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コウキは試験的に光学迷彩魔法を展開すると四人にゆっくりと近づいて行く。そして様子をみて行く。チカはコディアックの背後を取ろうとしてコディアックの横に回り込もうとしていた。それを見たコウキはコディアックの背後に回るとこっそりと足を引っかけた。
「うぉっ!」
足を引っかけられたコディアックはそのまま派手にバランスを崩して転倒してしまった。
コディアックは頭をさすりながら体を起こした。
「なんだよチカ体術も一流だったのかさすがに今のは効いたよ」
「えーと私今何もしてないんだけど」
「何言ってるんだよ俺の背後を取って足を刈り取ったんだろまるでコウキ様の格闘術見たいだったぞ」
「コウキ様の格闘術なんて私知らないわよ」
「「?」」
コディアックの素直な褒めに対してチカは困惑してしまった。チカは確かに背後を取ろうとしたがさすがに熊の獣人であるコディアックの体格を倒すほどの力も技術もない。背後を取れそうだった時勝手にコディアックが倒れたのだ。
「あれ何かがおかしいなもしかして何かいるのか?」
「そんな生物聞いたことないわよ」
「おいエトルにスズ何かいるぞ気を付けろ」
「何言ってるんだよコディアックチカに完全に負けて悔しいのも分かるけどよさすがにひどい言い訳だぞ俺も横眼だったが完全にチカが背後を取ってお前が倒れたんだからよ」
コディアックとチカは互いの言い分は違うことで回りに何かいるかもしれないと警戒しだしたのだがエトルは二人の戦いを見ていたが二人以外誰もいなかったためコディアックのいいわけだと考えた。
コウキはその四人のやり取りを目の前で見ていた。
『全然気が付いていないじゃないか大成功だなそれにしてもエトルも少しからかってやるかなこれも訓練だ』
今度はエトルに近づいていった。エトルはいったんスズを話すと互いに距離を取ろうとしていた。コウキはスズの背中を押してエトルの方に押し出すとそのままエトルの方に回り後ろからタックルをしてやった。スズの力加減に合わせてだ。
エトルにタックルした後コウキに押されたスズはそのままエトルにぶつかりエトルも姿勢を崩す。エトルは何とか耐えて構えを作る。
「おっとと背後を狙うとは考えたなスズしかし今の一撃では力が足りんな」
エトルに指導を受けていたスズだがスズはびっくりして何が起きているのか分からなかったのだ。
「なんだスズそんな顔をして鍛え方が足りんぞ」
「違うんですエトルさん私何もしていませんむしろ私も後ろから押されました。」
「なんだと?じゃいったい誰がやったんだ」
いよいよ全員がここに何かいるのではないかと警戒態勢に入ってしまった。
「チカスズ今日は訓練終了だここにはないかいるエトルはアレク隊長を呼んできてくれ」
「分かったぞ」
『なんだか大げさになって来たなそろそろネタバラシと行きますか』
コウキはアレクに報告に行こうとしたエトルの正面に立つと思いっきり投げ飛ばした。そしてそのまま抑え込みにかかる。エトルは何が起きたのか分からないまま押さえられてしまっている。
「痛たたたた何なんだよいったい」
「やぁエトルこんな簡単に投げられるなんてエトルも鍛練が足りないんじゃないか」
「えっ⁉コウキ様が俺をなんで」
突然現れたコウキに四人は驚きを隠せないでいた。抑えられているはずのエトルもびっくりして抵抗すらできていなかった。
「なんだエトルその顔はほれさっきスズにもやってたもんな」
「いててててちょっとコウキ様それやばいって」
呆けた顔をしていたエトルに対してコウキはさらに締め上げていった。たまらずエトルは抜け出そうとしてもがくが完璧に決められてしまってはコウキから抜けだすことなど出来ない。
「ギブギブコウキ様無理だって」
