そのうちわかる
その日、カナエはなかなか起きて来なかった。
普段、カナエの朝は早い。
大概2番目にやってくるのは自分で、次にサチ。いつのまにかアヤがいる。
自分がやってくる頃にはカナエは朝食を作っていたり、茶器が作ったものを配膳していたりする。なぜそんな事を?と聞けば、朝は動いた方が目が覚めて気分がいいと言っていた。
昨日は泣いていたし、顔を合わせづらいんだろうか……。
サチと二人、雑な配膳を済ませアヤが現れてもカナエは起きて来ない。
「カナエはどうしたんだろうか……体調でも悪いのか」
なんとなく、顔を合わせずらいのでは?とは言いにくかった。
「体調……」
サチが呟いてアヤを見た。
アヤもサチと視線を合わせる。
「見てくる」
アヤは立ち上がり部屋へ上がっていく。
自分も、と立ち上がりかけたが
「お前は座っとけ」
サチに止められてしまった。
……確かに、女性の部屋にみだりに男が入るものでは無いな。
「茶器!あったまるもの持ってってやれ。ジンジャーティーがあれば頼む。お前もだ。腹にでも巻き付いててやれ」
茶器と雑巾が心得た!とばかりにかけて行った。
「ほら、俺たちは食っとくぞ」
言ってサチは黙々と朝食をとった。
しばらくしてアヤが戻って来た。
「今日はカナエはここで休む。しばらくかかるかもしれないな」
「だいぶ重いのか?」
何か酷い症状が出ているんだろうか……。
「こっちに来てからあいつどのくらいたつ?こんな事は今までなかったのか?」
「そろそろ2ヶ月になる。……ここに来てからは初めてだそうだ」
「……無理してたんだろうな」
自分も、彼女には無理をさせてしまった……。
「市場で何か、彼女の喜ぶものでも探して来よう」
彼女に何かできないだろうか。
「そうだな」
朝食を終えて木戸をくぐり、今日も快晴の港町が出迎える。
「お見舞いもできればいいが……うつるようなものだと彼女が気にしてしまうだろうか……」
なんとなく呟いた言葉に、サチが勢いよく振り返った。
「サチ?」
何事かと思っているとサチが盛大にため息を吐いた……。
「お前……いや、いい。行くぞ」
今日も何が起こっているのかわからない。
これも、そのうちわかるんだろうか――?




