表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホスト転生  作者: 阿門 甲斐吽


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/69

【第51話】焦熱の支配者


 プログレスの(ひき)いる五千(ごせん)精鋭(せいえい)文字通(もじどお)(はい)にしたシオンと七人(ななにん)美女(びじょ)たちは、()(さか)大地(だいち)()(すす)み、焦熱(しょうねつ)火山地帯(かざんちたい)最深部(さいしんぶ)へと到達(とうたつ)していた。


 ()(まえ)にそびえ()つのは、赤黒(あかぐろ)溶岩(ようがん)(たき)のように(なが)()ちる、不気味(ぶきみ)脈動(みゃくどう)する巨大(きょだい)岩山(いわやま)


 火炎公爵(かえんこうしゃく)フレアロードの居城(きょじょう)爆炎(ばくえん)魔宮(まきゅう)』である。


 周囲(しゅうい)熱気(ねつき)はプログレスと交戦(こうせん)した境界線(きょうかいせん)()ではなく、ただそこに(たたず)むだけで衣服(いふく)自然(しぜん)発火(はっか)しかねない極限(きょくげん)環境(かんきょう)だった。


 だが、シオンを先頭(せんとう)(あゆ)彼女(かのじょ)たちの(はだ)には、一滴(いってき)(あせ)すら()かんでいない。


 アルテミシアの背中(せなか)、ルミナリアの下腹部(かふくぶ)、リーナの(ひたい)、ルナリスの両腕(りょううで)、セレナの胸元(むなもと)、シェリアの首筋(くびすじ)、ルビリアの(ふと)もも。


 それぞれの秘部(ひぶ)(あや)しく脈動(みゃくどう)する紫黒色(しこくしょく)の『刻印(こくいん)』が、周囲(しゅうい)超高熱(ちょうこうねつ)をそっくりそのまま、彼女(かのじょ)たちを()(うご)かす悦楽(えつらく)魔力(まりょく)へと変換(へんかん)していた。


 (さき)ほどの蹂躙劇(じゅうりんげき)(あるじ)への絶対(ぜったい)忠誠(ちゅうせい)証明(しょうめい)し、さらなる全能感(ぜんのうかん)()たされた彼女(かのじょ)たちは、その(ひとみ)濃密(のうみつ)欲情(よくじょう)残忍(ざんにん)(ひかり)宿(やど)し、(つぎ)なる獲物(えもの)(もと)めていた。


「クフフ、ずいぶんと歓迎(かんげい)されているようだな」


 シオンが嘲笑(ちょうしょう)()かべた瞬間(しゅんかん)魔宮(まきゅう)巨大(きょだい)城門(じょうもん)轟音(ごうおん)()てて(ひら)き、(なか)から(あふ)()んばかりの熱気(ねつき)(とも)に、一人(ひとり)魔族(まぞく)姿(すがた)(あらわ)した。


 全身(ぜんしん)流動(りゅうどう)する溶岩(ようがん)(よろい)(かた)め、頭上(ずじょう)には()(さか)(ほのお)(かんむり)(いただ)巨漢(きょかん)


 (かれ)こそが、魔王軍(まおうぐん)四天王(してんのう)一角(いっかく)火炎公爵(かえんこうしゃく)フレアロード。


 その背後(はいご)には、(さき)軍勢(ぐんぜい)(はる)かに(しの)ぐ、火炎(かえん)魔獣(まじゅう)岩石巨兵(がんせききょへい)構成(こうせい)された一万(いちまん)近衛兵団(このえへいだん)が、厳重(げんじゅう)陣形(じんけい)()いて(ひか)えている。


「プログレスを瞬殺(しゅんさつ)したと(おも)えば……バルゴスを(やぶ)り、()領地(りょうち)(おか)不届(ふとど)(もの)が、よもや人間(にんげん)(おとこ)だったとはな」


