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ホスト転生  作者: 阿門 甲斐吽


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【第52話】爆炎の屈服


 崩壊(ほうかい)(はじ)めた『爆炎(ばくえん)魔宮(まきゅう)』の玉座(ぎょくざ)()は、かつての荘厳(そうごん)熱気(ねっき)とは(こと)なる、どす(ぐろ)妖艶(ようえん)魔力(まりょく)波動(はどう)支配(しはい)されていた。


 魔王軍(まおうぐん)四天王(してんのう)一角(いっかく)火炎公爵(かえんこうしゃく)フレアロードは、自身(じしん)(はな)った最大(さいだい)火力(かりょく)(ほのお)をシオンに片手(かたて)圧縮(あっしゅく)された光景(こうけい)(まえ)に、完全(かんぜん)戦意(せんい)喪失(そうしつ)していた。


 その巨躯(きょく)恐怖(きょうふ)によって(はげ)しく(ふる)え、流動(りゅうどう)する溶岩(ようがん)(よろい)は、シオンの(はな)漆黒(しっこく)支配(しはい)(ひかり)()れた瞬間(しゅんかん)から、ボロボロと()がれ()ちていく。


「な、(なん)だ、この魔力(まりょく)は……。()(ほのお)が、内側(うちがわ)から(つめ)たく()りつぶされていく……っ!」


 フレアロードは(あたま)(かか)え、地面(じめん)(ひざ)()いた。(かれ)体内(たいない)(なが)れる純粋(じゅんすい)火炎(かえん)魔力(まりょく)へ、シオンの「(せい)捕食者(ほしょくしゃ)」としての能力(のうりょく)が、愛欲(あいよく)(どく)となって急速(きゅうそく)侵入(しんにゅう)していた。


 それは肉体(にくたい)破壊(はかい)する痛撃(つうげき)ではなく、(たましい)根源(こんげん)魔力(まりょく)(かく)直接(ちょくせつ)、ドロドロの快楽(かいらく)絶対(ぜったい)支配(しはい)(くさり)(しば)()げる、(あらが)(がた)精神(せいしん)侵食(しんしょく)だった。


四天王(してんのう)ともあろう(もの)が、その程度(ていど)(どく)(こえ)()げるか。お(まえ)のその強固(きょうこ)自尊心(じそんしん)(ほこ)(たか)()が、(おれ)(やみ)()まっていく(さま)は、(じつ)見応(みごた)えがあるな」


 シオンは冷酷(れいこく)()みを(うか)かべ、フレアロードの(まえ)にゆっくりと(こし)()ろした。


 その背後(はいご)には、深層刻印(しんそうこくいん)(かがや)きをさらに()した七人(ななにん)美女(びじょ)たちが、冷徹(れいてつ)な、そしてどこか興奮(こうふん)(はら)んだ(ひとみ)で、四天王(してんのう)()ちていく(さま)()つめている。


「シオン(さま)、この(あわ)れな(ほのお)のデクノボーを、どのように料理(りょうり)いたしますか?」


 ダークエルフのシェリアが、首筋(くびすじ)刻印(こくいん)(あや)しく明滅(めいめつ)させながら(あゆ)()た。


 彼女(かのじょ)()双剣(そうけん)が、フレアロードの首筋(くびすじ)(つめ)たく()でる。


「かつては魔王軍(まおうぐん)(おお)きな(つら)をしていた四天王(してんのう)が、(いま)やシオン(さま)足元(あしもと)(いぬ)のように(ふる)えている。ふふ、愉快(ゆかい)ですね。(わたし)(おな)じように、その()(こころ)も、徹底的(てっていてき)にシオン(さま)(いろ)()()げてしまいましょう」


()て、シェリア。こいつの調教(ちょうきょう)には、ルビリアの(ちから)使(つか)うのが一番(いちばん)効果(こうか)(てき)だろう」


 シオンが視線(しせん)(うなが)すと、(ふと)ももの内側(うちがわ)刻印(こくいん)()つサキュバスのルビリアが、艶然(えんぜん)とした()みを()かべて(まえ)()た。


 彼女(かのじょ)背中(せなか)にある淫魔(いんま)(つばさ)が、嬉々(きき)として小刻(こきざ)みに(ふる)えている。


「お(まか)せください、シオン(さま)。いくら強靭(きょうじん)肉体(にくたい)精神(せいしん)()った四天王(してんのう)といえど、あなた(さま)絶対(ぜったい)支配(しはい)魔力(まりょく)()ざった(わたし)魅了(みりょう)からは、絶対(ぜったい)(のが)れられませんわ」


