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Creator of the world  作者: andras
進化する島
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「いったい何をしているんじゃ?」

ベーグはコウキがロングソードを振っている姿を見ていた。しかも色々な剣戟を試している。そして何度か試したかと思うとまた剣に火を入れて打ち直してはまた剣を振っていた。何度も何度も打ち直しているコウキの姿を見てベーグはやっと理解することが出来た。打ち直すたびに剣の形が変わっていたのだ。

「そうか分かったぞコウキ様は自分に合う完璧な形を追求しているんじゃ」

コウキの姿を見てベーグは真の武器というものを理解した。それはどんな装飾でもなく鋭い切れ味でもない。使用者が使いやすい剣かどうかなのだ。体に馴染み重すぎず軽すぎず自然に馴染む剣それでいて剣の性能が高い物こそ最高の業物でありかつての剣豪たちが使い込んだ名刀であった。それゆえに歴史に残る名刀を使いこなせる継承者は現れなかったのだ。どれだけ修行しても研鑽を重ねてもかつて鬼と恐れられた伝説の傭兵でさえ国に伝わる秘伝の名刀は使いこなすことが出来なかったのだ。それは簡単な話だ。その件が人に合っていなかったのだ。どれだけ技の優れた剣豪でも死闘を繰り広げれば少しのずれが大きなズレを生み出す。体にきずかない癖がその剣の性能を下げるのだ。コウキは図らずも自分だけの一振りにこだわっていた。オーダーメイドにこだわったのだ。それはコウキの頑固さからであり人が使ったものなど使いたくないという部分潔癖な考えゆえにすべての人が使える万能の一振りよりも各々か使いやすい形に作り替え渡してきたのだ。

ベーグは初めて武器作りの神髄を見た気がした。

「あれで正解なんじゃわしは今まで何を作っていたんじゃ」

「どうしたんですか親方そろそろ研ぎ出すぞ」

「グロッテよその剣はだめじゃそんなものではだめだったんじゃ」

「どうしたんですか親方この剣は今までにない素晴らしい一品ですよ」

グロッテはいきなり言われた親方の言葉が全く分からなかった。今回親方が作り上げたのは予算度外視でふんだんに材料を使って打ったかなりの業物に仕上がった。太さと切れ味のギリギリのラインを攻めこの剣であれば大きな岩でも断ち切る事が出来るであろう。

「それに今から打ち直すとなってもこの剣どうするんですかかなり鉄鉱石も使ってるし今から作り直すとなると予算がかかり過ぎますよ親方」

「そうじゃな今回の勝負はワシの負けじゃ物資でもコウキ殿に迷惑をかけるわけにはいかんお前たちはコウキ様の技をしっかりと見ておくんじゃぞあれは神の領域に達して折る」

そのころコウキはベーグ達が陰から見ているなどつゆ知らずやっと自分に合うバランスを見つけ出すことが出来た。意外と時間が掛かったため早く作り上げなければいけない。

「ふぅやっぱり慣れてないと大変だな皆の時はすぐに見分けることが出来たんだけどやっぱり俺には向いてないな」

コウキは急いで材料を取りに行った。今回は全力と言われたのでコウキがこの島に来てから今に至るまでに得た知識を総動員することに決めた。マナクリスタルにレアメタルそして鉄鉱石など分量を見極めながら溶かして一つのインゴットを作り上げていく。

そしてフォースアイアン、魔鉄鋼よりもさらに希少なインゴットを作り出した。インゴットにすると虹色に輝いていた。硬いフォースアイアンと柔らかいフォースアイアンを二種類作り上げていく。そして火を入れると愛用のハンマーで叩いて伸ばしていく。伸ばしては畳んでを繰り返していき練度を増していく。自分に納得のいくバランスになると硬いアイアンと柔らかいアイアンを一緒にして一つの刀に仕上げていった。レアメタルやマナクリスタルの他にハンマーでコウキの魔力を全力で打ち込んでいったため刀に込められた魔力がどんどん増していった。属性は無で使用者の魔力に合わせて変わるようにしておいた。しかもこの魔剣かなり特殊で使用者に合わせて形が変わるようになっていた。最初はコウキに合わせてあるがいずれコウキの子供が使うことになった時に練習に使えると思って作り上げた。さぁ仕上げの焼き入れだ。ここで日本刀独特の反りが出て来るわけだ。コウキは焼き入れをしていった。そして刀をとり出すと見事な波紋と反りのある美しい刃が見えていた。