 フレアロードの(こえ)は、まるで火山(かざん)噴火(ふんか)するかのような重低音(じゅうていおん)となって空間(くうかん)(ふる)わせた。


 その双眸(そうぼう)は、シオンの(うし)ろに(ひか)える七人(ななにん)美女(びじょ)たちを冷酷(れいこく)見据(みす)える。


「そこの(おんな)ども!……(はな)魔力(まりょく)尋常(じんじょう)ではないな。だが、()焦熱(しょうねつ)絶対(ぜったい)領域(りょういき)においては、いかなる(てき)()ようとも()(ほのお)苗床(なえどこ)()ぎん。人間(にんげん)風情(ふぜい)にその()(ゆだ)ねた愚行(ぐこう)()爆炎(ばくえん)(つゆ)となって()いるが()い!」


面白(おもしろ)い。お(まえ)のその傲慢(ごうまん)が、いつまで()つか()ものだな」


 シオンは不敵(ふてき)微笑(ほほえ)み、一歩(いっぽ)(うし)ろへと()がった。


「お(まえ)たち、その自称(じしょう)絶対(ぜったい)(ほのお)魔族(まぞく)に、(おれ)(あた)えた(ちから)がどれほどのものなのか存分(ぞんぶん)()せてやれ」


御意(ぎょい)(あるじ)(てき)に、容赦(ようしゃ)なき絶望(ぜつぼう)を」


 アルテミシアが冷徹(れいてつ)(こえ)(ひび)かせ、先陣(せんじん)()って跳躍(ちょうやく)した。


 背中(せなか)刻印(こくいん)から()()した紫黒色(しこくしょく)光翼(こうよく)が、火山地帯(かざんちたい)(あか)(そら)侵食(しんしょく)するように(ひろ)がる。


 彼女(かのじょ)神速(しんそく)大剣(たいけん)()()ろすと、最前線(さいぜんせん)にいた岩石巨兵(がんせききょへい)集団(しゅうだん)が、一撃(いちげき)粉々(こなごな)(くだ)()った。


(わたし)呪詛(じゅそ)からは、()れであろうと(にげら)れないわよ?」


 セレナが胸元(むなもと)刻印(こくいん)(はげ)しく発光(はっこう)させ、両手(りょうて)(かか)げる。


 彼女(かのじょ)指先(ゆびさき)から(はな)たれたのは、熱気(ねつき)さえも(こお)りつかせるような、黒紫色(こくしよく)波動(はどう)だった。


 フレアロードが使役(しえき)する火炎(かえん)精霊(せいれい)たちは、その(のろ)いを()けたとたん、(みずか)らの(ほのお)制御(せいぎょ)できずに暴走(ぼうそう)し、周囲(しゅうい)味方(みかた)()()みながら次々(つぎつぎ)自爆(じばく)していった。


「あはは! どんどん()えちゃえ、いや、()けちゃえー!」


 ルミナリアが下腹部(かふくぶ)刻印(こくいん)明滅(めいめつ)させ、周囲(しゅうい)溶岩(ようがん)(かわ)そのものを自身(じしん)魔力(まりょく)()()った。


 彼女(かのじょ)操作(そうさ)によって逆流(ぎゃくりゅう)した溶岩(ようがん)津波(つなみ)が、フレアロードの近衛兵団(このえへいだん)容赦(ようしゃ)なく()()んでいく。


 (ほのお)耐性(たいせい)()つはずの魔兵(まへい)たちが、シオンの「支配(しはい)(どく)」が()ざった溶岩(ようがん)()れた瞬間(しゅんかん)肉体(にくたい)だけでなく精神(せいしん)まで腐食(ふしょく)させられ、悶絶(もんぜつ)(こえ)()げて消滅(しょうめつ)していく。


