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「ベーグ建築風景見させてもらったよ俺も手伝わせてくれ」
「コウキ様見られていたのですかしかし手伝うと言っても何をしていただけるのですかな」
「えっとなドワーフ特有の建築は特殊だけど山肌に建てるんだよな」
「そうですな本来であれば洞窟のようにしたい所ですがここには洞窟が無いようなのでそれに近い形にしようかと思っております。特に普通の家でも問題はないのじゃが馴染んだ家に住むのはやはり落ち着くのからの」
「なんだ洞窟がいいのか人口でもいいのか?」
「ハハハコウキ様はジョークも言えるのですな面白いですないいですぞ人口の洞窟形も整っていて住みやすそうじゃ鉱石もあれば最高じゃな」
「多分この山に鉱石は掘ればあると思うからちょっと待っててな」
ベーグは冗談半分にコウキの話に乗ったがそれは間違った判断でもあり今回は正しいはんだんなのかもしれない。何かをやり出そうとしたコウキにベーグの冗談は通用しない了解を得た今コウキを止めることは出来ないのだ。コウキは頭の中で洞窟をイメージしていく。深さ長さ穴の大きさ鉱石も欲しいと言っていたので下の方まで穴を伸ばし二層構造のようにする。だんだんイメージが固まって来たのでコウキは地面に手をついて魔法を流し出す。コウキの体からは膨大な魔力が流れ出す。今や魔力量800を超えたコウキでもギリギリまで魔力を使い洞窟を作っていく。安全性も考えて壁の強化も忘れない。山の中の土は動き出し中から固めながら穴を広げているため外からは何が起きているのか判断が出来ないのだがコウキから魔力が流れ出した瞬間山全体が揺れ出し回りで整地していたドワーフは驚いて集まって来た。
「親方大変だ地面が揺れてやがるここはあぶねーぞ!」
「親方山が動いてやがる噴火かもしれねぇ早く逃げねーと」
ベーグの部下の職人たちも突然の振動に驚きパニックを起こしながらベーグの元に駆け寄って来た。そしてその職人たちはさらに驚くこと来なった。親方の所に来るとコウキの隣で腰を抜かした親方と何かは分からないがすさまじい力を感じるコウキが地面に手をついて何かをやっていたからだ。
回りでドワーフの皆が驚き騒いでいることなど全く見えていないコウキはどんどん洞窟を作っていた。そしていよいよコウキが手を付けた横の辺りの地面が避け始める。
「大変だ地割れが起きたぞ皆ここから離れろ」
「親方危険ですから離れましょうコウキ様はいったい何をやっているんだ早くコウキ様を連れだすんだ」
「ベーグの部下の職人達は地割れを見て我に返ると急いで親方とコウキを連れ出そうとした。山で地割れが起きるということは本来かなり危険な状態なのだ。ここは火山地帯でもあるし下からマグマが噴き出してくるかもしれない。高温のガスが噴き出してくるかもしれない。またこの島特有の何がくるかもしれない。いずれにしろ命を落とすには十分すぎる。しかしコウキの体から溢れ出す魔力がプレッシャーになっており誰も近づくことが出来なかった。いよいよ地割れから穴が空き始め小さかった穴がどんどん広がって来た。そして穴の近くに立っていたドワーフは何か地面に違和感を感じ始めた。穴がかなり大きく空いた後振動が止まったため恐る恐る近づいてみると今後は地面が盛り上がり始めた。それに気が付いたドワーフは急いでその場から離れる。みるみる盛り上がり始めた地面は穴を覆うようにして覆いかぶさっていき天井のようになった時にやっと動きが止まった。洞窟を掘り終えたコウキは満足した様子で回りを確認し自分の周りが大変な事になっていることに気が付いた。
「あれみんなどうしたんだそんな顔してあれ?ベーグまで座り込んで」