「完璧じゃないかこれは凄いぞ」

コウキはしっかりと冷やした後柄に鍔を付けて反りに合わせた鞘を作っていく。日本刀はこの鞘に入っている姿が一番かっこいいとコウキは思っている。鞘にヘイゼル工房のマークである二頭の羊を掘って完成だ。素晴らしい出来だ。鞘に漆を塗っていないので黒く光っていないのが残念だが魔法をかけてなるべく近づけた。長く使いたいからね。

さて自信作を持ってベーグ達の方に向かおうとするとなぜか皆集まっていてコウキの事を見ていた。しかも何故かベーグは泣いていた。しかも号泣だった。

「おいおいどうしたんだよベーグ大丈夫か?いったい何があったんだ」

グロッテの方を向いてコウキは何があったのか尋ねた。しかしグロッテはなぜ親方が泣いているのか分からないようだった。

「その剣を見せてくれ」

「え⁉」

いきなり泣き止んだベーグはコウキの刀を猛烈に見たがった。まぁどちらにせよ勝負であるため見せる予定だったためベーグの前に刀を差しだした。

「もちろんだよベーグ達の剣も見せてくれよ」

ベーグはコウキから剣を受け取るとじっくりと眺め出した。まずは外観から見て行く。鞘に収まった剣はまだ見ることが出来ない。しかも鞘は地味なもので黒く塗っているだけで羊のマークしかないのだがベーグは鞘から柄にかけてじっくり見ていった。ゆっくりと時間をかけて全体を見た後ベーグはゆっくりと剣を引き抜いた。抜いた瞬間にシュンという音が響いてきた。なんと美しい剣なのだ。刀身は特徴的な片刃の反りがある形だ。剣自体とても補足強度があるようには見えないのだがなぜだろうかとても力強さを感じる。そしてベーグが柄を持って剣を見ていると刀身が土色に輝き出した。波紋が光だし形も変わっているように見える。

「なんじゃこれはどうしてしまったのじゃ」

「あぁーごめんごめんこれはな魔法の力なんだよ」

驚くベーグを見たコウキは慌てて説明を始めた。この刀にはこの剣の大きさよりもかなりの量の材料が使われているのだ。魔法の性質を利用しつつもフォースアイアンを圧縮して縮めているのだが持ち手の魔力の情報によって圧縮が解けて使い手に合う重さに代わりその人物の一番得意な魔法が剣に付与される仕組みになっているのだ。つまりこの剣は限度はあるが誰でも使いこなすことが出来る万能な剣でありながら個人の手に馴染む世界に一本の一振りになり100%の力を引き出せるどころか相性のいい魔力がこもりさらに力だ引き出されるのだ。

「こんな剣があっていいのかこれはまるで神剣ではないか」

ベーグはこの剣に見惚れてしまった。持った瞬間に自分仕様の剣になるなどチートでしかない。しかもこの剣の輝きはなんだ。魔法が使えないベーグでも分かるほどの魔力が込められている。ベーグは夢中になって剣を見ていた。

コウキもベーグ達の作った剣を見ていた。ベーグの作った剣は大剣であった。手に持つとずっしりと重さが伝わってくる。幅も分厚くこれだけの幅があればどんな攻撃でも耐えられるだろう。そしてこの分厚さにも関わらず切れ味が素晴らしい。太すぎず細すぎずかなり細かな調整がされている。とても素晴らしい出来だ。

「ベーグの剣も中々やるな素晴らしい出来じゃないか」

コウキの声をかけられて我に返ったベーグはコウキに剣を返した。

「何をバカなことを言っておるのじゃ今回はワシの負けじゃそれよりコウキ様その剣を構えて見てくれんかのぅ」

「いいぞ」


アップ出来ていませんでした。

すみません

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