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第九魔王選抜大会①

「それでは、第九魔王選抜大会を開催いたします」


セバスの開会宣言に各地から集まった猛者と観客たちが盛り上がる。


600名近い猛者達だが進行力を上げるために今度は10名単位でのバトルロワイアルを60回程行う事にした。


1人で100人近い実力を持っているような魔族達だからな。


やはり勝ち残っただけあって10人だけでも時間を要した。


「続きまして18組目です」


俺を含めて10名が闘技場に上がってくる。


100名の時と違い開始位置は全員離れている。


「全員で掛かれば」


残りの9人の視線は俺を見ている。


第九魔王に近い魔族として有名となってしまった。


「始め!」


ドッ


近くにいる魔族から俺に近づいてくる。


「死ねヤァ!」


渾身の一撃を載せて俺へと振るう。


パァン!


それを絶妙なタイミングで横から弾き軌道をずらす。


「ハッ!」


その勢いを利用して後ろから迫る別の魔族に投げ飛ばす。


「キエェエ!」


が、3番目に近づいてきた魔族が剣を振りかぶって空中に飛んだ。


「マナインパクト」


ドホッ


「グハァッ」


場外へ吹っ飛ばす。


「ガルァア!」


「せぇえい」


投げ飛ばした魔族と巻き添えを食った魔族が復活してきて襲い掛かる。


「インパクトカノン!」


ドォンッ


両手から放たれた衝撃が襲い掛かってきた魔族を吹き飛ばす。


「「「「「死ねぇえええ!」」」」」


残りの16名が一斉に飛び掛かって同時攻撃を仕掛けてくる。


先ほどの3人が囮となり残りが徒党を組んで同タイミングを狙ってきた。


「ショックウェーブ」


ドバッ


広範囲の衝撃波が全員を巻き込んで吹っ飛ばす。


「勝者、アリア様! 本戦トーナメント進出です」


最後は纏めて襲い掛かってきてアッサリと終わってしまう。


順番をズラしてくれば善戦は出来たと思うな。


順調にバトルロワイアル戦は順調に進み最後の組が出た。


「ここで新たな情報です。あの伯爵が来ました」


ザワッ


伯爵の言葉に会場が騒ぐ。


ゴロゴロゴロッ


黒塗りの棺桶が会場に運び入れられる。


ガコンッ


棺桶の蓋が開いて中が見えるようになる。


そこには金髪オールバックで白を基調としたスーツに近い格好の男魔族が入っていた。


「あれが伯爵?」


知らない俺は口に出す。


「姉ちゃん知らねえのか? アイツは不死魔王の所のNo2の伯爵だ。魔大陸の中でも指折りつきの強者だ」


「ほぅ」


そうかと思ってみるとヌッと手を掲げだした。


「ダークテリトリー」


ブワッ


会場上空に黒い靄の魔法が放たれた。


「アルカード様、試合前の魔法行使は止めて頂けませんか?」


「黙れ、下等生物が」


セバスに向かって口を開くアルカード。


「私の許可なく語り掛けるな。態々遠い地から足を運びこの様な児戯に等しい場所に赴いてやったのに迎えも寄越さないとはな」


なんだか偉そうな奴が来たと思う。


「あまつさえこのような雑多な連中と戦えというのは馬鹿にしているのか?」


「公平を期する大会です」


「私は伯爵だぞ!」


伯爵だからなんだよ。


「この大会に地位は関係ありません。不死魔王様からお聞きになりませんでしたか?」


「聞いている、だが配慮するべき案件を無視するとは良い度胸だったな」


「この大会は普通ではございません。他の魔王様方も注目しています。不正があったと思われない為にもですね」


「ちぃっ、この魔法は私が自由に動けるためだ。他に害はない」


「それでは、皆さん始めてください!」


セバスの言葉に伯爵以外の魔族達が一斉に奴へ襲い掛かる。


雑多と呼ばれて全員で襲い掛かった感じだ。


「近寄るな下郎ども! 私に近づいて良い者は高貴な物だけだ!」


ピッ


俺と奴の目線があった気がする。


「ヴァンパイア・アールである。私の御業を目に焼き付けよ!」


アルカードの体から魔力が漏れでて魔法へと変換される。


「あれは」


同じヴァンパイア一族故に分かる。


血魔法だ・・・


「ブラッドカッター」


小さな血の刃が数十個と飛んでいく。


飛刃血だな。


それでも上位種に違いなく威力も強く次々に襲い掛かってくる魔族達を倒していった。


「ようやくたどり着けたぜ」


最後の1人がアルカードの元へとたどり着き近接戦闘をする。


「フハハハハッ」


しかしアルカードはヒラリと攻撃を避ける。


武技アーツ:一閃」


パタパタパタパタ


相手の技が決まったと思ったらアルカードは無数のコウモリに変化し、離れた所に現れた。


「無駄だ。雑多は雑多らしく生きろ。デスカッター」


範囲魔法を放つ。


「ぬぉおお!」


それを受けた魔族も粘るが威力に押し負けて場外へと落ちて勝敗は決まった。


「勝者、アルカード様」


「当然だ」


ピッ


また目線があってアルカードは棺の中へと入っていき退場していった。


「これにて本戦トーナメントへの出場者が決定しました。トーナメント出場者は明日集まってください」


翌日、闘技場へと集まるトーナメント出場者。


「アキラ、お前も出ていたのか?」


「ぇえ!? 知らなかったんですか?」


色々と手伝いをして貰っている合間に出場していたらしい。


「No1はアリア様の者ですがNo2は譲れません」


つまり2番目になる為に出場したといった所か?


