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軍事力強化

ガォオオンッ


魔王城より北へ進み山脈を超えれば竜王が支配するドラゴン達の領域だ。


数十、数百頭にも達するドラゴン達が空を行きかう。


竜王の帰還にドラゴン達も喜んでいる。


「父上」


俺達の近くに一頭のドラゴンが降り立ってきた。


「息子よ。帰ってきたぞ」


「この方は?」


「現魔王様である」


「父上を倒したという・・・遠い所を来ていただき」


「堅苦しい挨拶は良い。竜王不在時はお前がこの土地を統括しているのか?」


「次期竜王としての振る舞いをしているだけです」


礼儀正しいな。


「父上、先の戦いで同胞が倒されている現状に若いドラゴン達の抑えが効かなくなってきました」


「時間の問題であるか」


「このままでは飛び出して行く可能性もあります」


「で、あるか」


「抑えるのも大変だな」


「最近の若いのは血気盛んだからなぁ」


「どれ、案内してくれないか」


「すまんなぁ」


竜王と言えども同族には甘く、長命故にノンビリと過ごす者が殆どだと聞く。


200年くらいすれば大体のドラゴンは落ち着き始めるが、最近生まれたばかりの者達は落ち着きがないらしい。


「次期竜王殿ではないか、また我らに説教をしに来たようだな」


ブルードラゴンがそういい始めると周囲のドラゴン達も笑う。


竜王には悪いが遠くから見て貰う事になる。


「ん? ソイツは誰だ?」


「現魔王様ですよ」


「ガーハッハッハッハ! 現魔王か!! 吹けば飛びそうな小娘じゃないか。種族はヴァンパイア? 角の生えているのは珍しいな」


ブルードラゴンは俺を見て笑い、周囲のドラゴン達も笑う。


「この度は視察に来られたのです」


「次期竜王。もぅいい・・・若いドラゴンは礼節も知らない連中ばかりだという事も分かった」


「何? 俺達が無礼者だと?」


「相手の実力も分からない者と言う事も付け加えておこう」


「馬鹿にしやがってぇ!」


ブルードラゴンは喉をならして足を持ち上げた。


俺を踏み潰そうとする。


「止めるんだ」


次期竜王がその体でブルードラゴンを押して後ろに下がらせる。


「次期竜王が出しゃばるな! コイツは俺達をコケにした。ドラゴンの恐ろしさを知らないから言えるんだ」


「馬鹿者!」


次期竜王は一喝する。


「次期竜王、魔族同士のぶつかり合いだ。古くから伝わるやり方に則るべきだ」


「おうおう、分かってるじゃねぇか」


「・・・分かりました。程ほどにして下さいね」


「気にするな」


手加減はしてやるさ。


ズッ


次期竜王が少し離れた場所へと移動する。


「もう泣いても許さねぇぜ」


バキバキポキッ


器用に指を鳴らして無造作に近づいてくる。


「腕力上昇、脚力上昇」


両腕と両足に魔力を纏う。


「ブースト」


体全体に魔力を纏い更に攻撃力と防御力を上げる。


「うっ、そんなコケ脅しに」


シュッ


「遅い」


ドッ


「ゴッバッ」


ォオオオオオンッ


ブルードラゴンの懐に入り何の変哲もない正拳突きを叩き込み空へと吹っ飛んでいく。


「ま、魔王様!」


「内臓にダメージが入ってるだろうが生きているだろ」


次期竜王が声を上げる。


「さて、やんちゃな若いドラゴン共、一回痛い目みるか? ん?」


ゴゴゴゴゴゴゴッ


魔力を高めて周囲の地面が震える。


グルァアアア!


ガァアアアア!


どうやら仲間が吹っ飛ばされても俺に挑む気概はあるらしいな。


・・・


「こんな物か?」


周囲の地形が変えてしまい、若いドラゴン達が至る所に転がっている。


「これが魔王様の実力」


「ガハハハッ! そんな物では違うぞ」


次期竜王の隣に竜王が笑って立っていた。


「父上!?」


「あの乱闘じゃ、ワシの事は誰も気に留めんよ。我が同胞達よ! 新魔王殿の実力は示された。ドラゴン族は新魔王の傘下に加わることを改めて表明するぞ!異論のある物は魔王殿自ら相手してくださるぞ!」