 ルナリスの(こぶし)空気(くうき)爆裂(ばくれつ)させ、シェリアの(かげ)双剣(そうけん)(ひかり)()()く。


 リーナの遠隔爆撃(えんかくばくげき)魔宮(まきゅう)防壁(ぼうへき)正確(せいかく)()()き、ルビリアの魅了(みりょう)魔眼(まがん)(てき)指揮官(しきかん)たちを(くる)わせ、同士討(どうしう)ちを(はじ)めさせる。


 わずか十数分(じゅうすうふん)のうちに、一万(いちまん)(ほこ)ったフレアロードの近衛兵団(このえへいだん)は、(かげ)(かたち)もなく壊滅(かいめつ)していた。


「な、(なに)が、(なに)()きている……!? ()精鋭(せいえい)たちが、これほど容易(たやす)く……!」


 フレアロードの(かお)が、驚愕(きょうがく)恐怖(きょうふ)(ゆが)む。


 自身(じしん)絶対(ぜったい)(てき)優位性(ゆういせい)が、たった七人(ななにん)(おんな)たちの()によって、(しん)じられないほどの速度(そくど)蹂躙(じゅうりん)されていく。


 しかも、彼女(かのじょ)たちの攻撃(こうげき)根底(こんてい)にある魔力(まりょく)は、かつて(かん)じたことのない、(そこ)なしの階層(かいそう)から()()るような淫靡(いんび)冷酷(れいこく)な「支配(しはい)」の波動(はどう)だった。


「クフフ、四天王(してんのう)とやらの実力(じつりょく)も、この程度(ていど)か」


 シオンがゆっくりと、(あゆ)()る。


 その圧倒的(あっとうてき)覇気(はき)(まえ)に、フレアロードは本能(ほんのう)(てき)恐怖(きょうふ)(おぼ)え、(おも)わず後退(あとずさ)りした。


「お、おのれぇ! ()めるなよ、人間(にんげん)風情(ふぜい)がぁぁッ!」


 フレアロードは絶叫(ぜっきょう)し、自身(じしん)全魔力(ぜんまりょく)解放(かいほう)した。


 魔宮(まきゅう)全体(ぜんたい)から爆炎(ばくえん)()()れ、(かれ)右腕(みぎうで)超巨大(ちょうきょだい)火炎(かえん)球体(きゅうたい)形成(けいせい)される。


 火山地帯(かざんちたい)のすべての熱量(ねつりょう)集約(しゅうやく)した、一国(いっこく)文字通(もじどお)消滅(しょうめつ)させうる一撃(いちげき)


()ねぇーいッ!」


 (はな)たれた究極(きゅうきょく)爆炎(ばくえん)が、シオンを完全(かんぜん)()()んだかに()えた。


 だが、(すさ)まじい爆発(ばくはつ)(けむり)()れた中心(ちゅうしん)で、シオンは(きず)(ひと)つなく、ただ愉悦(ゆえつ)()みを()かべて()っていた。


 (かれ)右手(みぎて)には、フレアロードの(はな)った最大(さいだい)火力(かりょく)(ほのお)が、(ちい)さな紫黒色(しこくしょく)球体(きゅうたい)へと圧縮(あっしゅく)され、(もてあそ)ばれるように(ころ)がっている。


「な、(なん)だと……!? ()最大(さいだい)火力(かりょく)(ほのお)を、素手(すで)で……!?」


()ったはずだ、おまえのその傲慢(ごうまん)さがいつまで()つのかと。お(まえ)のその強固(きょうこ)肉体(にくたい)とプライドが、(おれ)(どく)にどこまで()えられるのか(いま)からじっくりと(ため)してやる」


 シオンの(ひとみ)が、漆黒(しっこく)支配(しはい)(ひかり)(はな)ちフレアロードの絶望(ぜつぼう)()ちた絶叫(ぜっきょう)が、崩壊(ほうかい)(はじ)めた爆炎(ばくえん)魔宮(まきゅう)に、(むな)しく(ひび)(わた)る。





(だい)52()(つづ)





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