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さてコウキはハシヒメに料理のやり方を教えながら作って来たわけだが余熱で火を入れてから少し待っていよいよ食べごろだ。最後に簡単に味付けをして完成だ。
「よし出来たぞハシヒメさぁ食べよう」
「はいコウキ様頂きます」
コウキ達はスープを皿に注いで食堂に移動した。無発酵のパンを一緒に持って来て席についた。回りでは親衛隊の皆が興味深そうに食堂を覗いていたこともありそのまま食堂に残っていた。
「さぁ食べてくれハシヒメ」
「はい頂きますコウキ様」
ハシヒメはスプーンでスープをすくって口に運ぶ一口飲むと肉から出る出汁と野菜の甘味が口の中に広がり旨味が口いっぱいに広がった。そしてそこの旨味にさらに刺激を与えるように胡椒の辛味によるぴりっと痺れるアクセントが良い感じにマッチしている。
ビックボアの燻製肉はゆっくりと火入れをしたことにより柔らかくなっており噛むたびに肉汁があふれ出す。昼に食べたスープはティファニーの愛情を感じる野菜の甘味のある優しいスープであったがコウキと作ったスープは肉の旨味と胡椒のしっかりと効いたパンチのあるスープだ。
「このスープ美味しいですねこのスープ肉のうまみが広がって胡椒の辛味がしっかりと効いていてこのパンにもよく合います」
ハシヒメは感想を素直に伝えてくれて美味しそうにスープを飲んでいた。コウキもその姿を見ながら一緒にスープを味わった。回りで見ていた親衛隊の皆もさしぶりのコウキが作るパンチのあるスープが皆飲みたくなった。コウキの作るスープは女性陣の作るスープと違いガツンとパンチのある濃いめの味付けなのだ。毎日体を動かして疲れている体には女性陣の作る野菜の甘味の広がる優しいスープでは少し物足りなさを感じていたのだ。
我慢できなくなったコディアックとエトルは我慢できなくなってきた。
「コウキ様俺たちのコウキ様のスープが飲みたいんですが」
「いいぞ多めに作ったから飲んでいいよ」
「やったぜコウキ様から許可貰ったぜ」
コウキの許可をもらった瞬間に親衛隊の皆は調理場に流れ込んでいった。みんな夜ご飯が足りなかったのかな。親衛隊の皆は鍋に群がって取り合いをしていた。
「オイお前らコウキ様に許可をもらったのは俺だぞ俺に寄越しやがれ」
「うるせーぞコディアックお前に対する許可は親衛隊全体の許可じゃい」
コウキとハシヒメはその光景を見て笑いながら食事を楽しんだのだった。
さて次の日の朝コウキはハシヒメに起こされた。まだ日が出たばかりだろうか時間にしたら7時くらいだろうか
「コウキ様おはようございます良い天気ですよ」
「おはようハシヒメ朝早いな。ステラ様にコウキ様の事を頼まれましたので当然です」
「ふわぁーんんんんー」
コウキはあくびをしながら背伸びをするとベッドから体を起こした。さしぶりに朝日を浴びたような気がする。こっちに来てからは少し朝は遅めだったためさしぶりの早起きだ。ステラはコウキが少しだらしなくしているのを気が付いていたのかもしれない。ハシヒメはコウキがベッドから出るとさっさとシーツをはがしてしまい。着替えも既に用意されていた。コウキは顔を洗ってさっぱりすると着替えて身だしなみを整えた。
「今日の予定はどうされるのですかコウキ様」
「そうだなドワーフの皆が家を作るまでにまだ時間が掛かるだろうから造船所を作ろうと思うんだけど」
「造船所ですね分かりました。ではコウキ様は今日は港にいるということでよろしいですか」
「そういうことになるな」
「分かりました」
ハシヒメはコウキの予定をしっかりと確認して管理してくれるようだ。朝はティファニーが食堂に朝ごはんを用意してくれているので食べてから港に向かった。港に行くとガロス達とラミス達が訓練をしていた。
