第六話「黒船来航」
二人が食堂から出てくる。
「It was delicious〜!」
「ならよかったけどさ…」
満足そうなF6Fの言葉に五二型は頭を軽く掻いた。
そんな中で先に口を開いたのは五二型だった。
「というか、今日受け取りって言ってたけどさぁ…いつくらいに着くの?」
「ん〜とねぇ…今が14時でしょ〜?さっき連絡が来たからもうちょっとかな?」
そう言ってF6Fが笑いながら答えた。
「じゃああの港に船が入ってくる感じ?」
その言葉に五二型が反応する。
なんせ極東防衛総合学園には港が併設されてあるのだ。
なぜならそこから他国からの支援を直接受け取れ、輸送する手間が省けるのだ。
わざわざ海に隣接させると上昇するための時間が短くなってしまうが、そこは防空圏をもっと広げることで対策した。結構な力技であるが。
だがこれらのおかげでそらむすめは早く離陸するのに慣れ、輸送を効率化できたため一石二鳥である。
「多分ね!便利だよねぇ〜こういうタイプのやつ。」
そう話しているとF6Fの無線が光る。
F6Fが手に取ると、ニヤッと笑う。
「噂をしたらなんとやらだよ、ZERO!」
そう言ったF6Fは五二型の手を引いて歩き始めた。
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五二型は港に着いた船を見上げる。
「えぇ…アメリカはこんな大きな船を軽々と寄越してくるの…?」
「まぁ資源もあるし、こういうところは手を抜かないよね〜」
F6Fはさも当然のように言う。いや、アメリカでは当然なのだから仕方ないであろうが。
荷物がどんどん積み下ろされてくる。
圧倒されそうなほど一つ一つが大きい荷物を五二型はただ見るしかなかった。
「ヘル…これって全部あんたの…?」
「いや〜?全部ではないよ?あ、でも今下ろされてるのは大体私の!」
F6Fの言葉に五二型は頷いた。
そんな中、船から声が聞こえた。
「もう随分仲良しになって…」
その声の主と思われるメガネをかけた少女が船から二人を覗きこんでいた。
その隣にも少女と思われる影が見える。
メガネをかけた少女が背負ってるユニットの翼はカモメの羽のように折れ曲がっていた。
「お、コルセアー!」
F6Fがそう呼んだ。少女はもちろん米海軍の艦上戦闘機F4U“コルセア”だった。
F4Uは船の甲板から飛び降りて二人の目の前に着地する。
「おっと。…それで、貴方がZEROですか?私はF4Uコルセアです。」
「あ、はい。私は零戦五二型です。これからよろしく…」
F4Uと五二型がお互いに軽くお辞儀する。
その時だった。
またもや甲板から声が聞こえた。
「ちょっと置いてけぼり??私も仲間に入れてよ〜?」
スタッと降りてきたその少女はF6Fにそっくりだった。
「Sorry!でもいいじゃんお姉ちゃん?」
F6Fがそう言った。彼女はF6Fの姉、F4F“ワイルドキャット”だ。
「米海軍が一気に増えた…」
思わずそう五二型が呟いた。
そんな五二型を見てF6Fは笑った。
「あっははは〜!本当は私も一緒に来る予定だったんだよ〜?」
「だから問題なんでしょう…」
F4UはF6Fにため息をつくように言い放つ。
そんな中、F4Fだけは五二型の顔をまじまじと見ていた。
「ん〜?ZEROだけどZEROじゃない…?」
「…え?」
F4Fの言葉に五二型は思わず声を漏らす。
そんな五二型の反応を見てF4Fは納得したように目を細める。
「あぁ〜なるほど〜…あれでしょ?ZEROはZEROでも21のsister?似てるねぇ〜」
F4Fはちょっとにやけてそう言った。
その言葉に五二型は驚いた。
「え、二一姉さんを知ってるの!?」
「そうだよ、前に空母で過ごしてた時にね。海の上で迷っちゃってさ〜…そこでJapanのところで一時的に休ませてもらったの。そこに21がいてさ〜?」
F4Fはどこか少々懐かしそうに五二型へ話した。
「というより、ヘルキャット。」
その最中でF4UがF6Fに話しかけた。
「んえ?なーに?」
「なーにじゃないです。…説明もなしに飛び去っていったのはなんでですか?せめて説明を残して飛んでくださいよ…なんですか嫌な予感って…気持ちはわかりますけど。」
そう言ってF4Uが詰め寄る。
「Oh sorry!ごめんってコルセア!でも結果的にZERO助けれたし!ね?」
F6FはF4Uに弁明するように謝る。
「ヘルは反省してるのかしてないのかわかんない…」
五二型はそれを横目にポツリと呟いた。
そうしてるうちにも荷物が積み上がっていく。
「も、もうこんなに…雑談するより早く運びましょう。」
F4Uのその一言を聞いて全員荷物を運ぼうとし始める。
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そうしている中、いつのまにか夕暮れになっていた。
そんな中で五二型は、教室で項垂れていた。
「…あっちゃあ…その様子だと苦労しちゃった感じ?」
二二型がそう五二型に話しかける。
「二二姉さん…まぁ…そうかなぁ…」
五二型は疲れた様子で返事をする。
二二型は椅子を引いて座り込む。
「そんなに疲れるの?」
「いや…本当に運ぶ量が多くてさ…」
「おぉ…さすがアメリカだなぁ…」
二二型は相槌を打ちながら耳を傾ける。
「うーん…あとは文化の違いなのかテンションが高めでさ…ついていけないというか…環境なのか基礎体力の差とかなのかは分からないけど…」
「なるほどねぇ…」
二二型は五二型の話を聞きながら静かに頷く。
「これから上手くやっていけるのかなぁ…」
五二型はそんな一抹の不安を抱えてポツリと呟いた。
その様子を見て二二型はうーむと首をひねる。
「…別に深く考えすぎない方がいいんじゃない?私は仲間が増えて楽しそうだし!」
その言葉を聞いて五二型はちょっとだけ姿勢を起こす。
「そうだよね…そう考えた方がいいのはわかるんだけどね…ん〜…あんまり上手く言えなかったなぁ…」
そう五二型がボヤきながらも起き上がった。
「そう言わないでよ〜、五二の言いたいことは分かったからさ!」
「…そう…?…ありがとう。」
五二型は二二型の言葉に感謝を返す。
夕暮れだった窓の外にはもう月が輝いていた。
6話を見てくれてありがとうございます。作者です。
一気に増えました。ちゃんと活躍させれるかという若干の不安があります。
次回もよろしくお願いします。




