第3話 ベビーカーに乗ってGO
キンシンソカーン♪
キンシンソカーン♪
「学校終了のお知らせワロタwww」
純は呆れながら言う
「事実」
2-1の生徒達はガヤガヤと帰り支度や部活への準備をし始めた
純は狂ノ進に尋ねた
「今日これから何かやるの?」
「例の一目惚れの君に会いに行こうと思う」
「どこにいるか分かるの?」
「制服を着ていたから、どこの学校かは検索すれば分かると思う」
純はスマホを取り出してブラウザを開いた
「どんな制服?」
「全身迷彩」
「それは多分、駐屯地の人じゃないかな」
「あと顔に泥塗ってて体に葉が茂っていたから多分、植物の妖精さんだと思う」
「街中なのに大分ゲリラだね」
校門まで這い出した二人は件の学校に向かうことにした
狂ノ進はベビカ150のエンジンをかけた
ブロロローーーーーーン
狂ノ進は壺湯に入る要領でベビカーに乗り込んだ
「よしかかった!じゃ行こうか」
「えっと...私は歩き?」
「あっごめん長男であり末っ子だから失念してたよ」
「素直に一人っ子って言えばいいのに」
狂ノ進はどこからともなくもう一台ベビーカーを持ってきて
ベビカ150の横に括り付けた
「ほら出来た即席のサイドカーだよ」
「双子の赤ちゃんが乗るやつじゃん
ていうかそのベビーカーどこから持ってきたの」
「ベビーブームの名残で結構そこら辺に落ちてるよ中身が入ってる場合は取り出さなきゃだけどね」
「倫理観が欠けすぎだろ。取り出した赤ちゃんはどうするの」
「”お住まいの市区町村の区分に従って...”ていう感じかな~」
「ヒエッ 人の命をなんだと思ってるの」
「え~赤ちゃんなんてキャベツから無限に生まれるしどうでもよくない?」
「はぁ?...念のために聞くのだけれど赤ちゃんって、どう生まれるかご存じ?」
「コウノトリと人間がセックスしたら川上から新生児入りのキャベツが流れてくるって母さんに教えて貰ったよ」
純は頭を抱えて言う
「なんていうか蛙の親も蛙って思ったわ」
二人を乗せたベビーカーは走り出した
ベビカを操作する狂ノ進を横目に見ながら純は思考を始めた
トイレでは散々泣き散らかしてスプリンクラーに親近感を抱かれた彼女であったが放課後ともなると流石に落ち着いていた
狂ノ進は例の人に片思いしているだけで、まだ付き合った訳ではない
それならば、まだ自分にもチャンスはある筈だ
と純は考えた
例の人の姿を拝めば狂ノ進のタイプが分かる
ならば自分もそれに寄せれば良いだけだ
と更に思う
目標が有ってそこに到達するまでの道筋を考え、実行するのは純の得意とするところだった
おかげさまで、ウルトラ全国模試で入賞したこともある才媛なのだ
思考が結論まで達し一息ついた純は隣の狂ノ進に喋りかけた
「なんか周囲の視線が気になるね」
確かにエンジンベビーカーは人目を引く
中には失礼にもスマホカメラを向けてくる愚か者もチラホラ
そんな奴に遭遇する度に狂ノ進はパチンコでレンズをぶち打ち抜いてやるのだった
ヒュン
「きっと皆、亀田製菓の産業スパイだと思う
このベビカ150の技術を盗みたくて仕方ないんだよ」
「盗んだとてだろ」
狂ノ進の読みは正しかった
今やGoogle、Amazon、Facebook、アイリスオーヤマなどの世界中の名だたる企業がベビカ150の技術を盗みたくて両太腿をさすりながらウズウズしていたのだった