コウキの疑問に誰も事が出来なかった。しかしそれもしょうがない今までの人生でありえないことが起きていたのだから。何が起きたのかすら分からずどうすることもできなかったのだ。少しした後やっと正気に戻ったベーグはよろよろと立ち上がる。
「コウキ様これはおぬしがやったのかね?」
「そうだよベーグが出来れば洞窟が良いって言ったんじゃないか今回は特別大サービス洞窟をプレゼントします」
「なんじゃとやはりこれはコウキ様が作られたのかおぬしは一体何者なんじゃ」
「なんだよいきなり確かに人より魔力量は多いけど普通の人間だよ魔法を使えば誰だって出来るさこんな事村の何人かも同じことが出来ると思うよ」
「なんと!魔法を使っておられたのかどうりで島を一人で開拓できるはずじゃそれにここまで巨大な魔力とは恐れ入った。それにまだ魔法が使えるものがおるとはの」
コウキ達にとってはもはや魔法は馴染み深い物なのだがまだまだ世界的に見れば魔法は限られた人間にしか扱うことの出来ない偉大なものでしかも洞窟を作る事が出来る魔法など今までに見たことがない。コウキは平然としているが長く生きてきたベーグにとってコウキは偉大な魔法使い賢者にしか見えなかった。しかも歴史上でもまれに見ない大賢者に見えたのだ。コウキに対する尊敬と共にこれほどの賢者の元に来ることが出来た自分の人生に感謝していた。
「さぁベーグ中に入ってみよう中を案内するぞ」
コウキはベーグを連れて洞窟の中に入っていく。コウキは魔法で灯りを灯すと洞窟の中を案内していった。洞窟の中は基本的には二層構造で平面上に色々な構造を作っていた。アリの巣のように枝分かれして空間に繋がっていく。基本的には一本道なのだがかなり広い空間になっていた。各部屋には穴が等間隔で空いておりそこに家が建てられるようになっていた。後は骨組みを作り壁を作ってプライベート空間を確保するだけになっていた。入り口からは角度が調整され昼間は灯りが入り込むようになっており少しの灯りだけで充分見えるようになっていた。
「200人はいるって聞いてるから結構大きめに作っておいたよ。家用の空間も作っておいたから後は建てるだけになってるよ」
コウキはベーグを連れて洞窟を案内して回った。一階は皆が住めるようになっており二階が作業などが出来るようにしておいた。地面を操作している時鉄鉱石が埋まっている層や石炭がある層それに見たことがない鉱石が埋まっている層も見つけていた。すぐに掘り出せるように肌が露出しておりすぐに採掘が出来るようになっている。
一階層を回った後二階層に向かうとベーグは唖然とした。一階層とことなり二階層は本来の洞窟のような一本の長い筒のようになっていたのだが壁一面に鉱石が見えていた。
「なんなのじゃこの空間鉱石がむき出しで埋まっておるしかも鉄鉱石だけではないぞあれはマナクリスタルじゃなそれにレアメタルまで埋まっておるではないかここは宝の山かのう」
ベーグは興奮した様子でむき出しの鉱石を見て回っていた。
「コウキ様こんなにも珍しい鉱石が沢山ありますぞこれだけあれば一体どれほどの宝が作れることか」
ステラもこの島に来た時に行っていたがこの島にはかなり濃い魔力があるらしい。この前新しい鉱石が採掘可能とか言ってたしきっと神の仕業に違いない。
「いやー俺もこんなに色々な鉱石があるなんて知らなかったよこれは凄いな」
「コウキ様リアクションが薄いですぞこれだけあればかなりの資金が手に入りますぞ我々もコウキ様にせっかくここに住まわせて頂くのだから頑張りますぞ」
ベーグは洞窟の中にあった鉱石に興奮してやる気を出してくれていた。不幸にも自分たちの住む土地を失って不幸な目にあっていたため力になりたいと思っていたコウキはベーグの喜びようを見てうれしくなったのだった。




