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幹の終わりに灯るもの――帰れなくなった少女の異世界旅――  作者: 河居


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自由研究

次の日、また休憩がてら子供達の様子を見に行った。

子供達は既に食器洗いを終えていた。


「おねぇちゃんみてみてー!」

子供達は藁を切っただけのストローでタライに息を吹き込んでぶくぶくと泡を立てていた。

凄い、勝手に遊びはじめてる!

桶の中は大小のシャボン玉が浮いてキラキラしている。

「おねぇちゃんはなにもってきたの?」

子供達の、のびのびした様子に目を細めていると、声をかけられて我に返った。


サトウキビを煮詰めたものを少しもらって来て、コップもいくつか借りて来た。


「あのね、お砂糖混ぜるともっと元気なシャボン玉が出来るんだよ」


タライから水をコップにとり、砂糖を少し足してよくまぜた。

子供達からストローを借りて、慎重に、慎重に、吹く。


大きなシャボン玉が出来た。

でも飛ぶ事はなくて、ストローの先でまた割れてしまった。


「おおー!!おねぇちゃんすごい!」

「ふふふ、凄いでしょ?でもね、もっと上手くいくと、シャボン玉がたくさん出て、飛ぶんだよ」

「とぶ!?」


子供達の目がまんまるになっていて笑ってしまう。


「どのくらいづつ混ぜるかが大事。だから、実験しよう!」

「じっけん?」


コップをいくつか出して、洗剤や砂糖の比率違いの物を数種類つくった。

見分けがつかなくなるので、1、2、3……と番号をコップに書き込んだ。

「おねぇちゃんこれなに?」

やや年長の子が数字を指差して聞いてくる。

「ん?数字だよ、1、2って書いてあるの」

まだ文字が読めないのかな?と思ったけれど、そうではなく文字はあるけど数字が無いみたいだ。

「100とか200とか、大きい数を数える時に困らない?」

「んー?そんなたくさんいらないもん」

「そうかぁ。でも、こうやって目印にしたりも出来るから、あると便利だよ。みんなで作ってみるのも楽しいかもね」

そう言えば、秘密の合言葉みたいで楽しそう!と興味津々だ。

どんなふうに作ればいいか話しながら、みんなでシャボン液をまぜた。


混ぜ終わったら1番から順に吹いてみた。

1番はそもそも泡もたたない。

2番は小さい。

3番は……。

いくつ目かのシャボン液でついにシャボン玉はストローから離れた。

それでもすぐに消えてしまったけど。


子供達は喜んでいるからいいのだけど、もっと飛んで行くシャボン玉を見せたかった。


そう言えば、シャボン液を作ったその日より次の日の方が液が馴染んで高く飛んだっけ。


今日上手くいかなくても、きっと明日はもっと飛ぶ。


「もっと高く飛べるように、明日からもお仕事終わったら実験しない?」


いっぱい失敗したって、思い出だ。


「お祭りの日に、とびっきりのシャボン玉をみんなに見せようよ!」


そう言えば、子供達は元気に返事をしてくれた。

この日から、お仕事終わりの実験が当たり前の時間になった。

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