってだけでサクサクと簡単に先に進める訳じゃねぇ。
特に50階層を超えた辺りから進む速度は落ちるだろう。
多分100階層に行くのに10…いや12日前後かかる、そこから地上に引き返す事を考えると往復24日だ。
プリマイブ大陸にある永劫なる種族の眠る墓の出入口は大陸北東部のアレーナム王国にある。
そこから帝都まで陸路を移動で6日。
計30日はかかる計算だ。
船旅だとプリマイブ大陸まで約15日、港はインジェノス帝国東の都市カッセルに着く。
そこから帝都まで同じく陸路で7日程で計23日だ。
どっちが早いかはわかるな?』
ぬう。
そう言われると陸路の方が早いな…。
と言うか永劫なる種族の眠る墓がプリマイブにある事は知ってたんだな。
『昔に行ったことがある。
そもそも各大陸に永劫なる種族の眠る墓がある事は知っていた…、と言うより迷宮は基本的に同じ名前の迷宮も複数ある事が多い。
ま、繋がってることまでは知らなかったけどな。
そもそも100階層なんつう深度まで潜ったことはない。』
うーむ。
じゃあ大人しく陸路を行った方がいいのかなぁ。
「ねぇー、聞いてるー?」
っと、アカツキから質問されてたのを忘れてた。
「ああ、すまねぇ。
グリムルと話をしててな。
せっかく話してもらったところ悪ぃが俺達は航海で行く。」
返事を返そうかと思ったら勝手に喉が蠢いて声を紡ぎだす。
対応早いな。
いや、さっきから基本的にヴァゴスしか喋ってないけどさ。
「えー、なんで?」
コテンと首を傾げて不思議そうにアカツキがそう尋ねる。
「単純に時間がかかるからだ。
お前たちはどの程度で走破するのか知らねぇが、俺様とグリムルじゃ永劫なる種族の眠る墓の100階層に行くまで少なく見積もっても10日はかかる。
ま、そもそも踏破できるかどうかも微妙なところだ。
態々危ない橋を渡る必要性も感じないし、今回は船旅でいいだろうって結論だ。」
ヴァゴスがざっくりと概要を伝える。
それを聞いたアカツキは不思議そうに口を開いた。
「えー、でも二人ともアローサルでしょ?」
アローサル…?
ああ、種族名を鑑定で見た時についてくる奴か。
それが関係あるのか?
「……確かに俺様もグリムルもアローサルだ。
それが何か関係あるのか?」
「んー、アローサルなら普通に私達と同じ様に行けるんじゃないのって思っただけー。
私とおねーちゃんもアローサルだしね。
種族上はグロリア・アローサルヴァンパイアだよ。」
むぅ。
そう言われてもなぁ。
アローサルだからどうしたんだって感じだし。
まぁ、そもそも俺は永劫なる種族の眠る墓に潜った事が無いから何とも言えないんだけど。
「って言われても俺様も困るんだが……。
なんせ俺様は最近外に出たばっかりで、グリムルは漸く吸血鬼…吸血竜か?に個体進化したところだからな。
まだまだ力不足だ。
だからアローサルならって言われても現状は難しいとしか返せねぇな。」
「うーん。
そっかー。
時間がかかれば走破はできそうなの?」
「ああ、とは言え時間を縮めるのは難しいだろうけどな。」
ヴァゴスがそう返すとアカツキは隣に座るイザヨイに顔を向けて袖を引っ張った。
「なによ?」
「どうせ私もおねーちゃんも出発でしょ?
行先は違っても101階層までは送ってあげていいんじゃないの?
1日あれば行けるでしょ。」
そう切り出したアカツキに対してイザヨイは微妙に眉をしかめる。
「んー、あんまり深入りするのも良くないと思うのだけど……。」
「いいじゃない。
旅は道連れっていうんだから!」
「……まぁ、足止めしたお返しにと思えばいいかしらね。
同族を助けるものと思えば。」
何か勝手に話がまとまってる気がする。
ひょっとして送ってくれるって事か?
『ひょっとしなくてもそうだと思うぜ。』
こちらへ再度アカツキが向き直って口を開いた。
「101階層まで1日で行けるなら迷宮の方が近道になるよね?」
「……ああ、そりゃあ、まぁそうだな。
往復20日がほぼ半分だ。」
「じゃあ今の話聞いてたかもしれないけど私たちが送ってあげるよ!
と言っても向こうの大陸の迷宮の101階層から戻るのは自力でやってもらう事になると思うけど!
私とおねーちゃんは別大陸に行く予定だし。」
「あー…。」
どうするんだ?
『どうするかね…。
そりゃ時短で行けるのはそっちだがな。
問題は信用できるかどうかだ。
実力はともかく迷宮内で裏切られでもしたら大打撃だぜ。』
その点は別に気にしなくても良いと思うけど。
別に害するつもりならこんな場は設けないでしょ。
『この場を設けたからこそ口封じにするかもしれねぇだろうがよ。
……ま、実際害意は感じないから確率は低いだろうがな。』
んじゃその言葉に甘えていいんじゃないの?
『んー、あまり俺様は生殺与奪の権利を少しでも他人に握らせるべきじゃねぇ、ってのが信条なんだが…。
まぁいいだろう。
お前の能力は生存特化だ。
何かあれば逃げりゃいい。』
ま、ヴァゴスが10日かかるって言ってる距離を1日で踏破する奴から逃げれるのかどうかはちょいと怪しい所だけどな。
『確かにな。
それにそれを言うならそもそもこの場ですら危険だからな。
んじゃま、折角だし連れてってもらうとするかね。』
俺に向かってそう言うとアカツキに向かってヴァゴスが口を開く。
「それじゃ頼む。」
アカツキもそれに対して軽く返事をする。
「りょーかいー!」
こうして急遽迷宮経由で帝国へ向かう事になった。
俺としてはムーマー以外の初めての迷宮だからちょっと楽しみだ。
ちょっとリアルがごたついてます。(転職するかも)
それに伴って更新が止まる可能性があります。
その場合は活動報告で書きますのでお待ちください。
折角読んでいただいてるのにすみません……。
いつも読んでいただき感謝しています。
今後ともよろしくお願いいたします。




