作戦会議
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次の日、ヒロは崖の麓の岩場からなるべく大きく、それでも運べるものを選び、黙々と浜に運んだ。
島の者たちが何をやっているんだと心配そうに見つめている。
しかし、皆それぞれに仕事がある。
気質が優しい村人は無理をするな、水を飲めと声をかけてくれるが手伝う事はしなかった。
「ヒロさん!」
「タタラ」
額から汗を流しながらタタラを見る。
「大丈夫ですか!?顔が真っ赤ですよ!休憩しましょう!」
気がつくと日は南中を過ぎていた。
「あ、ほんとうだな……」
フラフラと石を置いて、尻をついた。
頭からタタラが水をかけてくれた。
「倒れてしまいますよ。言ったでしょう?手伝います」
水は緩かった。でもタタラの言葉で思い出した。
――一人でやる事はない。
「タタラ、ありがとう。少し休憩するから、サチを探して来てくれないか?」
***
「で、何やってんだお前」
タタラに連れられて、サチがやって来た。
ヒロは日陰に座り込み水を飲んでいた。
――全く、鼻の頭まで真っ赤にしやがって。
ヒロは立ち上がり、サチをまっすぐに見つめて言った。
「島作りだ。考えがある」
そう言って、ヒロは指で地面に図を書きながらサチと、サチを連れて来たタタラに話して聞かせた。
「なるほどなぁ、そうなると資材の確保はもちろんだが……タイミングが肝になるな。わかるのか?」
サチがヒロの書いた図を眺めながら顎をさする。
「数えた。時間は解る」
「そういえば、ヒロさんは心拍で時間を数えてましたね!」
「はぁ!?」
タタラの言葉にサチが目をむく。
「……それは正確なのか?」
サチはヒロを見る。
「さほど誤差は無い。人数を集める必要はあるな」
「はっ!言い切れるたぁ大きく出たもんだ」
「生半可な育ち方をしていないからな」
言ったヒロの顔はどこまでも楽しそうだった。
「人数は、多分、大丈夫です。もう何日か経てば大人たちの手が空いて来ます。ヒロさんなら手伝ってもらえるでしょう」
「僥倖だな」
サチがどこか引っかかる顔をしてタタラを見たが、楽しそうなヒロの声にかき消された。
「サチ、岩が足りない。大きくて、浜に運べる物がいい……どこかから切り出せないか?」
ヒロが楽しそうに聞いて来る。
――本当にまぁ、嬉しそうな顔しやがって。
「俺がなんでも解るとおもうな……それなら、ククリに聞け。きっと崖の事ならあいつがなんでも知ってるだろうよ」




