第23話 共同錬成おぁよ記念日
それから、私はボックスから素材出して錬金術とかしたら、彼が魔法で再現して錬金術を覚えた。
魔法適正が高いらしいとは聞いていたがとんでもない奴である。
彼は錬金術で器用にアニメーションを作っている。最初は何やら入力していたのに、いつの間にもう入力すら必要無くなっているのだ!
彼は魔法を作っている。もう何時間経ったのか。
私はお父さんのために焼き鳥を焼いたりブリを塩焼きしたり、できた魔法を覚えたり。
「ねえもうここに住みたいんだけど」
「ていうかねむう」
「寝ていーよ。僕まだ作業中」
「襲われそうならアラーム鳴らします!」
「ええしないよ?僕ノッテ一筋」
ちょ。犬派から猫派にまさかの乗り換え。
「ノッテ超可愛いもんねー。ノッテお膝おいでー」
「にゃー」
とか言ってノッテを左手で撫でつつ佐々木さんはパソコンから目を離さない。
そうか。この人夢中になったら止まらない系なんだ。周りが見えなくなるんだ。
チートバレの心配がない安全な場所で、誰かとこんな風に秘密を共有しながら作業するなんて、ニート時代には考えられなかった。この共同作業が、短時間で私の警戒心を溶かしているのかも。
私はインベントリにある猪の皮を錬金術レシピに従って革にした。プールサイドにデッキチェアを作り革を張って仕上げ、その上に寝る。
「関屋さん関屋さん。ねえ、起きて。お待たせしてごめんね。関屋さんてば」
少し離れた所から佐々木さんが声をかけて来た。
「おぁよ」
私は目をこすりながら起き上がる。
「わー。やばあ。おぁよだって。かぁわいぃ。関屋さんの寝起き可愛いでちゅねー」
うぜえ!この上なくうぜえ!!
「おはようございます。佐々木さん。私の時間にお帰りをご希望ですか?少々お待ちくださいね」
「ちょ、まじでごめんて。壁作るのやめて。傷つくから!揶揄ったの謝るから!」
佐々木さんは両手を擦り合わせて私に拝み倒す。
「僕お腹すいたから帰っていちご消費に貢献しようと思って!今なら3パックはいけるよ!」
待て待て!ご飯がいちごとかなんなの!
「ご飯ちゃんと食べなよ。錬金術覚えたでしょ?材料あげるから」
「ええ。ここ調理器具無いし僕ご飯のレシピないもん」
私はナビさんにやり方を聞いてレシピを共有し、材料をあげた。
「何で筋肉飯なの」
中山田きんにく君が考案した筋肉飯である。
「一番健康に良さげだから!!」
土魔法で作ったグラタン皿、底にオートミール米化を敷き詰め、その上にキャベツ、茹でた鶏胸肉、ブロッコリー、茹で卵を乗せてマヨネーズをガーっとかけ、醤油をかけた。
ちなみに中山田きんにく君は調味料をかけない。
佐々木さんは火魔法をバーナーにしてマヨネーズを焼く。うわあ!グツグツが美味しそう!
「筋肉マヨドリア!君もどうぞ!」
「ありがとう!」
おお!見ていた私の方にまで新しいレシピが登録された様だ!
そして、佐々木さんは勢いよくかっこむ。
「あち。あち。うまー。マヨ醤神だわー。オートミールの可能性を見たね!このプチプチ感よ!米化考えた人天才か!しかも超早うま!麦が米に勝った瞬間だね!」
オートミール信者がここに爆誕した。
いや、でも勝ってはないよね?!
空腹は最高のスパイスか!!
「美味しい!佐々木さんアレンジ力素晴らしいね!」
『バーナーで焼いただけでござるよ!』
ナビさんが二人でややこしいので、次まで名前を考えてくるのを宿題にした。
『報酬 共同錬成記念 魔法図鑑 佐々木蒼太好感度大幅アップ』
「わ!魔法図鑑だって!!」
私達はお互いの魔法を確かめて無いやつを送り合った。
「すっご。何この魔法の数」
魔法図鑑に佐々木さんの作ったCGが表示される。これを今のこの間に作ったの?!
「発動エフェクトだけの短いやつだし、今回作ったのは既存の設定がしっかりしてる有名な魔法ばっかりだよ」
「天才かも?」
「へへ。そんな煽てるなよ」
あらやだめっちゃ嬉しそう。
佐々木さんが魔法創造っていうスキルをゲットしたみたい。
「ご馳走様でした!帰ろ」
「そうだね。キリがないもんね。楽しかった。ありがとうね」
「次はカリクも連れて来てあげて!」
「やったあ!関屋さんめっちゃ優しいね!!」
佐々木さんは満面の笑みで私に言った。
裏表は激しいけど思いの外素直そうな奴である。