 ルビリアはフレアロードの(まえ)(ひざ)()くと、その(おお)きな(かお)両手(りょうて)(やさ)しく(つつ)()んだ。


 彼女(かのじょ)指先(ゆびさき)から、シオンの魔力(まりょく)同調(どうちょう)した紫黒色(しこくしょく)の「愛欲(あいよく)(どく)」が、フレアロードの脳髄(のうずい)へと直接(ちょくせつ)(そそ)()まれる。


「さあ、偉大(いだい)なる火炎公爵(かえんこうしゃく)(さま)。その(あつ)(ほのお)を、シオン(さま)のためだけの、(あま)快楽(かいらく)火種(ひだね)()えてしまいなさい。あなたを(しば)魔王(まおう)への忠誠(ちゅうせい)など、この極上(ごくじょう)(よろこ)びの(まえ)には(なん)意味(いみ)()たないのですから」


「う、あぁぁぁぁッ……!!」


 フレアロードの(くち)から、(すさ)まじい絶叫(ぜっきょう)()がった。だが、それは苦痛(くつう)(さけ)びではなかった。


 (かれ)(ひとみ)次第(しだい)焦点(しょうてん)(うしな)い、どろりとした欲情(よくじょう)(いろ)()まっていく。


 全身(ぜんしん)溶岩(ようがん)(よろい)完全(かんぜん)消滅(しょうめつ)し、露出(ろしゅつ)した褐色(かっしょく)(はだ)には、シオンの支配(しはい)(しめ)紫黒色(しこくしょく)紋様(もんよう)が、まるで()(もの)のように急速(きゅうそく)()(まわ)り、()()けられていった。


 火炎公爵(かえんこうしゃく)としてのプライド、数千(すうせん)(ねん)にわたり(きづ)()げてきた魔族(まぞく)としての(ほこ)りが、シオンの邪悪(じゃあく)魔力(まりょく)によって、内側(うちがわ)から徹底的(てっていてき)破壊(はかい)され、都合(つごう)()奴隷(どれい)精神(せいしん)へと()()えられていく。


「あ、は……シオン、(さま)……。()が、絶対(ぜったい)の、(あるじ)……。(わたし)は、あなたの、(いぬ)……」


 フレアロードは、(よだれ)(なが)しながら地面(じめん)(ひたい)()()けた。


 かつて一国(いっこく)恐怖(きょうふ)(おとしい)れた四天王(してんのう)面影(おもかげ)はそこにはなく、ただシオンの足元(あしもと)(ゆる)しと快楽(かいらく)()う、(あわ)れな調教(ちょうきょう)()みの(けもの)(よこ)たわっていた。


「フハハハハ! 見事(みごと)()ちっぷりだな、フレアロード! お(まえ)のその(ほのお)魔力(まりょく)、これからは(おれ)要塞(ようさい)動力源(どうりょくげん)として、そして()軍勢(ぐんぜい)(こま)として、()ぬまで使(つか)(つぶ)してやる」


 シオンの狂気(きょうき)(てき)高笑(たかわら)いが、半壊(はんかい)した魔宮(まきゅう)(ひび)(わた)る。


 完全(かんぜん)にフレアロードを屈服(くっぷく)させたシオンのもとへ、後方(こうほう)戦況(せんきょう)管理(かんり)していたリーナが(あゆ)()った。


「シオン、火炎公爵(かえんこうしゃく)フレアロードの完全(かんぜん)制圧(せいあつ)により、この『焦熱(しょうねつ)火山地帯(かざんちたい)』の(すべ)ての資源(しげん)、および残存(ざんぞん)する魔兵(まへい)一万(いちまん)以上(いじょう)が、()(ぐん)支配下(しはいか)(はい)りました。要塞(ようさい)へのエネルギー供給路(きょうきゅうろ)確立(かくりつ)され、出力(しゅつりょく)従来(じゅうらい)五百(ごひゃく)パーセントを()えたわ」


上出来(じょうでき)だ、リーナ。お(まえ)たちの刻印(こくいん)も、この火山地帯(かざんちたい)魔力(まりょく)()()げて、さらに馴染(なじ)んできたようだな」


 シオンが()(かえ)ると、アルテミシアやルミナリアたちが、その豊満(ほうまん)肉体(にくたい)(かす)かに(ふる)わせながら、シオンに(あつ)視線(しせん)(おく)っていた。


「シオン(さま)……。この()()たす熱気(ねつき)が、(すべ)てあなた(さま)との(まじ)わりの余韻(よいん)のように(かん)じられて……身体(しんたい)(おく)が、ずっと(あつ)くて、(たま)らないのです……」