「コウキ様おはようございます今日は造船所を作るということでお手伝いします」
「ラミス話が速いな凄いな」
「先ほどハシヒメから報告がありましてコウキ様が造船所を作るということで既に材料を用意しております。」
「なんだハシヒメ凄いなここまで情報伝達が速いなんて凄い能力だ。」
ここにきてハシヒメが凄い能力を発揮してくれていた。料理などはそもそもやり方を知らないほどだったがコウキのスケジュールを管理してすぐに回りに情報が行き渡る。それにより早めの行動が出来るため作業効率が上がるのだ。コウキの秘書として素晴らしい能力だ。
コウキは早速造船所の作成のためレンガに魔力を込め始める。レンガで足場を固めて上から糸で材料をつるしたり出来るようにしていく。壁を作り上に梁を通すことでリュディアの頑丈な糸を吊り下げられるのだ。足場は斜めにして海に繋げた後レールを作って下にスライド出来るようにする。上で固定できるようにして船が完成した後固定を外す船と一緒にスライドしていき船は進水するのだ。土の魔法を使って滑りを良くしてしっかりと固めていく。造船所は施設のため魔力を気にせずしっかりと作っていった。
今回の施設は船を作る場所せしかもコウキの考える船であるためかなり大掛かりな物になった。隣にはかなりしっかりした精錬所なども完備されている。そうコウキが作りたいのは鉄製の船なのだ。ラミス達の船を作ると言ったこともあるし今回魔道エンジンを開発したこともありコウキは巨大な船を作って見たかったのだ。
「コウキ様これはいったい何なのですかかなり大きな建物ですね」
「これはなラミス造船所だよやるぞラミスこの世界で一番すごい船を作るぞ」
「コウキ様ありがとうございます」
「しかもこの船を作るにはベーグ達の力がいるかなり大掛かりな物になるぞ」
「私達も全力で強力させてもらいます」
「そうだラミスケインを呼んできてくれ俺はここで待ってるから」
「分かりましたでは」
ラミスはすぐにケインを呼びに行ってくれた。ケインは畳製作所で働いていくれているはずだ。
「どうしましたコウキ様」
「来たなケインここは造船所だ。精錬所も鍜治場もあるここでベーグ達に俺の技術も見てもらいたいしケインも何か作りたかったらここでやってくれ」
「中を見てもいいですかコウキさん」
「もちろんださぁ中に入ってくれ」
コウキはケインを連れて造船所の中を案内した。この施設でまずメインとなったのがもちろんこの施設のメインである船を作るスペースだ。レンガで組まれた巨大な壁に組まれた足場から船を支えるための骨組み上には梁が敷かれてリュディアの丈夫な糸によって船のパーツを持ち上げて船を作り上げる事が出来る。土台は直接海に繋がっており完成するとそのまま進水することが出来る。そしてその横にかなり大掛かりな精錬所が備わっている。ここで鉄を錬成して船の部品を作る事が出来る。レンガで組まれた巨大な炉に竈がいくつもありかなりの人数で作業することが出来る。
「素晴らしい施設ですねコウキ様この巨大な炉は何ですか」
「これはな鋼を作る事が出来るんだ。鉄鉱石と一緒に石灰石を一緒に入れることでかなり強力な鋼を作る事が出来るんだ。それにベーグのために洞窟を作った時にレアメタルとかマナクリスタルが出てきた。当然そこに石灰もあったよそれらすべてを合わせたらかなり強力な魔道鋼を作る事も出来るだろうさ。そしたら凄い船が出来るぞ」
「良く分からないですけど凄い事だけは分かりますよ」
「さぁベーグ達が落ち着くのを待ったら製作開始だけどまだ時間が掛かるっぽいからケインはここで色々作ってくれていいよ慣れてもらわないと困るからな洞窟を掘った時に多少なら鉱石を取っておいたから」
「分かりましたありがたく使わせてもらいます」




