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次の日ガロス達海兵隊はバリバリ働いてくれていた。新しく宿が出来たことによりいったん村に帰り大量のリュディアが作ってくれたシーツを運んでもらっている。風呂のタオルや布団として使うためだ。コウキはケインと一緒に道具作りをしていた。旅館といってもまだ部屋があるだけでコウキ的には納得がいっていない。旅館なのに畳も障子も無いのだ。とりあえず和室に合うように足の低い台を作っていく。その後座椅子作り背もたれを作り後は座布団を乗せるだけにしておく。
「あの宿は地面に座ったり寝たりするんですね」
「そうだぞまだそういう文化には慣れてないと思うけどな元々俺がいた所は下に座ったりするのは普通だったんだよだから家の中は土足厳禁だったな。」
「なるほどです汚れてしまいますもんね」
「それで問題は畳なんだけどな温泉近くにイグサに似た草が生えてたけどあれ使えないかな」
「畳ってなんですか?」
「蛇足禁止だと木だと硬いだろだから草を編み込んだものを畳っていうんだけどそれを床にすると硬くなくて快適なんだよ」
「なるほどですそれでイグサ?というのは」
「それなんだけどな温泉の近くに細長い草が大量に生えてただろあれ使えないかなと思ってね多分あそこは暖かいからあれだけいっぱい生えているんだと思うけどあれほどの量があれば十分だからな」
コウキが温泉を探している時温泉に近づくにつれて木は少なくなり細長い草が大量に生えていた。川に流れ込む温泉が回りを温め日当たりも良いため雪は積もらず川に沿ってずっと生えていた。
「僕が道具作りやっておきますからコウキさんはイグサ探しに行ってもらって大丈夫ですよ」
「それは助かるよこの机と座椅子だけでいいからさ頼む」
「分かりました任せてください」
コウキはケインに道具作りを任せるとアレク達の所に向かった。
「というわけで皆で草刈りに行こうと思います。真剣にやるんで皆さんはついて来てくださいね」
突然現れたコウキは何の説明もなく草刈りに行くとだけ言うとさっさと出て行ってしまった。コウキはすぐに準備を始めてしまった。隊員たちは慌てて装備を身につけていく。こんな時便利なのがアリスだ。アリスはいい意味でコウキと仲が近いため簡単に聞くことが出来るのだ。
「コウキさん何しに行くの?」
「あれ行ってなかったけ旅館のために床を作りたくてな」
「草で床を作るの?」
「あぁそうさなんだその顔は分かるぞアリス何が言いたいのか安心してくれ」
不思議そうな顔をしているアリスの顔を察してか何か言い出す前にコウキは安心させる。
「いや今までの事もあるし心配はないんだけど想像が出来ないわ」
「まぁまぁ完成したら見せてやるからよし出発だ」
コウキ達は畳を作るために川の方に向かって進みだした。新しい居住スペースを温泉の近くに作っていたため川まではすぐにつくことが出来た。川ではイグサみたいな細くて長い草が一面に生えていた。
「よしじゃ根元辺りから刈って行ってくださいね」
コウキの指示のもと全員で草を刈っていく。ある程度刈ったら一束にしてまとめていく。ある程度集まって来た所でアレクはある事に気が付いた。
「コウキ様これどこで保管するんですか?」
「そうだ集めるだけじゃダメだな畳にしないといけないぞごめん皆は集めててくれ。」
コウキは急いで旅館の方に戻るとケインと作業をするための小屋の横に畳製作用の工房を作っていく。まずはイグサを乾燥させるようにレンガで部屋を作っていく。下で釜戸から火を起こして乾燥させれる仕組みだ。次に機織り機なのだが仕組みとしては簡単で上下に分かれた糸から間にイグサを通して詰めて編み込んでいくのだ。コウキは織機をイメージして鉄と木を組み合わせて作っていく。とりあえずは手動で動かす使用にした。