遠方にも轟く声で竜王は声高々に宣言する。


ギャォオオオオンン


遠くから見ていたドラゴン達が一斉に吠えだした。


「今日を持ってドラゴン族はアリア魔王の指示に従おうぞ」


ドラゴン族全域に魔王に従うという話が広まっていく。


「次に案内してくれ」


「今日はもう遅い。ワシ等の巣へ泊って行かれよ」


「ドラゴンの巣なんだろ?」


金銀財宝があるだけの洞穴と想像する。


「ガハハッ。心配せずとも来客用も用意してあるぞ」


巣の中にはサイズ別のベッドやら椅子やらが置いてあった。


其処で寝て一夜を過ごす。


「で、お前は誰だ?」


黒髪で長髪、切れ長の目を持ち竜の翼を生やした男が俺のベッドに腰掛けて俺を見ていた。


「コレは失礼をしました」


「その声、次期竜王か」


「その呼び名は止して欲しいです。私にはドラードという名前があります」


「ドラードか・・・女の寝るベッドに無断に腰掛けるのがドラゴンの流儀か?」


「いえ、そのような事はしません。私は昨日の戦いをみてアナタに興味を持ちました。その強さの秘密は何なのかと?」


「そうか」


ギッ


上半身を起こしてベッドから立ち上がる。


「あぁ、これが強気者の香りですか」


「おい・・・」


背後でベッドに突っ伏して匂いを嗅ぐドラード。


「殴られたいか?」


「滅相もありません」


「その変態行為を止めろ」


「いえいえ、私の探究心が全てを知れと突き動かすのです」


変な奴に目を付けられてしまったな。


「父上には了承を得ています。私はアナタ様に就いて行きます」


「勝手にしろ」


「では、私の宝物庫にベッドを」


「フレイム」


ボワッ


「あぁ!?」


俺の寝ていたベッドを一瞬にして灰にする。


「他の魔族達の住まう場所を案内しろ」


「分かりました・・・チャンスはいくらでもありますからね」


バサッ


ドラードの案内で様々な魔族が住まう地域へと赴く。


力が劣る種族は魔王の傘下へと入る事を宣言してくれたが認めていない者達は俺に挑んできた。


ドォンッ


ジャイアント族を連撃で倒し、スピード自慢のワーウルフ族より速いスピードで追い抜き、ハピュリア族による空中競技を一番手でクリアする。


種族ごとの強みを悉く超えていく俺という個人を認めさせる。


「ワシ等、ドワーフ族は何も武力だけが強さじゃねぇ。鍛冶力を試させて貰うぜぇ」


親方と呼ばれるドワーフ族一の鍛冶師に工房へ連れていかれて大槌を振るわせる。


「ケッ! ワシの相槌に合わせるとは中々の者じゃわい。認めようぞ」


3日3晩、不眠不休で振るい続けた結果認められた。


最初の方はタイミングが難しかったが途中から音ゲーだと思って振るっていたら見事に嵌った。


「この鋼竜牙はお前さんの物じゃわい」


鋼竜から取れる牙を加工した大剣を贈られた。


「私達エルフの試練は弓です」


エルフの森では弓の試練が課せられた。


「この粗末な弓でどれだけの的を射貫けるか試します」


森に配置された的を正確に射貫く事で大人と認められる試練があるそうだ。


本来は普通の弓を使うそうだが魔王として認めるなら弓の腕あってこそと言われる。


「魔法は」


「駄目です。素の力でのみでお願いします」


「分かった」


ビィンッ


弦を弾き、張りが無いのを確認する。


「10の的を10本の矢で全て命中させてください。的は風に煽られて揺れます」


ヒント、という訳か。


「では、始めてください」


トッ


走り出して最初の的に標準を合わせる。


パカァンッ


木の的は矢を受けて真っ二つに分かれる。


パカァンッ


奥へと進み遠近に置かれた的を次々に矢で射貫いていく。


ザッ


「アレが最後の的か」


木々の間を抜けた先に的がぶら下がっている。


スッ


隙間から見える的が風に揺れて見切れる。


「はっ!」


射線を隙間ではなく、木々の上に向けて放つ。


パシッシゥ


矢が枝を掠めて放物線を描いて飛ぶ。


パカァンッ


斜め上から矢が降り的を射貫いた。


「見事でした。初見の上、粗末な弓だけでここまで実力を示されたなら認めざる負えませんね」


「アンタの実力はどうなんだ?」


「今度は私を試しますか・・・では」


スッ


何処からか長弓を取り出して構える。


フィッ


短い口笛を吹くと周囲の木々に的が現れる。


ビュッ


カコォンッ


次々と矢を射かけて的に当てていく。


「これ位の腕は持っております」


「そうか」


「エルフ族は魔王様の傘下に加えて頂きます」


「よろしく頼むな」


握手を交わしてエルフの森を後にする。

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