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さて皆の様子を見た後親衛隊と海兵隊が訓練している港に来た。そろそろゴルドの商船も出航するはずだ。ひとまずコウキはゴルドの元に向かう。みんな温泉に入って元気になったのかいきいきと仕事をしていた。何人かコウキを見つけると声をかけてくれる人もいた。その中ひときわ目立ち働いている人物がいた。ゴルドだ。
「やぁゴルド調子良さそうだな」
「これはコウキ様ごきげんようしかしあの旅館というものは素晴らしいですね何よりあの畳という床が素晴らしかった。そして温泉初めて入りましたが癖になりそうですな」
「それは良かったよ是非とも皆に広めてくれないか」
「承りました。それであの旅館の値段なのですが銀貨10枚は取れるでしょうな安宿に関しても部下たちの評価はかなり高い安宿ということを考慮しても銀貨一枚は払うと皆が言っておりましたぞ。」
「銀貨10枚かそれってどうなんだ基準的に」
「そうですなこの世界ではそもそも一般の農民などは通貨自体持っていない者もおります冒険者や商売に関わる人間でも基本は銅貨を中心に生活しておりますからな相場的には高いかと思われますな」
「おいそれじゃダメじゃないか人来ないぞ」
「そこでなのですがあの宿にはかなりの魅力がございます他にはない温泉や部屋の機能は素晴らしいものがある。しかもコウキ様はここを観光地として考えているのでしょですからひとまず私が推薦する貴族をここに連れて来ますのでそうやって広めていきましょうあの温泉には銀貨10枚払う価値があるのですよもちろん我々は全力でサポートいたします」
「それはありがたいんだけどそれってゴルドにメリットはあるのか?」
「それはもちろんでございますよそれについてなのですがここは港なのだから当然使用料を取りますよねそれは少しばかり我々の商船は安くして頂きたい温泉の広告料ということでどうですかそうすればここが広まった時に我々の船に人が集まります。そうなればかなりのもうけになる事間違いなしですな」
「やっぱり港ってお金取らないといけないよな」
ゴルドの話にコウキは首をかしげてしまった。それを見たゴルドは呆れてしまう。この男一体どれほどお人よしなのだろうか
「いいですかコウキ様港というのはかなり重要な役割をもっているのですよしっかりと港について説明いたしますのでよーく聞いていてください」
それからゴルドはコウキに港の重要性について話していった。まずは港とはそもそもどういうところなのかをまず港が出来れば必ず海を進む船は補給にやってくる。海の上では水を補給することが出来ないからだ。この世の生物は食事は取らなくてもある程度生きることが出来る。しかし水分を補給出来ないと生物はすぐに死んでしまうのだ。この世界ではなぜ死ぬのかは判明していないのだが実際にそういった事故が起きているため水分の重要性はしっかりと理解している。次に補給するために船が来るということは必ず人が集まるのだ。当然善人ばかりではないその港でなにかよからぬことをしようとする人間も当然存在する。コウキの住むクロス島ではなぜか皆無給で働いている。そもそも食糧などもただで食べられているしこの島ではお金の動きが全く無いので当然政治機関も金を集める必要が無いのだかよからぬことを企てる人間を取り締まる兵隊たちを雇うには本来多額の金が必要になるのだ。だから港に寄港するだけでも金がかかるし水だって買ってから補給するのだ。今回ゴルドはコウキから色々頼まれたものもありそこからお代を払うという形で物資などを持って来ていたが、ここが広まってきたら当然ゴルド達も払うつもりでいた。
不平等では他の商船団からにらまれてしまうからだ。他にもゴルドはコウキに港の重要性と金をとる理由について説明していった。
「なるほどな良く分かったよゴルドが値段を決めてくれ」
「分かりました。この港はかなり設備が整っていますのですぐに決めることは難しいですから次に来るときに色々な港を見比べて決めましょう」
ゴルドはコウキとの話を終えると船に乗り込んでいった。
「それではコウキ様また次に会えることを楽しみにしております。それでは」
「あぁまたなゴルド」
挨拶を済ませた後船から錨が上げられ港から出航していった。入り江から出る時灯台から合図が送られ外で警備しているガロス達の警戒担当の隊員達に知らされる仕組みだ。それによって外の警戒船との衝突を避けるのだ。
コウキは商船が出ていくのを見送ったのだった。
さてゴルドを見送った後次はアレク達の元に向かう。チカとスズの事が気になっていたのだ。訓練所に向かって歩いていると剣と剣のぶつかる音や厳しい指導の声が聞こえてきた。皆素振りや模擬試合を頑張っておりガロス達の海兵の皆にも親衛隊の皆が魔法について教え合い魔法訓練をしていた。コウキはひとまずチカとスズを探して歩く。ちょうどそこにヘルハウンドが魔法訓練をしているのが見えた。
「おーいヘルちょっといいかな」
「これはコウキ様どうされましたか?コウキ様も体を鍛えたいのですかなお供しますぞ」
「ふむそれもいいかもしれないが今日は新入りのチカとスズの様子を見ようと思ってなどこにいるのか教えてくれないか」
「あの二人ですか分かりました。案内いたしますよ」
コウキはヘルハウンドに連れられて二人が訓練されているであろう場所に向かった。
すこし歩いているとヘルハウンドが指を指して教えてくれた。
「あそこですよコウキ様今度一緒に鍛えましょうね」
「ありがとうなヘル分かったよ今度な」
ヘルハウンドはコウキを案内すると元の場所に戻っていった。さて二人は頑張っているかなコウキは様子を見るためにそっと覗いてみることにした。そると目の前でコディアックの背後を取られ首筋にナイフを当てているチカとエトルに抑えられて身動きが取れなくなっているスズがいた。
「凄いなチカはあのコディアックの巨体を相手にあそこまで立ち回るとはな」
その後もチカとコディアックは一進一退の攻防を繰り広げていた。
「中々やるな嬢ちゃんつえーじゃねーか」
「コディアックさんも凄いですその巨体に似合わぬ動き中々背後を取れません」
「いやいやそもそもコウキ様の親衛隊としては一回でも背後を取られた時点で俺の実力不足だからなまた隊長に怒られちまうよ」
「そんなことありませんよそれにスズ早く抜け出しなさいいつまで寝ているのですか」
チカとコディアックが競り合っているなか横ではスズがエトルにかなり苦戦していたのだ。チカとしても自分が教えた部下がやられているのは嬉しくない。
「そんなこと言われましても姉さまがおかしいのですよお二人とも強すぎます」
「ハハハ確かにチカの嬢ちゃんは気配もつかみづらいし早いしやるな」
四人は何度も組み手をして交代しながら訓練していたのだがそれをコウキは見て感心していた。なんとチカは魔力によって自分の音を制御して相手に気配を悟らせないようにしていたのだ。
「なるほどああいうことも出来るのかそういえば光学迷彩って光の屈折だよなもしかしたら出来るかもしれないぞ」
コウキはチカの技を見てさらに強く改良して自分に試してみた。魔法の基礎は物体への干渉動かす事それを光に干渉していく。コウキの体の周りに魔力に幕が浮かび上がりつつ見込んでいった。
「これって出来ているのか?」
膜は成功したのだがコウキからは出来ているのかよくわからない。それは当然膜の内側から自分を見ているからなのだが外からの反応も見たくなってきた。なんだか少しいたずらしたくなってきた。