『さしぶりに細かい道具を作ったが相変わらず製造者は便利だな』
コウキはゲーム内の物制作の力があるので自分が全く分からない物でも何となく作る事が出来るのだがあまり力に頼らずに知識で作っていたのだがさすがに専門性が高すぎて作り方が分からなかった。
『まぁいいか早く畳作りたいし戻るか』
コウキは織機を作り終えると畳製作工場から出て皆の所に向かった。あれから皆かなりの量を集めてくれていた。
「皆ありがと量も十分集まったし戻ろうか」
コウキは工場の乾燥部屋に案内してセットした。とりあえず火を起こして乾燥するのを待つ。とりあえずは待ちなので皆には解散してもらって今日は終了だ。ケインの所に顔を出すと全部道具を作ってくれていたので今日の作業は終わりだ。コウキは温泉に入りゆっくりしながら一日を終えたのだった。
次の日新しく出来た畳製作工場にコウキとケインはいた。
「さぁケイン畳を作っていくぞ良く見ておいてくれな」
「はい勉強させてもらいます」
ケインが良く見えるようにコウキは気を付けながら畳を作っていく。まずは畳床を作る。
畳を作ると決めてから木を調べておいて柔らかい木を探しておいた。杉にような木でとても加工がしやすい木だ。それを畳の大きさになるように板にして組み合わせていく。だいたい人間ほどの大きさの板が出来ると昨日コウキが作った織機にイグサをセットして織り込んでいく。横から草を刺しリュディアの糸を縦に何本もセットして縫い込んでいくのだ。ある程度の大きさになると両サイドを切り揃えていく。そして板に縫い込んでいく。柔らかな木を使っているとはいえ針を刺す時には細心の注意を払いながら縫い込んでいった。今回縁は作らないのでこれで完成だ。出来た畳をケインに見せる。
「これで畳っていう床の完成だ。裸足で上を歩くと気持ちがいいぞ」
「凄いですねただの木でもこうして加工するとここまで違いが出るのですね」
「よしじゃあ最初は俺が縫う作業をやるからケインは板を作ってくれ」
「分かりました頑張ります」
それからコウキとケインはドンドン畳を作っていった。途中から親衛隊の皆も加わり1週間で100枚畳を作り上げた。出来た畳からとりあえず旅館に運び込んで行っており後は敷くだけだ。
「よし皆畳を張っていくぞまずは俺がやるから見ていてくれ」
コウキは皆の前で一部屋分の畳を張っていった。縦横組み合わせて正方形の部屋の形に合わせていく。
「よしこんなもんだな皆こんな感じで部屋に畳を張って行ってくれ」
「分かりました」
隊員達は三人一組になってどんどんコウキの真似をしながら畳を張っていった。皆で手分けした張ったことで旅館全体が一瞬で張る事ができた。
「よーしみんな出来たぞさぁどうだ畳の感触は」
張り終わった部屋に入って各々が畳の感触を味わっていく。旅館は土足禁止のため作業中も皆は畳を踏んではいたのだが作業に集中していたためあまり感触も楽しむことは無かった。改めて畳の感触をしっかりと踏みしめていった。
「これはなんとも落ち着きますな靴を脱ぐなんて違和感がありましたけどこれならば納得ですね」
「良く分かってるなアレクこれが畳のすばらしさだぞ本当は家も土足禁止にしてこの文化を浸透させたかったけど旅館を足掛かりに畳が広まってくれるといいな」
「これいいわよリラックス出来るもん寝室だけは畳にしようかしら」
「そっかまずはそこからだよなナイスアイディアだぞアリス」
「え⁉そうそれは良かったわ」
親衛隊の皆には畳が大変好評だったためまずは旅館から畳を広めて皆に畳の良さを分かってもらいそしてこの旅館のことも広まってくれればこの島はもっと発展していくので頑張ろうと思うコウキであった。




