⑥
テスト監督の先生が来ると、教科書やプリントとかのテキストの類はカバンに入れて、出席番号順に着席する決まりだ。
そうすると先生がテスト用紙を配って、テスト開始までカンニングとかの注意をする。
いよいよだ。
大伴はくるりとシャーペンを一回転させて机で裏になっているテストを眺めた。
課せられた使命は二つ。まずは、全教科80点以上。それ以下なら留年決定。これは大前提だ。
そしてもう一つ。速水との条件はどれか一教科100点を取ること。
少し前の大伴なら諦めいたでだろう状況だ。
だが今の大伴は峯扇が織り成す勉強地獄に耐えた。絶対に結果はついてくるはずである。
しばらく話していた先生が、口を閉じ、教室に掛けてある時計をちらりと見る。
それに応えるかのように時計の針がカチカチと進んでいき、
「では、実力を出し切るように」
チャイムが鳴った。
ばさっ!
と紙をめくる音が教室のあちこちで鳴り、テストが始まる。
まず、大伴はテスト用紙の一番上にある記入欄に目をつけた。
問題を解く前に名前を書く。峯扇が口うるさく言ってたことだ。
「いくらテストが全部解けても名前が抜けていたら0点になります。気をつけてください」って感じで。
名前を素早く書いて、テストの問題を一通り見る。
これも峯扇が言っていたことで、簡単な問題をピックアップして早く解く。
そして解りにくい問題は後に回す。出来る問題から確実に潰して、得点を確保する。
ぱっと見たところ、文章問題が二題あった。小説を抜粋したような文だ。
問題を見る限りこれがテストの主力問題。そう判断した大伴は、早速一つ目の文章問題に取り掛かる
問一。傍線部1に「寒気が走った」とあるが、なぜ主人公はそうなったのか?
「……」
少し考えてシャーペンで答えを書き込んだ。
答えは、文章から察するに『イジメをしているのに友人は罪悪感を感じていないから』だ。
峯扇に教わった方法でやってみると、驚くほど簡単に解ける。さすが、峯扇様々である。
大伴は二年の教室でテストを受けているであろう峯扇に感謝を捧げながら、次々と問題を解きつづけた。