ついにエトルは降参して地面をバンバン叩いた。それを見たコウキはエトルを話すと起き上がった。そして何事も無かったかのように立っている。
「やぁチカにスズ頑張ってるかい?」
「えーとはいコウキ様ところで今のは何なのですか?」
「とつぜん目の前に現れたように見えたのですが」
話しかけられたチカにスズも突然すぎて何のことか分かっていなかった。しょうがないのでコウキはさっきもでの事を話していった。二人の様子を見ていたこと、スズの戦い方を見て光学迷彩魔法を思いついたこと、実験がてら少しいたずらしたくなったことを。
「そんな私はそんな魔法を使っていたのですか」
コウキの話を聞いてチカは驚いていた。どうやら無意識の領域で魔法が使えていたようだ。これはヒートもなのだがきっと魔法の才能があるのだろう。しかもチカの場合魔法の性質を利用した基礎魔法ではない魔法なのだ。これはかなりの逸材だ。
「どうりで私は偵察さ奇襲が上手く行ったのですね。村の男と対等に戦うにはずっと死角から背後を取ったり突然の奇襲しかありませんでしたから」
「なるほどな自分の戦闘スタイルの確定と努力がきっとチカの中に眠る魔力と反応したんだろうなここだと皆魔法の訓練をしているようだしさらに上達するだろうな」
「それにしてもコウキ様そんな魔法どうやってやるんですか俺はコウキ様の話を聞いてから試しているんですが理解すら出来やせんよ」
コウキの話を聞いたコディアックは魔力を練りながら魔力の物体を動かす性質を意識しながらやって見ていたのがだ全く上手く行かなかった。
「まぁ人には向き不向きがあるだろうからな獣人の皆だとヒートたかアレクみたいに体に魔力を纏って身体強化とかする方が得意なのかもな」
「なるほどそういうことですかい俺も細かい事は分からねーからそっちの方が分かりやすくていいや」
コディアックはコウキの説明に納得したのかエトルと笑い合っていた。エトルもさっきも出コウキに締め上げられていたのに随分とタフな事だ。
「コウキ様はとても強いのですねエトルさんを抑え込むなんて私何もできなかったのに」
先ほどの光景を見ていたスズは全く歯が立たなかったエトルを簡単に抑え込んでいるコウキに憧れを抱いてしまった。透明になっていたとは言えエトルほどの戦士をしかも警戒している状態で見えないが何かがいるという認識を持っている状態でだ。そこで見事に投げを決めてそのまま綺麗に抑え込みを決めている。
「スズだってやれば出来るんだぞエトルはまだまだ未熟だからな」
「ちょっと勘弁してくだせーよコウキ様この島に格闘戦で勝てる奴なんていないっすよいいかスズコウキ様はなネメアの金獅子の完全状態を正面から投げ飛ばした男なんだぞこの村で一番強いんだ。」
「あの金獅子に勝つなんて凄いですね」
エトルがスズに変なことを吹き込みだした。コウキとしては不本意なことだ。コウキは平和主義なのだ。コウキとしては戦いなど全く望んでいないのだ。
「こらエトル大げさに言うんじゃないあれはたまたまだったんだよそれに俺は平和主義の皆で幸せに生きようを胸に生きているんだぞ」
「何言ってんですかコウキ様は色々伝説があるんだぞ」
「なんですかエトルさん是非聞かせてください」
ついにチカまでエトルの話に興味を持ってしまった。今日は訓練も終了な用なのでまぁ話すくらい問題ないのだが自分の事を話されるのはとても恥ずかしい。そんなことも気にせずエトルはコウキの伝説を話初めてしまった。まぁチカとスズの様子を見に来ただけだから元気そうで何よりだ。
「四人とも話のはいいけどしっかりと温泉に浸かって温まるんだぞ汗かいてるんだからな風邪ひくぞ」
「はーいすぐに行きますよそれでな次はコウキ様がな…」
まだコウキの話で盛り上がっているようなので恥ずかしくなってきたコウキは逃げるように退散していった。




