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コウキは神さまと夢の中で久しぶりに話した。どうやら神はこの世界でのコウキの行動をゲームをする感覚で楽しんでいるようだ。しかも神さまはなかなか気が合うようでなんと俺に新しい力をくれた。お年玉キャンペーンとか言ってたけどこれじゃ本当にゲームじゃないかまぁいいか夢の中とはいえ意識もはっきりしていたな。そんなことを考えていると夢の世界でだんだん眠気が来て目を閉じると現実世界で覚醒した。横ではまだステラが寝ている。最近では会う時間が少ないため一緒に寝るようにしているのだが今日は神様との夢のせいであまり寝た気がしない。まだ日が昇り始めたばかりだがまぁたまには早起きも悪くないと思い起床した。そういえば水道を作る前は早起きして水くみに行ってたな。朝の冷たさと朝露の湿った空気を肌で感じながらコウキは昔の事を思い出しながら少し散歩しようと思い外に出た。ドアを開けると目の前に籠が置いてあった。中を覗くと手紙と一緒に何か入っていた。
「コウキよ言い忘れておったがログインボーナスをやる事にした。存分に使うといい」
手紙の下には大きな宝玉が3つと何かの種が沢山は入っていた。コウキはまず種を取り出して調べてみる。まず手に取った種を見るとブドウの種が入っていた。しかもこの世界の品種ではなく地球の品種改良されたものだった。なるほどなこれはいいぞワインが作れるしたべても美味しいからな。次に入っていたのはリンゴの種だった。なるほど神様はログインボーナスで色々な果物の種をくれたのか他にも見ていくとみかんに桃なんかも確認できた。しかもみんな品種改良された現代の果物だ。きっと上手いに違いない。
そしてこの大きな宝石だがこれは一体何に使うのだろうか。一つ手に持ってみると頭の中に色々なイメージが浮かんで来た。宝石の中にはすさまじい魔力が込められていた。しかもイメージを通してこの島全体を魔道具を使って稼働させても全く問題ないほどである。
「なんだこのとんでもない宝石はまるで原子力発電所みたいじゃないか」
大きな宝石以外にも小さな宝石のかけらが10個ほど入っておりこれだけでも凄まじい力を持っていた。神様はとんでもないオーパーツを渡されたものだ。これが悪人の手に渡ったらとんでもない事に利用されるに違いない。コウキはひとまず宝玉をどこかに隠すことにした。まだ使い道も考えていないし変なことに使われても面倒だからだ。いったいどこに隠そうかな。コウキは悩んだ末に思い切ってリュディアに相談してみることにした。ひとまず籠に神さまからもらった物をしまいリュディアの洞窟に向かった。
「なぁリュディアちょっと相談したいことがあるんだけど入っていいかな」
「なんじゃコウキ今日は早いの良いぞ」
リュディアの許可をもらったコウキはリュディアの部屋に入っていく。コウキが部屋に足を踏み入れるとリュディアは突然驚いたように跳ね起きた。
「うわっどうしたんだよ今日に飛び跳ねてびっくりしたぞ」
「それはわらわのセリフじゃコウキよ一体その力はなんじゃそちから力が溢れておるぞそれにその手の物もわらわが触れては毒じゃ」
リュディアは寝ぼけていたことと元々この島の魔力が高かったこともありコウキの変化に全く気が付いていなかった。しかしコウキがドアを開けた瞬間にコウキからあふれ出る魔力に当てられて興奮状態になってしまった。しかもコウキが手にしている物あれはやばいと本能が訴えかけている。そんなことにも気が付かずコウキはどんどん部屋の中に入って来る。そしてリュディアの前に座り込んでしまった。いったん深呼吸して自分を落ち着かせるとリュディアもコウキの前に座り直した。
「それでまずは説明してくれんかなぜそちの魔力が急激に上がっているのじゃ」
「え?そうだったのかなあっそういえば…」
コウキはリュディアに言われて思い当たる事があった。夢の中で神様と話している時レベルが上がってポイントがあるのになぜ使わないのかと言われて魔法操作のレベル上げと指導者というスキルを取ったんだ。魔法操作はレベルが上がり賢者となった。指導者のスキルは今後学校を始める上で有利かと思い取ってみた。特に何が変わったのか分からないがスキルなのだからきっと何かあるのだろう。しかしスキルとはコウキだけの力なので一体リュディアになんて説明すればいいのだろうか。
「そういえば昨日なんだろう力がみなぎるというか血が騒ぐというか体が熱かったんだよもしかしたら俺成長期なのかなもう大人だと思ったけどびっくりだよ」
「成長期だとは思わんが血統継承者はきっとなにかあるのじゃろうな初めて会った時よりも格段に核が上がっておる。今のコウキと遭遇しておったらわらわは迷わず逃げることを選択しておったであろうな」
「もう大げさだよそれでこれの事なんだけどさここで預かってくれないかな」
コウキは話を戻すと籠の中から大きな宝石を3つ取り出して見せた。リュディアはコウキの話を聞いても意味が分からなかった。あれほどの力の物をあずかれなど正気ではない。コウキと離れていてもあの宝玉から溢れ出す力で酔ってしまいそうなほどだ。それを平気で持ち歩くコウキは異常なのだ。しかしその3つの宝石はとても美しく輝いていた。虹色に色を変えて光輝いている。リュディアも少し触ってみたくなった。
「コウキよ預かるとかの話は置いといて少し見せてほしいのじゃが」
「もちろんだよリュディアほら」
コウキはリュディアに快く承諾して宝石を一つ手渡した。リュディアは恐る恐る宝石を受け取った瞬間だった。リュディアの大きな体は光出した。
「おい!大丈夫かリュディア」
コウキの訴えにも聞こえていないようでリュディアは光に包まれて見えなくなってしまった。そのまま1時間ほどだろうか部屋中に光は充満し続けコウキはまぶしくてどうすることもできなかった。しばらくして光がだんだん収まってきた。やっと目を開けられるようになったコウキは急いでリュディアの安否を確認する。しかしリュディアの大きな体はどこにもなかった。
「え?リュディアが消えたのか」
コウキはあまりの衝撃にがっくと首を落とすと下に見知らぬ女性が小さくなっていた。
「え⁉どなたですか」
「わらわじゃ」
「え?わらわってその話し方もしかしてリュディアなのか?」
目の前で小さくなっていた女性はなんとリュディア本人だった。巨大な体の面影はどこにもなく普通に人間の女性が目の前にいたのだ。しかし額に紫色の宝石が埋め込められていた。
「そりあえずこれは返すぞコウキよもう耐えられん」
紫色のロングヘヤーに釣り目の綺麗系美人になったリュディアは立ち上がるとコウキに宝石を返した。もともとリュディアが身に着けていた服を持ち上げ体を隠しながら立っているわけだがスタイルも抜群であった。コウキは宝石を言われるがまま受け取った後未だ困惑していた。少し経ち落ち着いてきたコウキは何があったのか聞いてみる。
「ていうかどうしたんだよびっくりしたぞ急に」
「その宝石を持った瞬間体に力が流れ込んできたのじゃその瞬間に進化したのじゃ今体にかなりの魔力がみなぎっているのを感じる。知識も上がっておるし体は変わったが前よりも身体能力が向上しておる。いまなら何でもやれる気がするぞ」
「そうなのか前の姿はかなりパワフルだけど今の方が強いなんて凄いな」
「ちょっと離れておれよく見ているのじゃぞ」
リュディアはコウキから十分に距離を取ると体の周りに魔力を展開していく。魔力に包み込まれると先ほどよりも弱い光に包まれて光がどんどん大きくなっていった。




