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幹の終わりに灯るもの――帰れなくなった少女の異世界旅――  作者: 河居


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島作り

「カナエちゃーん!次、こっちをサトウキビの方に持ってって上げてー!」

「はぁーい!」


次の日から、入江は賑やかに動き出した。

サトウキビを収穫する人、収穫したサトウキビを搾る人、網を編む人、サチさんやククリくんはソリ作り。

やる事が決まればみんな楽しそうに作業を進める。


「はい、重いから気をつけてね。あんた達も頼んだよ!」

「はーい!」


作業ごとに散らばっているみんなにお弁当を届けるのが私と小さな子供達の仕事だ。


「カナエおねぇちゃん、おさと、いっぱいできたかな?」

「ふふ、おさとう、ね」


せっかくサトウキビを絞るなら、ついでに砂糖も作ろう。そう言い出したのはサチさんだったか……意外と甘党の男の人達だったか。

お弁当を届けたら、搾り汁を回収して煮詰める作業だ。


「いっぱい作って、おやつの時間にみんなに届けたいね!」


仕事はたくさんだ。

だけど、とても満ち足りていた。



「ヒロさーん!」

「カナエか!みんな、昼だぞ!」


ヒロさん達は岩場になっている崖の側でサトウキビを絞り、干す係だ。

岩の窪みにサトウキビを置いて、上から石を使って潰す。体の使い方を覚えるために、毎朝使う石を浜辺からここまで運ぶところから始めているらしい。


「みなさんお疲れ様です。ご飯ですよ」

「はいどーぞ!」

「おぅ!ありがとうな!」

「カナエさん聞いてくれよ!昨日よりでかい石持って来れたんだよ」


子供たちからご飯を受け取りながら、みんなが自分の成果を伝えてくれるのが嬉しい。


「搾り汁も溜まってるぞ。持てるか?」

ヒロさんが樽に溜まった物を見せてくれる。


「わ、ほんとだ。でもこれに乗せて行くので、大丈夫です」

「ほんとだな、サチはほんとに仕事が早い」

私が指したソリを見てヒロさんが眉をさげてわらう。


そう、このソリはサチさんとククリくんが練習で作ったソリのミニチュア版だ。


――でかい物作って途中で上手くいかなくなったら凹むだろ。一回小せぇの作るんだよ。


そう言って作られたソリは私や子供達がお弁当なんかの荷物を運ぶのに重宝している。


「サチさんだけじゃないですよ!ククリくんも凄いの!」

「確かに。あのサチに指示を飛ばしてるんだから大したものだな」


ククリくんはサチさんをちゃんと使っている。

サチさんが大雑把なので、あれやこれやと指示が絶えないんだと文句を言ってたっけ。


「そう言えば、今日はタタラくんはいないんですか?」

いつもは一緒にサトウキビを絞っているタタラ君が見えない。

「タタラなら、干せたサトウキビがだいぶ増えたから網作りの方に持って行っている。タタラの昼はそっちに持って行ってもらえるか?」

「了解!それじゃあヒロさんも頑張って!」

「ああ、カナエも」


一度炊き出しをしている所に戻って、搾り汁を置いたら、タタラくんのと網作りのみんなのご飯をつんで、それから――。



ヒロは頭の中で予定を組む楽しそうなカナエの横顔を見ていた。

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