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さてひとまずドワーフとリザードマンの様子をみてきたコウキだがドワーフの皆が家を完成させて落ち着くまでにはもうしばらくかかるらしい。人数が多いためしょうがないのだがコウキとしてはこっちにいてもやる事がないためいったん村に帰る事にした。今はハシヒメが日程調整をしてくれている。帰るために準備して待っているとハシヒメが帰って来た。
「コウキ様ただいま戻りました。事情を話した所コウキ様の事も考えて一ヶ月ほどもらえないかとのことでした。どういたしますか?」
「一ヶ月か分かったよじゃ向こうも紹介したいから何人か招待しようか」
「ではそのように伝えておきます出発は明日でよろしいでしょうか」
「あぁそれで頼むよ任せた」
ハシヒメはコウキに報告するとすぐに次の仕事に取り掛かっていた。まだ数日しか経っていないのに凄まじい事だ。とりあえず今日はオフということにしてコウキは一日皆の所を回り散歩して過ごしたのだった。
次の日港の拠点の前に村に移動するためのメンバーが集まってくれていた。いつもの親衛隊メンバーには新しくチカとスズが加わり編成も新しくなっている。それに加えてコウキの秘書をやってくれているハシヒメにドワーフ族からベーグの部下であるグロッテに奥さんのフーレそしてリザードマンからフロスとストーム戦士コンビで代表としても挨拶するようだ。今回ベーグはお預けだ。まだ全体の居住エリアの建設が終わっていないため現場監督でもあるベーグが外に出るわけにはいかない。
「クソせっかくコウキ様が一から作り上げた作品が見れるというのになぜわしがいけないのじゃ。さっさとグロッテが代表など変われば良かったのじゃわしは自由に生きたいというのに」
「親方まだまだ私では未熟であります。それに代表というのはゴルドさんが仰ったことではありませんか」
「そうですよあなたいつもは若い物にはまだ負けないとか言ってこういう時だけ都合がいいですわ挨拶はわたくしに任せてください」
「全く肩身が狭くていかんのそれに家の一軒もまだ建てられんとは再教育が必要じゃなわしは腑抜け共を鍛え直しておくからグロッテしっかりと向こうの様子を見て来るのじゃぞ」
「しかと受けたまわりました親方私に任せてください」
ベーグは村に行けないことをとても悔しがっていたが部下と奥さんになだめられていた。あれだけの元気があればまだまだ現役として仕事ができそうだ。いいわけでは早く世代交代したいとか言っていたがそれはまだ先になりそうだ。
「よし挨拶も終わったな皆じゃ行くぞ」
さて話も終わった所で村に向けて出発だ。村までは結構な距離があるのだが今回は道が整備されたことや冬になってから結構な時間が経ちそろそろ冬が終わろうとしており最近は雪も降っていないため比較的に進みやすくなっている。しかも今回は荷車にテントなどを積んでいて野宿の時にだいぶ役に立つだろう。コウキ達は村に向かって進んで行った。先頭は親衛隊のクリス率いる偵察隊を先頭に後ろにコウキ達で残りが左右に展開し後ろにコディアックとエトルの力持ちコンビが荷車を引いてくれている。
「しかし道が出来たとはいえやっぱり交通機関は欲しい所だよな」
コウキは歩きながら長く続く道を眺めて考えていた。村にも港にも簡単に行くことが出来れば皆の交流も増えるしさらに島が発展するだろう。歩いてくとなるとさすがに遠いのだ。早く鉄道を作らなければいけない。コウキが道を眺めながらボソッとつぶやいているとグロッテが話しかけてきた。
「コウキ様交通機関というと馬車か竜車なんていいんじゃないですかね村は川沿いということなので水深の工事をすれば船を作るのもいいですな我々もお手伝いしますよ馬車作りなら覚えがあります立派な荷台が作れますよ」
グロッテはコウキの話を聞いてドワーフの力を見せるためにもアイデアを出していった。ここで荷台を作る事になったら全力で取り組みここに住まわせてもらう恩を返す予定だ。
「なるほどな馬車か俺乗ったこと無いんだよなそれに竜車なんて見たこともないよ」
「コウキ様は家名があるのに馬車に乗った事がないなんて珍しいですなそれに竜車も比較的一般的な乗り物だと思うのですがね」
グロッテはコウキにクロサワという家名があるため貴族出身だと考えていた。そのため貴族の乗り物である竜車の話もしたのだが失敗だったかもしれない。
「まぁな馬車ってなんか乗り心地悪そうでなあぁでも乗り心地に関しては道も問題かいくら揺れを軽減した所で道が平らじゃないと意味ないもんな」
コウキは馬車の構造について考えだしてしまった。グロッテもそれなりに職人として腕を磨いているのだがコウキが揺れについて悩んでいる理由が分からなかった。いくら固められた道とは言え当然凹凸はある。それに車輪が回転すれば地面の硬さがダイレクトに伝わるのはしょうがない事だ。それを考えてもしょうがない事なのだ。
「そういえばコウキ様の言う交通機関とはどういうものなんですかい?」
グロッテは考えてもしょうがないと思い話を振ってみた。コウキの考える乗り物にも興味があるのだ。
「俺が考えているのは鉄道だよ村から島を一周するように作れたらいいよなこの島どこにでも行けるようになるぞ」
「鉄道?ですかい初めて聞いた乗り物ですね何ですかそれ」
「そうだな鉄道っていうのはな蒸気で動く乗り物なんだけどレアメタルとかマナメタルを見つけたらからもっといいものが出来るかもしれないな」
「蒸気ってあの水がお湯に代わる時に出る煙ですよねあれで何が出来るんですかい?」
グロッテが蒸気に興味を持ってくれたためコウキはグロッテに丁寧に説明していった。蒸気とはどういうものでコウキはどういうものを作り出そうとしているのかを細かく説明していった。コウキから話を聞き終わったグロッテは真剣に考えていた。
「なるほどそれは素晴らしい技術ですな蒸気が水であるというのは何となく分かっていたのですがなるほど上手くやればいい力になるわけだ」
「蒸気について知ってたなんて凄いじゃないかあんまり研究が盛んじゃないから知らないと思ったよ」
「そうでうねドワーフは酒を好むってのは有名でその酒はかなりアルコール度数がきついんですがねそれは自分達で作ってるんですよ」
コウキはグロッテの話を聞いてピンときた。
「それって蒸留酒の事だろたしかにあれは度数高いもんな」
「コウキ様はやはりレッドの事知ってたんですかドワーフの里でしか出回っていないのですがさすがですね」
「いやレッドって酒はどういうものかは分からないが酒をさらに蒸留して作るやり方は知ってたよレッドって何から作ってるんだ?」
「レッドは麦から作りますよこの村ではまだ酒がないようなのでドワーフに任せて頂ければ上手い酒を作りますよ」
「麦ってことはウイスキーかなるほどな定番だな酒が欲しい要望があるからな作ってやりたいと思ってるんだよだから春になったら色々畑を作る予定さ。その時は手伝ってくれな」
コウキはコディアックとエトルのボーナスの件を叶えてやりたいと思っている。エルフの女の子についてはまだまだ先になるだろうが酒に関しては春になれば食糧確保のついでに酒についてもしっかりと取り組む予定でいる。その時酒作り経験のあるドワーフがいてくれるのはかなりのアドバンテージになるだろう。皆も酒作ったら喜んでくれるだろうけどこの世界での酒の取り扱いには気を付けなければならない成人する年齢が比較的早いと感じるコウキは今後のこの島での取り決めについても考えながら今後の予定を考えていった。




