???
頭が割れるように痛い。
うーん? 痛い、ような気がする。
ってなんか体が軽いなぁ。
『あれ、なにこれ?』
自分の体が青白い光の塊になっていた。
どういうこと……? 夢? そもそも何があったんだけ。
頭を捻りながら考える。……頭ないんだけど、どこで考えてるんだろう。
まぁいいや。蒼汰と夏期講習の帰りに電車が停電して、スマホも動かなくなったんだよな。
そのあと、スマホが動いたと思ったら変な画面になってて、えーと確か、
『ゲームヲハジメマスカ?』 10000
『ハイ』 『ハイ』
みたいな感じだったよな。
それで『ハイ』を押したら……押したら……。
『えええええええ』
もしかして俺死んだの!?
マジ? ……そっかぁ。そうと思えばそうな気がする。
大人しく蒼汰の言葉に従っておけば良かったな、止めてくれたのにすまねぇ、友よ。
って蒼汰は……? 蒼汰は生きてるのか!?
視線をぐるぐると回す、なんか妙に視線低くない。めっちゃ床スレスレなんだけど。
「あった」
俺の近くに声と共に大きな手が降りてきた。
こええええ、って今の声は蒼汰だ! ……よかった、生きてたのか。
ってそれ俺のスマホ! 何で持ってちゃうの!
『あっそっか、俺死んでるもんな』
遺品として持っていてくれるのか、ありがてぇ。
あーそうだ、そうだよな。
父ちゃん、母ちゃん、比宙すまねえな。
俺死んじまったみたいだ、親孝行も何もしてねえよ。すまねえ。
比宙とはプロ野球選手になるまで練習付き合う約束してたのにな。
ごめんな、約束守れないみたいだ。だめなおにいちゃんでごめんよ。
『うーグスッ……涙も出ねえよ』
小さな青白い球体の体じゃあ、涙も出ねえ。
どうしてか死んだことはそんな気になんねえけど、死んだ後のことを考えると辛すぎる。
……蒼汰にこんな思いをさせるわけにはいかない。それにこいつの寂しそうな顔をもう見たくねえ。
『蒼汰ぁっ! 俺が側についてるぞ!
絶対守ってやるからな!』
何度も何度も叫んだけど、気付いてもらえない。
ぐぐっ、やっぱり死んで幽霊になっちまったから、聞こえないのか。
……聞こえて、こっちを見てくれても青白い球体なんだけどさ。
幽霊苦手だからな、蒼汰は。見たら腰を抜かすかも。
『ピッピカチュウ、ピッピカチュウ、ヘイ!』
言葉を変えてもダメかぁ。
あー喉が痛くなってきた。喉とかないはずなんだけど。
……せめて顔をみたいな、どうにかなんねえかな。
「うん?」
蒼汰の声がこっちに向かって聞こえた。
もしかして、気付いた? これは愛が通じてしまったか……。
お前が無事に誰かと結婚して幸せになるまで、見守ってやる!
だから気づいてくれえ!
「まだ現実に戻りきれてないみたいだ」
なに気のせいだったか、みたいに苦笑いしてるんだよぉ。
いるんですけど! くそぉ、こうなったら自分でどうにかって……おっおお……
『空、飛んじゃってる!?』
すげええ、俺が人類で初めての空を飛んだ人じゃね!?
幽霊もカウントされれば!
どんどんと上に上がっていって、
『蒼汰……』
顔が見えた。
ちょっとやつれてるけど、よかった……生きてる。
うーんでも目の前にいても気付かないか、ってあれ止まらない。
『ちょちょちょっちょ』
下で女? オジサン? のような叫び声が聞こえるけど、それどころじゃない。
もう少しで天井突き破っちゃうよ。
助けて、蒼汰! そう言っても、気付いてくれなかった。酷い!
『あぁあああ…………あれ?』
そっか、幽霊だから壁もすり抜けちゃうのか。
って何か天井をすり抜けてから、凄く気持ちいい感覚が……。
『成仏する~~~』
えっ。
自分の言葉に驚いてしまった。
壁をすり抜けると成仏するの? うーんわからない。
でも今蒼汰の側を離れるわけにはいかない。
無理矢理、車内に戻ろうとして――戻れた頃には、
『蒼汰ァァアアアアアア! カムバァック!』
いなくなっていた。
『やれやれ、世話がかかるなぁ』
そう思いながら、暗い車内を飛びながら移動することにした。
掛け替えのない友達を探すために――――
お読み頂きありがとうございます。
完結まで、まだ時間がかかりそうな悪感(´・ω・`)
果たしてあらすじから文字を消さずに済むか……!