「それは難しいかもな」


更なる振るいを掛けられて粒ぞろいの連中が出て来たから。


上級種族と呼ばれる魔族達もチラホラ見える。


先日の伯爵を始めとしたドラゴニュートの少女やアラクネにラミアにハピネスって女魔族が目立つな。


「お前がアリアであるか?」


目に移ったドラゴニュートの少女がやってきた。


「妾は竜魔王ハムートの孫エリンである。妾はおじい様に言われて来てやったぞ」


で?


「それで俺に何か?」


「これだから野蛮育ちの魔族は礼節がなっていないのじゃ。ハムートおじい様の配下であるお前がなぜ竜公女の妾へ挨拶に来ないと言っておろう?」


ドラゴニュートかと思ったら竜族の姫で人化した姿だった。


「竜魔王ハムートとの配下では無いと聞かされていないのか?」


「なっ!? おじい様から名前を授かったと聞いておるぞ!」


「確かにこの名前アリアはハムートから授かった名前。しかし覚醒魔王になった時点で縁が切れている」


ザワッ


その言葉を聞いて周囲がざわめく。


どうやら俺が覚醒魔王という情報は広まっていないらしい。


皆はどうして9番目の魔王になるつもりでいたのか?


「サタン・ハートが見つかったのではないのか!?」


そういえば継承魔王になる際には先代の心臓が必要だと言っていたな。


つまり、サタン・ハートが見つかったから9番目の魔王になれると信じて来たのか。


「もし、9番目の魔王になるなら俺を倒せばいい。この心臓を渡して9番目の魔王になれるぞ」


心臓を指さして言うとエリンはダラダラと汗を流し始めた。


継承魔王より覚醒魔王の方が数段と強いのは魔大陸では有名な話。


八大魔王序列の1位と2位は覚醒魔王である竜と不死はその座を明け渡したことがない。


「妾はこれでお暇しますぞ」


扇子を口元で開いてソソクサと去っていく。


「これは、これは、麗しいお嬢さん」


コツコツと革靴をならして近づいてくるアルカード。


「お近づきの印にこれを」


と渡してくる紅い薔薇。


ヒュッ


受け取って亜空間へとしまう。


以前のアルカードとは印象が違う・・・普段の口調はこっちなのか?


「用件は?」


「覚醒魔王と聞いてどれ程の物かと思いましたが、我が主君程でもないのですね」


伯爵の主は不死魔王。同じ覚醒魔王として見比べている。


そもそもの年季が違うのに何をいっているんだが?


「それに言葉遣いがなっていませんね。王たるもの素養も必要かと」


他の魔王にも同じくらいの口調がいるんだが・・・大丈夫か?


「私がアナタを娶って教育いたしましょう」


なにか言い出したぞ?


「同族の好みです」


「ちょっと待ってください」


アキラがズカズカと俺の前へとやってくる。


「初対面で求婚とかどうかしてますよ」


「劣化の分際で私に意見をするな」


途端にアルカードの表情と口調が変わった。


「私が劣化ですか?」


「ドラキュリーナは劣化種族である。元人間」


どうやらアキラの正体を見破っていた。


「貴様には用はない」


シュッ


パシッ


アルカードの払い手を受け止める。


「アキラは俺の従者だ。手を出さないで貰えるか」


「これは失礼しました。高貴なる行動では無かったですね」


俺の声に冷静を取り戻し始める。


「アリア様ぁ、こんな奴なんか無視しましょう」


「元人間、私はアリア嬢と話している最中だぞ」


挑発するなよ。


「アリア様はアナタなんか眼中に無いんですよ」


「アリア嬢の前で調子に乗るな」


アルカードの怒気が露になる。


「アリア様は男なんかに興味が無いんですよ」


「なっ、に? 興味が無いだと?」


「ねぇアリア様ぁ。昨晩も楽しかったですものねぇ」


アキラが甘える声で俺の腕に胸を押し付けて見せつけるように言う。


「馬鹿な・・こんなに美しい少女が」


「事実だ。俺は男に興味はない。用が無いなら帰る」


俺はアキラに腰を回して踵を返す。


ぬぉおおお!


アルカードの叫び声を聞いて帰る。


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