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天才の方程式  作者: nono
13/17

とりあえず峯扇に言った方がいいんだろうか?



とりあえず教室に帰って、作戦を練ることにした大伴。

別に速水の言うことなんて無視してもいい筈なのだが、

真剣だったし、なんか、無視できない、といった心境だ。


「ちっ。また面倒なことになっちまったな」



大伴は首をかくん、と後ろに倒して教室の汚い天井を見た



まぁいい。とりあえず速水の言う通りにやったろうじゃねぇか。

とはいえ、成功法じゃ無理だと思う。

いや、別に諦めてるわけじゃない。しかし、

今、大伴がやってるのは基礎だ。

テストの時点で80点を取れるような頭になるように、峯扇が計算しているメニューなのだ。

つまり、今のままのペースじゃ100点は取れない。



「さっそく暗礁に乗り上げたな………」



「なにがですか?」



「いやぁ、年下の女に無理難題を言われちまってな……って峯扇!?」



なんで俺の教室にいるんだよ!!と大伴は吹っ飛びそうになった。

というか、いつからいたんだこの女は。

しかもなぜ音も無く接近する!?

ビビる大伴をヨソに、峯扇はムッとした表情で迫る。



「年下の女って、私ですか?」



「ち、違うって!!速水だ速水!!」


ずんずんと身体を寄せてくる峯扇を手で制しながら、

慌てて言う。

それ以上くると胸が当たる。

峯扇は自覚がないのだろうが、大伴としてはそれ以上来られるとマズイ。

主に理性の問題で。



「え?……悠と何かあったんですか?」



「あ、あぁ。ちょっとな」



大伴は峯扇から少し間合いを空けて首肯した。





                      *





「……100点、ですか?それを取るって言っちゃったんですか?」



大伴が説明し終わると峯扇は難しい顔をした。

目が言っている。


馬鹿ですか先輩


口に出さずとも、大伴の心に痛いほど伝わってきた。

自分は言ってないのに……

勝手にそうなったのだ。



「と、取れるかな?」



「努力すれば取れます、けど……」



峯扇は「……うーん」と唸る。

けど……、なんだろう?

なんかすごい嫌なニュアンスだ。



「大伴せんぱい風に言うと、知恵熱で死にますね」



「やっぱりかよ!!」



いや、予想はしてたけど。

だって普段より20点分多く勉強するわけだから。

しかし峯扇が言うと余計に現実的だ。



峯扇は大伴の大きな声をビックリしつつ、指を一本ピッと立てた。



「で、ですが。まぁ悲観する必要はありません。方法はあります」



「あるのか?」



「はい。一つ目は悠の条件を無視することです。今回は大伴せんぱいにメリットもやる必要もありませんから」



悠には可哀相ですけど。と、言いながら、峯扇は指をもう一本立てる



「二つ目は悠の条件通り、100点を取ることです」



「それやると死ぬんじゃねぇの?」



「詰め込みが必要な教科は無理です。だからそれ以外を狙います。幸い、教科の指定はありませんし」



それ以外?

疑問をヨソに峯扇は不敵に笑みを浮かべて、自信満々な雰囲気。



「狙うのは現代文と数学です」



峯扇はまたもや二本の指を立てる



「この二教科は比較的覚える物の数が少なく、問題の中に答えが隠れています」



問題の中に答えが隠れてる?


「マジで!?え?嘘だろ?そんなことあんの!?」


経験上そんなことはありえない。

まぁ大伴はテストをそんなに真剣にやってなかったのだが。



「例えばですね、現代文の文章問題とか」



『~は何故~と思ったのか?~字以内で答えよ』とかいうやつです。と、峯扇は白紙の紙を取り出す。

そこにフリーハンドで直線を三本縦に書いている。



「ああいう種類の問題は必ずと言っていいほど、問題の文の前後に答えとなる文が存在しています」



直線を問題文に見立てて、丸で囲んだりして説明をしてくれた。



「そ、そんな法則があったのか?」



「はい。そして数学は言うまでもなく公式が存在します。一つのテストの範囲で出てくる公式は三つ四つ程度です。それを覚えてしまえば、」



「後は数字を当て嵌めるだけってことか……!!」



「そうです」



峯扇はコクリと頷いた。

たしかにそれなら暗記量はかなり少ない。

まさか、そんなやり方があったなんて。魔法使いかこの女は。



「では、大伴せんぱい。一つ目と二つ目、どちらを選びますか?」



勝負を受けるか、それとも逃げるか。

じっと見てくる峯扇の目を大伴はまっすぐに見つめ返した。

逃げるのは簡単だし、大伴としてもそれが一番いい選択なのだ。

しかし、


「二つ目!!」


大伴がどちらを選ぶかは決まっている。

真っ向から受けて、ぶち抜くのが大伴の主義であるから。







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