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コウキ達は港作りのために動き出した。現在は港の建設の前段階として拠点を建設している。今後駅になる予定のため村からの位置を考えて平らな位置を選んだ。アレク達が木を伐り資材を集めていた。
「コウキ様これくらいでしょうか」
アレクが指を指すと拠点の建設予定地は綺麗に整地され丸太が積まれている。
「ありがと十分だよ後は下水の位置だよな」
コウキは将来的なことも考えながら下水の位置を決めていく。ステラの薬で排水を綺麗にして流すことが出来るので海に流しても問題ないだろう。港を建設する予定のため穴を掘る位置を考えながら掘っていく。地盤の固さを考えて港が穴で崩れないように考えながら海に穴を通した。
「よし家を建てるぞ」
コウキの言葉で親衛隊の皆は予定地から離れる。それを見てからコウキは丸太に魔力を込めてイメージの通りに拠点を建てていく。2階建ての大きな家で一階はキッチンと皆が集まる事が出来る広間そしてトイレ後々水回りを整備できるように小部屋を4つほど作っておいた。そしてコウキの部屋は少し見栄もありステラと一緒に使えるように広間の次に広い部屋になった。2階は寝室を6つ作った。各部屋2人は入れるような広さである。
とりあえず2階は親衛隊の皆に使ってもらうようにしておいた。
「いやー出来たねいい感じじゃないかな」
「さすがコウキ様これほど大きな家をこの速さで作ってしまうなんて」
「2階は皆の部屋にしたけど少し部屋数が足りないから上手く使ってくれな」
「分かりましたここまでしていただいたのですからありがたく使わせてもらいます」
なんだかんだと話しているうちにアリス達水源調査班が戻って来た。
「コウキさんおっきい家が出来たわね流石だわ」
「お帰りアリス川とかあったか?」
「えぇあったわよここから少し離れた所に大きな川があったわでも少しおかしかったのよ」
「おかしかったってどういうことだ?」
「ヘルハウンド報告しろ」
アリスの言葉を聞いたアレクも詳しい状況説明のためにちゃんとした報告をさせる。
「分かりましたでは私から説明しますからアリスは下がってなさい」
「分かりました」
「では報告しますここから以前行った湖の辺りに山を発見していたのでその辺りなら水源があるだろうと検討を付けて捜索していました。するとここから近い位置の山の麓から水が湧き出しているのを発見したんですがその水がお湯だったのです」
「なに?お湯だと周りの状況は」
「そうですね水源の周りは暖かく雪も積もっていませんでしたねあと少し嗅いだことのない匂いがありました」
「なんだとそれは危険だな毒の可能性もあるなコウキ様その水源は危険かといったん調査が終わるまでは近寄らないほうがいいかと」
「ちょっと待ってくれなお湯が出てて変な匂いがしたんだよな」
「そうですね嗅いだことが無いのでなんとも表現のしようがないのですが甘いとか臭いとかではなくなんといえばいいんでしょうか」
「アレクさっき土地の調査した時のこと覚えているか?」
「はい黒土の層がある事から火山が近いかと思います」
「そうだなそこで質問だが皆は温泉って知ってるかな?」
「温泉ですかネメアでは聞きませんねあまり大陸の方にも行きませんのでなんとも」
「そうだなもしかしたらそのお湯ってのは温泉かもしれない匂いってのは温泉特有の匂いで毒じゃないんだ岩盤から溶け出した成分が匂ってるんだよちょっと行ってみようか」
「コウキ様に知識があるなら問題はないかと思いますが警戒はしますよ」
「分かってるってよし行こうか」
コウキは温泉があるかもしれない興奮から急かしていた。アレクは急いで編成を組んでから温泉に向かって行動し出した。コウキがどんどん進んで行くので皆焦ってついていく。