 アルテミシアが、(うる)んだ(ひとみ)自身(じしん)胸元(むねもと)()きむしるようにしながら、シオンにおねだりの視線(しせん)()ける。


「ふふ、アルテミシアったら、もう我慢(がまん)できないの? (わたし)だって、シオン(さま)魔力(まりょく)で、もっとめちゃくちゃにされたいんだから」


 ルミナリアもまた、妖艶(ようえん)()みを()かべてシオンの(うで)(から)みついた。


「クフフ、()いだろう。この魔宮(まきゅう)完全(かんぜん)掌握(しょうあく)した記念(きねん)だ。お(まえ)たち全員(ぜんいん)に、(ふたた)(おれ)の『(あい)』を(ふか)(きざ)()んでやる。フレアロード、お(まえ)城門(じょうもん)(まえ)で、番犬(ばんけん)として周囲(しゅうい)警戒(けいかい)していろ」


(おお)せのままに……()(かみ)、シオン(さま)……」


 完全(かんぜん)理性(りせい)(うしな)ったフレアロードは、玉座(ぎょくざ)()()ていき、城門(じょうもん)(まえ)忠実(ちゅうじつ)(いぬ)として(ひざまず)いた。


 そして、爆炎(ばくえん)魔宮(まきゅう)奥深(おくふか)くで、(ふたた)淫靡(いんび)濃厚(のうこう)儀式(ぎしき)(はじ)まる。


 シオンは衣服(いふく)()()て、七人(ななにん)美女(びじょ)たちの肉体(にくたい)を、次々(つぎつぎ)(むさぼ)るように(つらぬ)いていった。


 火山地帯(かざんちたい)濃厚(のうこう)魔力(まりょく)吸収(きゅうしゅう)した彼女(かのじょ)たちの胎内(たいない)は、以前(いぜん)よりも(はる)かに敏感(びんかん)になっており、シオンの荒々(あらあら)しい()()げを()けるたびに、魔宮(まきゅう)()れるほどの膨大(ぼうだい)魔力(まりょく)火花(ひばな)()()らした。


「あぁっ! シオン(さま)(すご)い、(まえ)よりも(はげ)しくて、(あたま)がどうにかなっちゃいそうですっ!」


 ルミナリアが()つん()いになり、シオンの(はげ)しい(こし)使(つか)いに()わせ、絶頂(ぜっちょう)悲鳴(ひめい)()げる。


 (つづ)いて、サキュバスのルビリア、ダークエルフのシェリア、そしてアルテミシアが、シオンの圧倒的(あっとうてき)征服欲(せいふくよく)(どく)(おか)され、玉座(ぎょくざ)(うえ)幾度(いくど)()て、快楽(かいらく)(なみ)(おぼ)れていく。


 (まじ)わりが()わり、全員(ぜんいん)がシオンの魔力(まりょく)余韻(よいん)(ひた)りながら(ゆか)(よこ)たわる(なか)、リーナが魔導(まどう)端末(たんまつ)操作(そうさ)し、(つぎ)なる標的(ひょうてき)のホログラムを投影(とうえい)した。


火山地帯(かざんちたい)掌握(しょうあく)により、(つぎ)なる四天王(してんのう)海王(かいおう)リヴァイアの統治(とうち)する『深海(しんかい)大結界(だいけっかい)』への進軍(しんぐん)ルートが確保(かくほ)されました。(やつ)らは我々(われわれ)火山地帯(かざんちたい)攻略(こうりゃく)察知(さっち)し、すでに結界(けっかい)防衛(ぼうえい)最大(さいだい)(たか)めているようだわ」


 投影(とうえい)された(あお)(かがや)広大(こうだい)海原(うなばら)地図(ちず)()つめ、シオンは漆黒(しっこく)外套(がいとう)羽織(はお)り、不敵(ふてき)(わら)った。


「クフフ、(うみ)()(もの)どもか。(おれ)(どく)が、広大(こうだい)(うみ)をどれほど(くろ)()()げられるか、(いま)から(たの)しみだな。()くぞ、お(まえ)たち。魔王(まおう)(くび)()()に、まずは四天王(してんのう)(すべ)て、(おれ)奴隷(どれい)にしてやる」


(おお)せのままに……()絶対(ぜったい)(あるじ)よ」


 七人(ななにん)美女(びじょ)たちの、狂信(きょうしん)()ちた(こえ)魔宮(まきゅう)(ひび)(わた)る。





(だい)53()(つづ)





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