30分ほどでアリスやヘルハウンドが見つけた。水源まで到着した。コウキはいったん周りを観察する。するとやはり温泉特有の硫黄の匂いがして岩は黄色く変色していた。岩場の間から噴き出した温泉からは湯気が出ておりとても熱そうだ。その水は近くの川に流れ込んでおり川の近くの流れ出した温泉はちょうどいい温度になっている。水の色は透明だがコウキが川の近くの流れた温泉を触ってみると暖かくて気持ちがいい。
「これ温泉だ凄いぞ大発見じゃないか」
「それでコウキ様この水は飲めるのですか?」
「もちろんだよしかもこれはただの水じゃないぞ水の中に色々な成分が溶け出していてなとても健康にいい水になるんだよ決めた拠点はここにする。」
「え?向こうの拠点はどうするんですかもう完成していますよ」
「あれは仮だからなしかも駅にする予定だからこの川の下流の方からいちよう水は引いて使えるようにするけどここはそうだな俺の家にしようかなでっかい家を作ってここに住んでも良いくらいだ」
やはり元日本人として温泉の魅力というものは測りしれない。普通の風呂でさえさしぶりに入った時に素晴らしい感動があったのだ今では欠かさず風呂だけは入るようにしているコウキだが温泉となるともう間違いはない
「そんなコウキ様が村からいなくなったらどうなるんですかあの村はコウキ様が作った村なのですよ」
「そうだな村って言ってもまだ施設としてはそんなに出来てないんだよな移動するなら今だと思うけど皆の事を考えるとさすがにそれは出来ないよな」
「そうです皆コウキ様だから付き従っているのですから」
「分かったとりあえずは川から水を引いて仮拠点で港を整備する。その後いったん村に戻ったら会議だそうしよう」
「それがよろしいかと」
アレクはコウキの突然の言葉にひやひやしながらなんとか説得することが出来た。今までのコウキを見ていたアレクはコウキが言い出したら止まらないことを知っていたのでひとまず安心だ。その後コウキは慣れた手つきで下流から水を引き親衛隊の皆で上水道を伸ばして仮拠点を完成させた。
次の日コウキは港予定地の海岸に立っていた。
岩場から海の中を覗き込んでいる。入り江全体としては200メートルあるので船は問題なく寄港出来るだろう。港の全長は入り江いっぱいに使って将来的には蒸気船を作る予定なので大きめに作るとして入り江の中はかなりの深さが必要になってくる。いまコウキがいる位置はいわばとはいえ深さは1メートルほどである将来の事を考えると10メートルは欲しい所である。まずは土魔法を使って入り江の手前を埋め立てていく。皆にも手伝ってもらいながら岩と砂を流し込み奥に10メートルほど伸ばして最後はコウキがしっかりと固めて耐久性を上げた。形としては凹の形で真ん中を空けて両サイドは20メートルほどに伸ばした。その後コウキは海底を魔法で掘って広げていく。10メートル伸ばしたこともありあまり掘らずに深さを確保することが出来た。
「やっぱり港だから水はいるよな」
「そうですね前回ゴルドさんが来たときは皆さん水の補給には苦労していましたね」
「分かったよでっかい貯水タンクを作るとして土台が出来上がったから次は足場つくりだな岩場じゃ不安定だからね」
「資材足りますかね?」
「全く足りないと思うし貯水タンクを作るなら用水路も作った方がいいからここから温泉地くらいまで木を伐って整地しようかな木は港に使って用水路はそのまま貯水タンクに繋げよう」
「分かりましたお任せくださいコウキ様は港作りを進めてください」
「頼もしいね頼んだよ」
アレク達は魔法を覚えたことで作業効率が一気にあがりドンドン作業を進めていった。前回コウキが用水路を作ったのを近くで見ていたこともありしかもコウキは一人で作業していたが親衛隊は村に戻って来る皆を除いても15人いるハイスピードで仕上げていった。
用水路の先にコウキは貯水タンクを作っていく。
「生活用水だし航海で使う水なんだから衛生面気を付けないとなそうなるとやっぱり鉄で固めないといけないかどうしてもいったん村に戻る必要があるな」




